十勝ヒルズがグランドオープン!!新たなスタート切った庭園の見所とは

2009年から営業を始めた「十勝ヒルズ」。ここ数年北海道特有のガーデンが注目されるようになり、地元十勝はもちろん、全国・海外からも「十勝ヒルズ」のガーデンを見学に来る人が年々増えています。

その「十勝ヒルズ」がこの7月、グランドオープンのイベントを開催。これまでに足を運んだ人は、「今になってグランドオープン?」と思うでしょう。まだ訪れていない人は「新しい施設がオープンしたの?」と感じるかもしれません。そこで、今回のグランドオープン、そして十勝ヒルズの魅力を取材しました。

これまでも毎年オープンしてたのに、なぜグランドオープン??

「なぜ今グランドオープンなのでしょう?」という素朴な疑問をまず投げかけてみました。
「実は、これまでひとつの完成形を目指し、ガーデンはもちろん、レストランやショップなど、計画に基づいて毎年園内を整備してきました。そのカタチがやっと出来た、完成した、ということです。そこでグランドオープンとして、多くの皆さんに改めてお披露目となりました」と話す十勝ヒルズの総支配人・茂呂昭生さん。つまり、時間をかけながら進化し続けてきたのです。「冬の間は、なかなか作業ができませんので、その分ちょっとだけ時間がかかってしまいましたね(笑)」と十勝の青空の下、まぶしい笑顔に。

ガーデンの広さは23ha程。その中に、異なったテーマで展開される6つのガーデン、ハンガリー料理のレストラン、和食処など5つのレストラン、自然栽培畑や果樹園などのファームエリア、ショップやカフェなどが点在し、訪れる人を十勝の食とガーデンで歓迎してくれます。

2016年7月9日・10日には、グランドオープンを記念して「ガーデンピクニック」なるイベントが開催されました。雑貨マーケット、ワークショップ、グルメなど多彩な催しに多くの人が訪れました。まさに「十勝ヒルズ」完成をみんなで祝おうといったお祭りのような賑わいでした。

「このイベントも、十勝ヒルズをまるごと感じてもらいたい、楽しんでもらいたいという私たちスタッフの思いをカタチにしたものです」と茂呂さん。十勝平野を見渡す小高い丘「十勝ヒルズ」は、花と緑と空が彩る「農と食」のテーマパークとして、新たなスタートを切ったのでしょう。

ガーデン散策は時計をはずして

▼ゲートを抜けガーデンへと導く小径。両側から季節の花々が歓迎してくれます

「まずは、ゆっくりガーデンを歩いてきてくださいよ」と促されて歩き出すと、道の両側では季節の花たちが歓迎してくれます。頭の上に広がる空はどこまでも高く青く、小鳥の声が響きます。ガーデンに入ってからは時間の流れがゆっくりと感じられるような不思議な感覚に。

まず見えてくるのは、「十勝ヒルズ」の象徴ともいえる「スカイミラー」。青空の下、広大な十勝平野を望む絶好の撮影ポイントです。季節、時間によってガーデンの表情も変わります。

▼ガーデン「スカイミラー」から眺める十勝平野。取材当日の朝、徐々に広がり始めた青空、緑と花が鮮やかに彩りはじめます

そして英国風の可愛らしいガーデン「フラワーアイランズ」、睡蓮が美しい池に昆虫や小動物も集まる「ナチュラルオアシス」、さまざまなバラの香りに包まれる「ローズガーデン」、妖精たちのささやきが聞こえそうな「アニーカの庭」など、どのエリアでも生き生きと咲いてる花たち。風にそよぐ姿は、何か語りかけてくるよう。

▼睡蓮の咲く池には、さまざまな昆虫や鳥、小動物も集まります

▼どの花も生き生きと出迎えてくれます。スタッフが手をかけ気持を傾け、毎日しっかり手入れしてくれているのがわかります

▼おとぎ話の中に入り込んだようなローズガーデン。バラは約700株。▼ガーデンのいたる所にベンチやちょっと休憩できる場所があります。丘をわたる風に吹かれてみませんか? 花の香り、木々のざわめき、小鳥のさえずり、自然が届けてくれる音が心を和ませてくれるでしょう





▼ガーデンマップを片手に散策。手作り・手書きの案内板も楽しい

ガーデンのあちこちには、ベンチが置かれているのも嬉しい配慮。ゆっくり自分の歩き方で、自分の時間の進め方で過ごせるのが「十勝ヒルズ」時間のようです。

レストランで味わう「十勝の食」、ファームで感じる「十勝の農」

「十勝ヒルズ」の敷地内には、ファームエリアもあり、書籍『奇跡のリンゴ』の著者である木村秋則さんが提唱する自然栽培農法で野菜や果樹を育てています。

▼ファームレストラン ヴィーズ

「ファームレストラン ヴィーズ」は、その畑で収穫した新鮮素材をたっぷり使ったハンガリー料理を味わえます。ランチはビュッフェスタイルで、お好きなものをお好きなだけどうぞ。ディナーはヒルズから見える夜景とともに、ゆったり味わえます(ディナーは予約制です)。

