農業王国北海道。今回は、その中から、ホクホクのかぼちゃ(南瓜)に注
目。かぼちゃと聞いて思い浮かべるのは、かぼちゃの馬車?ハロウィーン
?秋のイメージが強い、秋が旬の作物の一つですね。
かぼちゃ日本一!
様々な作物が日本一を誇る北海道。かぼちゃもそうなんです。2004年度の全国都道府県別の統計によると、北海道のカボチャ作付面積
は7820ha(全国47%)、収穫量は104500tで2位の鹿児島県13400tに大差をつけ
て全国一位です。出荷量は56%で、北海道は全国の半分を占めるカボチャ
王国なのです。
その全国一位の北海道内では、どこがかぼちゃ収穫量が多いのでしょう
か。道内一位の収穫量で、日本最大の作付面積を誇っているのが上川管内
和寒町(わっさむちょう)で、道内の1割弱です。町内には「かぼちゃの王国」とか
「かぼちゃ神社」なる
ところもあるんです。
その他、富良野市、上富良野町、美深町、名寄市、中富良野町、士別市
と、上位を独占しているのは同じ上川管内のまちまち。渡島管内森町、網
走管内佐呂間町、十勝管内芽室町も主な生産地です。
北海道産かぼちゃが美味しい理由!
国内では3種類のかぼちゃが生産されていますが、メジャーなのは西洋
かぼちゃ、いわゆる栗かぼちゃです。北海道でも例外ではないのですが、
道内ではもっと多く、かぼちゃのほとんどが西洋かぼちゃです。
実は西洋かぼちゃが日本に入ってきて栽培を本格的に開始したのは北海
道が始まり。江戸時代末にアメリカから来日した西洋かぼちゃが最初で、
1863年、明治時代の北海道開拓の際に北海道開拓使が導入、西洋かぼちゃ
栽培が普及していきました。
それ以後 戦前までは、後に「まさかりカボチャ」と呼ばれるようになっ
たハッパードと、「カステラカボチャ」と呼ばれるようになった「デリシ
ャス」が栽培されました。マサカリカボチャは皮が硬く鉞(まさかり)で割
る必要があったことから名づけられたもの。これを改良して「くりかぼち
ゃ」も誕生。
また、北海道産のかぼちゃは甘くてホクホクした美味しい味わいが特徴
です。その理由として挙げられているのは、道内のほかの作物が美味しい
理由と同じで、盆地ゆえの昼夜の寒暖の差が主な理由。害虫もつきにくい
ため農薬もほぼいらないことが多いようです。
日本一の和寒町のかぼちゃは、8月~9月にはもう収穫が始まります。収
穫後、10~20度くらいで低温乾燥処理し長期貯蔵します。こうして、ホク
ホクと甘味が増すことになります。出荷は10月ですが、冬至まで出荷でき
るとして、国内で最も流通期間が長い産地のひとつです。それほど上質な
かぼちゃを生産する和寒ですが、今のところ越冬キャベツのほうが認知度
が先行してしまっています。
かぼちゃが大好きな北海道!
日本一のジャンボかぼちゃを決めるイベントが10月になると空知で開催
されます。かぼちゃ料理コンテストもあります。もち米がとれなかったた
めに代替品としてかぼちゃを使った(それ以外はほぼ普通の)汁粉である
「かぼちゃ汁粉」は、十勝地方の郷土料理の一つとして有名です。
かぼちゃコロッケ、かぼちゃスープも美味しいです。道内銘菓でも、か
ぼちゃを使用した、かぼちゃ鍋、蔵かぼちゃ、かぼちゃ饅頭、かぼちゃか
んぱん、かぼちゃプリン、かぼちゃケーキ、かぼちゃソフトクリームなど、美味しいお菓子が数多く
見られます。
今年の秋も、かぼちゃを食べて、食欲の秋を楽しみましょう。