札幌をはじめ北海道内でロケが行われた映画『プリンシパル ~恋する私はヒロインですか?~』(以下、映画『プリンシパル』)が2018年3月3日(土)、札幌シネマフロンティアほか全道で公開されました。原作者のいくえみ綾さんは北海道出身・在住、原作の舞台も北海道、北海道のタレントも多数出演したという、オール北海道映画です。
今回北海道ファンマガジン編集部は、主演女優の黒島結菜さんに、映画『プリンシパル』のロケの様子や北海道・札幌の印象についてインタビューさせていただきました。インタビューの内容は記事後半で。まずは、映画『プリンシパル』とはどんな映画なのか、ご紹介しましょう。
いくえみ綾の大人気少女コミックを映画化
原作は、120万部を突破した大人気少女コミック。北海道出身で日本を代表する漫画家いくえみ綾先生が、地元を舞台に描いた作品です。
この作品は、弱気で人前に踏み出せない高校2年生の主人公、住友糸真が、北海道への引っ越しをきっかけに自分を見つめなおす、応援型青春ラブストーリー。新しい高校で出会ったのは、俺様系モテ男子の舘林弦(小瀧望)と、ゆるふわ系モテ男子の桜井和央(高杉真宙)。学校の人気者である二人と親しくなったことで、糸真は女子たちにさっそく目を付けられてしまいます。友だちになってくれた国重晴歌(川栄李奈)の存在もあり、楽しい高校生活を送れると信じていた矢先、両親の結婚と離婚、友だちと同じ相手を好きになるなど、さまざまな壁が立ちふさがるのでした。糸真は自分の居場所を見つけ、恋の主役=プリンシパルになれるのでしょうか……。
リアルな青春ラブストーリーを実写映画に仕立てたのは篠原哲雄監督。『起終点駅ターミナル』『月とキャベツ』など、北海道に縁の深い人間ドラマを多数描いてきました。今回はTEAM NACSリーダー 森崎博之さんら北海道キャストも出演しており、北海道色の濃い映画になりました。
まるで札幌のプロモーションビデオ? 市民にお馴染みの風景が次々と登場!
映画『プリンシパル』は、その9割が北海道で撮影されました。中でも札幌市内での撮影がほとんどで、2017年2月~3月に冬パート、同6月に夏パートを撮影。札幌を中心に北海道の夏と冬の魅力がスクリーンに映し出されます。その代表的なロケ地をご紹介しましょう。
サッポロビール園
札幌に引っ越した糸真のもとへ母親がやってきて再会を果たすシーン。サッポロビールとジンギスカンが登場します。
(写真はイメージです)
北3条広場「アカプラ」
糸真と弦。この二人がすれ違ってしまう、物語でも重要なシーンが撮影されました。バックにはライトアップされた旧道庁赤れんが庁舎が。
(写真はイメージです)
旭山記念公園とローズガーデンクライスト教会
札幌市内を一望するシーンで登場。周りのみんなが進展していく中、自分だけが前に進めずにいる糸真が札幌の街を見つめます。バレエのシーンは札幌の街を見下ろしながら撮影されました。
(写真はイメージです)
定山渓自然の村
卒業前の思い出作りにと、みんなでキャンプに行ったシーンで登場。湖のシーンだけは支笏湖畔(千歳市)で撮影されました。
そのほか、円山動物園やBrooklyn Parlor SAPPOROで糸真と金沢のデートシーン、札幌三越ライオン前で糸真が待ち合わせするシーンが撮影されたほか、Sapporo Pancake & Parfait Last MINTは晴歌たちが女子会をする際の“いつもの場所”として登場。
札幌市電も、初詣の帰りに糸真と弦が寄り道するシーンで“出演”しました。その市電がなんと、2月5日~3月31日までの期間限定で、映画『プリンシパル』のラッピングを施した車両を運行していますよ!
