日本の最北端といえば、北海道は稚内の宗谷岬。その宗谷岬と対峙する位置に、ノシャップ岬があります。せっかく観光で宗谷岬まで訪れたのなら、少し足を伸ばしてノシャップ岬にも立ち寄ってみませんか。
ここではノシャップ岬を訪れた際にぜひ見ておくべきスポットをいくつかご紹介。観光の参考にしてみてくださいね。
公園での記念撮影のあとは水族館へ
ノシャップ岬は、漢字表記にすると「野寒布岬」。JR稚内駅からバスで14分ほどで到着し、眼前には利尻島や礼文島を、右手には宗谷岬を望む絶景が楽しめます。先端の恵山泊(えさんどまり)漁港周辺は公園として整備されており、かわいいイルカのモニュメントが出迎えてくれます。
▼思わず一緒に写真を撮りたくなるモニュメント
公園の目と鼻の先にあるのが、稚内市営の水族館と科学館です。まずは「ノシャップ寒流水族館」からお邪魔してみましょう。
▼稚内灯台の横に建つノシャップ寒流水族館
取材で訪れたのは、ちょうど水族館が冬の休館期間に入っている時期。次の開館日に合わせて、さまざまな準備が進められているところでした。
敷地内に入ると、まず出迎えてくれるのがアザラシたちです。
▼「エサの時間?」「エサじゃないの?」「なぁんだ~」
15頭ものアザラシが飼育されているということで、人の声を聞いてエサの時間かと勘違いしたアザラシたちが、次々とプールからキョトンとした表情を見せてくれました。
館内に入ると、今度はフンボルトペンギンがこちらに好奇心いっぱいの視線を投げかけてきます。
▼仕草もキュートなペンギンたち
この水族館には20歳以上のカップルと、11歳&5歳の若いカップルが飼育されていて、若いカップルは将来的に繁殖も期待されているのだとか。家族が増える日が、今から楽しみです。
▼オオカミウオ、アイナメ、ホッケなどが悠々と泳ぐ
水族館のメイン展示とも言うべき回遊水槽には、地元の漁師さんから提供された様々な寒流の魚をはじめ、幻の魚と言われるイトウも泳いでいます。イトウは淡水魚と思われがちですが、実は海と川を行き来することのできる魚。ここでは、海水で飼育されている珍しい光景を目にすることができます。
▼人気急上昇中のフウセンウオに注目!
さて、1階の小水槽が展示されたスペースでは、最近人気急上昇のフウセンウオのコーナーがあります。
▼小さくて、なんとも愛らしい姿
泳ぐのが苦手なフウセンウオは、胸びれが進化した吸盤を使っていろいろなところにくっついています。その愛らしい姿を探してみてください。
▼こちらも高い人気を誇るクリオネ
フウセンウオと人気を二分しているのが、クリオネです。「流氷の天使」と称されるように、水中にフワフワと浮かぶ姿は見ていて癒やされること間違いなし。時間を忘れて見入ってしまいそうです。
科学館を見学して、夕日でクライマックス
「ノシャップ寒流水族館」に隣接しているのが「稚内市青少年科学館」です。地球温暖化などについて学べる環境展示コーナーをはじめ、最北端の科学館らしく本物の雪上車を展示したコーナーもあり、子どもはもちろん、大人も興味深く見学できそうです。
▼実際に見る雪上車は迫力満点
また、この科学館が充実しているのは、なんといっても南極観測隊にまつわる展示です。
▼南極観測船や砕氷艦の模型がズラリ
数多く展示された写真パネルを見ながら、昭和の時代に南極観測隊が日々どのように工夫を重ねていたのか、思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
▼あまりにも有名な、タロとジロの物語
さらには貴重な南極昭和基地の居住棟まで展示されており、極寒での調査がどれほど厳しいものであったか、肌で感じることもできます。
▼実際に使用されていた居住棟
水族館で遊び、科学館で学んだら、そろそろ夕刻に近づいてくる頃。実はノシャップ岬は、稚内市随一の夕日の景勝地としても知られています。ぜひ夕日の時間までこの場にいて、美しい景観をじっくり味わってみてください。
▼遠浅の海に夕日が沈むロマンチックな時間(写真提供:稚内市役所)
ノシャップ岬の観光スポット、いかがでしたか? 家族で訪れても、カップルで訪れても、それぞれに有意義な時間が過ごせそうなノシャップ岬。もちろんここですべてを紹介できたわけではないので、実際に訪れて、自分なりのオリジナルな旅を模索してみるのもいいかもしれません。