古民家の和食処「四分分度」では、ファームで収穫した蕎麦のほか、十勝産の食材をふんだんに使った和食が、散策の後の食欲をやさしく満たしてくれそうです。

▼入り口にある、ヒルズショップ&カフェ。手前には十勝の美味しい物やグッズ、ガーデニング用品も並びます。奥にはカフェがあり、パスタやスイーツなど、オリジナルメニューを楽しめます

ヒルズショップの中にあるカフェでは、パスタ、スープなどちょっとおしゃれな軽食や、スイーツに女性の人気が集まっています。おすすめは、十勝あずきのソフトクリーム。帯広畜産大学の牛乳と十勝産小豆のペーストを練り込んだオリジナル。小豆の香ばしさが活きたさっぱりした食感が幅広い年代に人気です。

また「ヒルズファーム」では、無農薬や自然栽培農法などを見て感じて「農業に興味を持ってもらい、家庭菜園の見本にしていただけるように展開しています」と茂呂さん。子供たちには「食育」の場としても活用してもらいたいと話します。

▼オリジナルの「豆のジャム」。シナモン、ココア、ミルクの3種類(各700円)。ハスカップとブルーベリーのジャム。もちろん「十勝ヒルズ」のファームで採れました(各700円)





▼食事やおつまみに。麹なんばん、ごはんのお友・生姜醤油、ガーリックとなすのディップ(各700円)。小豆、白花豆、大豆、黒豆ほか、たくさんの豆も人気。十勝は豆の王国でもあります(200g・200円~)





▼十勝ヒルズ 純粋酢と十勝ヒルズ ドレッシング。純粋酢は、白いんげん、きんとき豆、小豆、ながいもの4種類(980円)、ドレッシングは、小豆の酢をベースに、十勝産の豆の醤油や豆のペーストをブレンドした、まるごと十勝の味です。フレンチ風ソーズ、豆酢と野菜のドレッシング、豆ポン酢、豆のドレッシングの4種類(各650円)

「お客様目線」のサービスで満足度アップとリピーター

 
「十勝ヒルズ」には、特筆すべきサービスのスタイルがあります。それは「お客様目線で歩くこと」と話す茂呂さん。スタッフ一人ひとりが、ガーデンを、ファームを、そしてレストランをお客様の目線で見て歩くのです。そこで気づいたこと、改善すべきことはすぐに実行。また「お客様からのアンケートで改善すべき点は、ひとつずつ対応していきます。それがお客様の満足度につながり、また来たいと思っていただけるのだと思います」。

取材の日も平日にもかかわらず、朝からツアーバスが到着。総支配人の茂呂さん自ら案内役を務めます。散策に向けて歩き出した人たちからは「わぁ~きれい、かわいい」という言葉が次々に聞かれました。その言葉が、「十勝ヒルズ」のスタッフには最高の褒め言葉かも知れません。

グランドオープンは、新しいスタート

茂呂さんは言います。「目指してきたカタチの完成ではありますが、気持ちは新たなスタートのつもりです。十勝には、美しいガーデンがたくさんある。それにばんえい競馬、温泉、十勝の農畜産物・海産物や乳製品など豊かな食、美しい自然、ここは癒しの土地なんです。ここから十勝の素晴らしさを発信していきます」と。

「十勝ヒルズ」は、十勝の良さがぎゅっと凝縮されたような場所。十勝の農・食・自然を体感できる場所。グランドオープンは、「十勝ヒルズ」が未来へ向けてさらに一歩踏み出した、新たな旅の始まりなのでしょう。

北のオアシス 旬・花・祝・豆 十勝ヒルズ
所在地:北海道中川郡幕別町字日新13番地5
TEL:0155-56-1111
FAX:0155-56-1117
ウェブサイト

<ガーデン>
営業期間:4月下旬~10月下旬(期間中は無休)
営業時間:9:00~18:00
入園料:大人 800円、子供(中・高校生)400円

<ファームレストラン ヴィーズ>
営業時間:ランチ 11:00~15:00(LO.14:00)、ディナー 18:00~21:00(LO.20:00)予約制
定休日:月曜(冬季は年末年始休業)
予約:TEL 0155-56-1113
日・月・火はディナー休業

<和食処 四分分度>
営業時間:11:00~15:30(LO.15:00)
定休日:火曜(冬季は年末年始、または火・木曜が休業)
予約:TEL 0155-56-1111(十勝ヒルズ事務所)

※いずれも団体での利用は3日前まで要予約。
天候等により営業時間が変更になる場合があります

<ヒルズカフェ・ショップ>
営業時間:9:00~18:00
営業期間:4月上旬~10月下旬