大沼名物「元祖 大沼だんご」とは?明治から続く伝統の味の魅力

【七飯町】大沼公園名物と言えば何を思い浮かべますか?真っ先に「大沼だんご!」と答える人が多いのではないでしょうか。根強いファンも多く、大沼公園と切っても切れない、関係の深い名物です。



元祖大沼だんごを製造販売するのは大沼公園駅前に店舗を構える「沼の家」。最大の特徴は、だんごが串刺しになっているのではなく、折り箱に指先ほどの大きさの団子がびっしり敷きつめられており、爪楊枝で一粒ずつ頂くスタイルと言えるでしょう。

粒上の団子の上には「しょうゆあん」「ごまだれ」「こしあん」がかかっています。「しょうゆ+あん」または店舗限定「しょうゆ+ごま」の2パターンがあり、いずれもしょうゆの区画のほうが小さい。これは大沼と小沼をイメージし、それぞれに浮かぶ無数の島々を表しているとされています。




元祖大沼だんごの誕生は明治時代にさかのぼります。1903年、乗合馬車業・堀口亀吉氏が出身地である北斗市(旧上磯町)から大沼湖畔に移転したことに端を発します。大沼公園の観光地化が始まった頃であり、観光客に販売する観光名物として作ったのが「大沼だんご」だったというわけ。道立公園指定の1905年に沼の家を創業し、大沼駅で駅弁スタイルで販売を始めました(現在は特急で車内販売)。以来100年以上も当時の形態で製造・販売を続けています。

使用する米は道南産。あんの小豆も道内産を使用した地産地消商品の一つといえます。つるっとした食感は、しん粉を蒸してから水で急に冷やすことでできる手法だそうです。飽きの来ないシンプルな味わいは、手作りだからこそ成せる技。


もう一つパッケージも味があって面白い。掛紙には紅葉の絵が描かれ、「花のみか紅葉にもこのダンゴ哉」と書かれていますが、これは、京都の俳人花本聴秋氏によるもの。大沼の美しい自然の中で、100年以上受け継がれてきた伝統の味を楽しんでみてはいかが。