上空から見ると北海道の形!? 豊頃駅裏「佐々田沼」に行ってみた

【豊頃町】北海道には北海道の形をした沼が存在するという。その沼とは、豊頃町の豊頃駅裏にある沼「佐々田沼」。上空から見ると北海道の形に見えなくもない沼として知られるのだ。そんな沼を訪ねた。

上空から見た佐々田沼とは

百聞は一見に如かず。実際に上空からの写真を見てみよう。

佐々田沼を上空から見てみると、まさに北海道。渡島半島もあるし、積丹半島のでっぱりも、えりも岬も、そして宗谷地方まで、北海道らしい形をしている。完璧な北海道の形ではなく、渡島半島が小さめで、道北が少し縦に伸ばしたような歪な形になっている。とはいえ、ここまで北海道に見える湖沼は珍しい。

沼は周囲約1,500mで、東西最大約360m、南北最大約390m。サイズとしては小さすぎず大きすぎずといったところ。

佐々田沼を訪れてみる

佐々田沼は、JR根室本線・豊頃駅から徒歩5分以内と近く、駅にある跨線橋からもその一部を見ることができる。佐々田沼の北西側が佐々田沼への入口となっており、周辺はトイレやバーベキューハウスがある「佐々田沼公園」として整備されている。沼へのアクセスは良好だが、普段は誰も訪れることのないひっそりとした公園だ。

沼の北西、北海道の形でいえば石狩湾にあたる部分に小高い丘があり、沼を一望することができる。もっともこの高さでも北海道の形を認識するのは難しい。右手奥が渡島半島にあたり、中央奥が根室地方、そして左手が道北にあたる。道北にあたる左手は、さらに奥に続いており、稚内や宗谷岬に相当するエリアを見るには、公園広場からさらに東に進んで草薮の中から見るしかない。

▼北海道地図でいう旭川方面を見る

▼北海道地図でいう道東方面を見る

▼北海道地図でいう道南方面を見る

▼北海道地図でいう宗谷地方を見る

沼は静かな環境で、渡島半島、積丹半島、根室地方、稚内地方に相当する部分には浮き草も見られる。遊歩道で沼を一周することも不可能ではないが、訪れる人も少ないせいか、草が伸びる夏季には場所によっては草をかき分けて進む必要がある。

かつてはスケートリンクに活用されていた佐々田沼

佐々田沼の名前の由来は、佐々田良之助氏にちなみ、公園入口には碑石が建立されている。沼の向こう側には豊頃農協の施設があり、騒音を出していることもある。

冬季は全面結氷するため、1955年頃から天然スケートリンクが作られ、各種スケート大会も開催されることもあったため、スケート選手も利用したという。1985年に帯広にスケートリンク場が新設されたことで使われなくなった経緯があり、十勝のスケートの歴史に欠かせない沼であったことは間違いない。

また、1995年には氷上パークゴルフコースが作られたりと、地元のウインタースポーツシーンで活用されてきた場所でもある。また、近くにある小ぶりな楕円形の沼「すずらん沼」(周囲約480m)もスケートリンクが作られていたこともある。

上空から見ることは難しいかもしれないが、北海道の形をイメージしながら、今立っているのは北海道地図でいうとどのあたりかイメージしながら散策してみるのも楽しい。

佐々田沼公園
豊頃町佐々田町47番地 [地図]
JR根室本線豊頃駅下車徒歩5分、無料