【利尻町】 アザラシを見られる飼育施設といえば、オホーツクとっかりセンター(紋別市)をはじめ道内各地の水族館や動物園で見ることは可能だが、離島にもあるのをご存知だろうか。利尻島にはなんとアザラシを見れて餌をあげることのできるスポットがあるらしい。これはアザラシ好きにはたまらないはず!ということでやってきたのは、利尻島南部に位置する仙法志御崎公園。
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公園は岬のようになっている場所で、かつて利尻山が噴火した際に溶岩が海に流出してできた独特の形・色をした岩がごろごろとしている場所だ。もちろん利尻山も望むことができる絶景スポットの一つとして知られている。
そんな公園の海沿い、天然の自然磯観察場の一角には、アザラシプールがある。前述の通り特徴的な岩がごろごろしているのだが、その海辺にセメントで四角く囲って作った生け簀ともいえる小さめのプールがあって、その中でかつて野生だったゴマフアザラシが悠々と泳いでいるのである。一部海とつなげており、海水を利用しているプールである。
この公園では1990年代にはすでにアザラシが飼育されていた。2002年頃には稚内市ノシャップ寒流水族館からレンタルしてきた、オスギとピーコと名付けられた二匹の出稼ぎアザラシがいたり、2003年頃からは海岸で保護された幼いアザラシがいたり、2009年春から1年半も一匹のアザラシがいたりしたものの、何度か逃亡していなくなっている。最近まではコンブとワカメと名付けられた二匹のアザラシが飼育されてきた(※2013年現在ではワカメが飼育されている)。
『見るのはタダ!餌をあげたければ100円!』と話すのは、アザラシプールに通じる唯一の通路の入口に立地する土産店店主。アザラシに与えることのできる餌として、お椀に入ったいわし2尾を販売している。来場者はそこから坂を下り海辺へ下り、自由にプールを一周することができる。
飼育されているアザラシは近くまで寄ってきて、お腹を向けてじっととまったり、顔だけ水面から出して見上げてきたりと、人にも慣れている様子でとてもかわいい。餌を与えれば独り占めできたりするので、アザラシ好きは絶対行っておきたい場所の一つである。なお、これまでの経緯から、逃亡してアザラシがいない時期が生じることもあるので、ご了承願いたい。
なお、この公園の駐車場では、時間帯や日によっては、島で数少ない出張パン屋がパンを販売していることもある。また道道沿いには利尻昆布加工直販があり、利尻昆布を購入することも可能だ。ちょっとした休憩場所としていかが。