札幌市内各所で撮影された映画『プリンシパル』。札幌の魅力がたくさんちりばめられており、札幌市民にこそ観てもらいたい映画となっています。映画『プリンシパル』とタイアップしたロケ地マップも配布されていますので、映画を見た後は、それを片手にロケ地巡りにも出かけてみてください。
主演の黒島結菜さんにインタビュー
さて、お待たせしました! 映画『プリンシパル』主演女優の黒島結菜さんに、同映画の北海道ロケについて、また北海道の印象やグルメのことについてお話を伺いました。
―― 今回、映画『プリンシパル』の撮影やプロモーションで北海道・札幌に来てみての印象はいかがですか?
冬の撮影は寒かったんですが、どこをとっても絵になるし、何より空気感が違うなと感じました。お芝居する環境としては、贅沢でした。私は沖縄出身なので、まず雪の多さにびっくりして、道路脇に積もった雪山を見て「なんだこれ!」と驚きました。二度目の撮影は6月だったのですが、雪がなくなった札幌はこんなにも違うんだと衝撃でした。
―― 父親役として共演されたチームナックス森崎博之さんは道民に特に親しまれているタレントのお一人です。共演なさってみていかがでしたか?
森崎さんは常に撮影現場を盛り上げてくれましたね。明るくてテンションが高いのは、原作のお父さん(住友泰弘)そのままという感じでした。北海道の方言が映画にたびたび登場しますが、「〇〇さー」という話し方は、私の故郷沖縄でも北海道と似た言い方をしているなと思いました。
―― 札幌での撮影で、特に印象に残っているシーン・場所はありますか?
主人公の糸真はバレエを習っていたので、ダンスのシーンがたびたび登場します。冬のシーンは札幌市内を見下ろすローズガーデンで撮影しましたが、雪の上でバレエを踊るのは大変でしたね。撮影前には駐車場に積もっていた雪をスタッフ総出でならしてくれて、日が落ちてから朝方3時過ぎくらいまで撮影していました。バレエのシーンの撮影中には実際に雪が降ってきて幻想的でした。ローズガーデンは夜も昼も明け方も何時でも景色がきれいで、写真をたくさん撮りました(笑)。特に印象に残っている場所です。
みんなでキャンプに行くシーンは、キャンプ場は定山渓で、湖畔は支笏湖で撮影しました。支笏湖での撮影日は晴れていて穏やかで、山が湖面に映っていてきれいでした。支笏湖にはまた行きたいと思っています。
―― 撮影後やオフの時間にはどんなところに行かれましたか? 北海道のグルメは楽しまれましたか?
映画に登場するジンギスカンはもちろん、お寿司がもともと大好きだったので、お寿司屋さんに3回くらい行きました。定山渓の近くにある、地元の人しか知らないラーメン屋にも行きました。それから、スープカレー、最近はやりのシメパフェも食べました。シメパフェは本当においしくて……実は昨日(取材日前日)も行きました。甘いのはあまり好きではないのですが、ここで食べたパフェは忘れられなくて。札幌の代表的なグルメは全制覇したと思います(笑)。
―― 最後に、読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
映画『プリンシパル』は、好きな人になかなか「好き」を伝えられないという人に観てほしい映画ですね。私自身、自分の気持ちを伝えられないほうなのですが、私が演じた住友糸真は自分とは違います。この映画を通して自分と向き合うことの大切さを感じました。「好き」を伝える勇気がもらえる映画だと思うので、そのあたりに注目して観てもらいたいと思いますね。
(インタビュー撮影:laufen克)
公開日:2018年3月3日(土)
出演:黒島結菜、小瀧望、高杉真宙、川栄李奈、谷村美月、市川知宏、綾野ましろ、石川志織、中村久美、鈴木砂羽、白石美帆、森崎博之ほか
原作:『プリンシパル』いくえみ綾(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:篠原哲雄
公式サイト:http://principal-movie.jp/
©2018「プリンシパル」製作委員会 ©いくえみ綾/集英社