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札幌市営地下鉄の運転手はここで育てる!動力車操縦者養成所に潜入!

北海道ファンマガジンでは、これまでに札幌市交通局のご協力の下、札幌市営地下鉄のあれやこれやを調べてきました。(札幌市営地下鉄連載まとめはこちら)そこで、はたと気づいたのです。地下鉄を運転する人は、果たして運転手なのか、運転士なのか? そして誰もがなりたいと思えばなれるものなのか? 気になるあれこれをお聞きしてきました。

地下鉄を運転するためには

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疑問の答えから書いてしまうと、地下鉄を運転する人のことは運転士もしくは運転手といい、札幌市交通局では運転手と呼んでいます。ちなみに、法的な正式名称としては、動力車操縦者というのだそうです。動力車操縦者は、単に研修を受ければなれるというものではなく、国家試験を受け、動力車操縦者運転免許証を手にしないと運転することはできません。

▼これが運転免許証
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国家試験を受けるためには、鉄道事業者が指定した採用試験などに合格してから「動力車操縦者養成所」に入所し、所定の教習を受ける必要があります。ここでは、鉄道に関する法規、利用者に対する接遇、緊急時の対応、負傷・病気の応急手当など、運転の技術以外についても会得する必要があり、それはかなり厳しいものなのだそうです。

動力車操縦者運転免許や、動力車操縦者養成所については、「動力車操縦者運転免許に関する省令」にさまざまな規定が定められています。詳しく知りたい人はこちらのリンクから省令をご覧下さい

札幌市交通局の動力車操縦者養成所

動力車操縦者養成所は、上記の「動力車操縦者運転免許に関する省令」の規定に基づき、動力車の操縦に関する講習を行うことのできる施設として国土交通大臣に指定された施設のことです。鉄道各社には、動力車操縦者養成所として認定された養成機関があり、国家試験に通るための講習だけでなく、鉄道会社ごとの規則などを教育しています。

▼入口横には「動力車操縦者養成所」の看板が
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もちろん札幌市交通局にも動力操縦者養成所があります。今回、特別なお許しを得て札幌市交通局の動力車操縦者養成所を取材させていただきました。

▼ここは信号実習室
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内部は、普通の学校と同じようにそれぞれの教室に「教室」「信号実習室」「高速電車実習室」などといった名札が付けられています。

▼信号実習室の中
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運転手になるためには、適性検査に合格し、3ヶ月間の学科教習(運転法規、信号保安、電気、車両、運転理論など10教科)後の学科試験に合格した者だけが、実技教習(運転技能、出庫点検、故障処置、非常の場合の措置等)に進みます。その後、3ヶ月間の実技教習終了を受け、教習終了後の技能試験に合格することで、運輸局から免許証が交付されます。

▼すべての標識を覚えないといけない
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いちばん大きな教室は「高速電車実習室」です。ここには、実寸大の地下鉄のシミュレーターがあるだけでなく、それぞれの地下鉄の部品や装置が並んでいます。車両を解体して広げたようになっており、実物を触りながら学ぶことができるのです。

▼高速電車実習室
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シミュレーターの運転席に座ると、そこはさながらリアル「電車でGO!」。車窓の外には大きなモニターがあり、実際に走っているように次々とCG映像が映し出されます。

▼運転シミュレーター
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すぐ横には教官の席があり、複数のモニター画面が。そこに映し出されているのは、それぞれ教習生が見ている画面、ブレーキなどの操作を数値で表したものなどです。

▼教官の席で教習の様子をしっかりチェック
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札幌市交通局が運行しているのは地下鉄だけでなく、市電もありますので、市電用の教室もありました。

▼市電のための教室にも実物大の車体が
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▼車体の中も市電そのもの
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今回、札幌市交通局の動力車操縦者養成所を取材させていただき、どのように運転手が誕生していくのか、そのプロセスをはじめて知ることができました。自動車の運転免許を取得するよりもはるかに難しく、はるかに厳しい学科や実技を経ていることに、たくさんの人の命を預かることの責任の大きさを垣間見た気がします。

取材協力
札幌市交通局
所在地:札幌市厚別区大谷地東2丁目4-1
電話番号:011-896-2708
公式サイト

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。