ピップエレキバンCMで有名に!今も続く比布町とピップ㈱の相互交流

上川管内比布町と言えば、1980年代に「ピップエレキバン」のCMで知られるようになった町です。ピップ株式会社の本社は大阪ですが、比布町でCM撮影が行われたのをきっかけに町との交流が始まりました。両者は2019年以来、「PIP相互応援大使活動」により交流を深めています。

ピップエレキバンのCMで比布町が一躍話題に

2016年3月15日に供用開始された比布駅外観

1980年、ピップフジモト(当時)が比布町の比布駅(宗谷本線)と比布神社で「ピップエレキバン」のコマーシャルの撮影を行いました。CMには樹木希林さんと、ピップフジモト横矢勲会長(当時)が出演。全国放送され、比布町の名が一躍有名になりました。

当時は北比布駅と南比布駅に挟まれており、「僕、北比布」「そんじゃあ、私は南比布」というシーンが映し出された
ホームに設置されている駅名標(北比布駅と南比布駅は現在は廃駅)
比布駅の味わい深い駅名板

CMの反響はすさまじく、放映前は月30枚程度だった駅入場券の販売枚数が、放映月には6,936枚、翌1981年8月には14,523枚売れるまでに話題を集めました(いずれの数字もピップ株式会社発表)。今でも当時のCMを知る人たちの間では、比布町と言えばピップエレキバンを思い起こす人が多いでしょう。

ピップエレキバンとは、ピップ株式会社(当時、ピップフジモト)が2年かけて開発、1972年10月に発売した家庭用磁気治療器。商標の「ピップ」は北海道の自治体「比布町」と読みが同じであることから、CM撮影が実現しました。

比布町とピップの交流が始まる

CM撮影からしばらくすると、比布町とピップの交流が行われるようになりました。

同社の松浦由治社長は、「2009年6月13日にパークゴルフ大会を比布町で開催した。これが会社と町との関係の始まりだった」と振り返ります(2021年7月29日「PIP相互応援大使活動2周年記念!磁石を使った実験教室」開会挨拶)。2015年には、比布町が当時のCMをまねたパロディPR動画を公開しました。

2018年8月、比布町は「比布町応援大使」事業を開始し、第一号としてピップの松浦由治社長が就任しました。CM放映から約40年となる翌2019年、ピップと比布町が一緒になってお互いに応援し合おうということで「PIP相互応援大使活動」を開始し、8月7日(ぴっぷ七夕天国)にお披露目発表会が開かれました。

2019年8月7日の 「PIP相互応援大使活動」 お披露目発表会の様子(提供:ピップ)

お互いにPRしあうPIP相互応援大使活動

「PIP相互応援大使活動」では、ピップ側は町民の転入・婚姻・出生時にアニバーサリーをピップ製品でお祝いしたり、比布町限定商品の販売やプレゼントをしたりする一方、比布町はスポーツ施設での広告掲示やイベント開催時に販売スペースの提供などを行っています。比布駅では「風っこ そうや」号の限定デザインのピップエレキバンの配布も行われてきました。

2019年に限定配布され人気となった「風っこ そうや」号デザインの復刻版「比布エレキバン130限定パッケージ」が2020年に登場(提供:ピップ)

一周年を迎えた2020年8月には、お互いのTwitterアカウントで受賞賞品付きの「消えた『P』を探せキャンペーン」を実施。CMロケ地である比布駅の看板から最初のPが消えたので、Pを取り戻して比布町のキャラクター「スノーベリー」を元気にしようというものでした。

「消えた『P』を探せキャンペーン」 (提供:ピップ)
落ち込むスノーベリー(提供:ピップ)

2021年7月29日には「PIP相互応援大使活動2周年記念!磁石を使った実験教室」をオンラインで開催しました。比布町の子どもたちと一緒に「水に浮いた一円玉に磁石を近づけるとどうなるか」「プチトマトやサクランボに磁石を近づけるとどうなるか」という2つの実験を行いました。実験してみると「おぉー!うごく!」などの声が。なぜ動くか原理も解説されました。

比布町とピップによる相互応援の取り組みは今後も続けていく意向です。

(※ピップエレキバンはピップ株式会社の登録商標です)