かごからサンマを釣り上げるおみくじがおもしろい!根室・金刀比羅神社

北海道本島の最東端にある根室市。古くから栄えた根室市は、納沙布岬や根室車石、風蓮湖など、自然の宝庫として北海道観光でははずせないスポットです。また、夏にはウニやカニ、秋にはサンマやサケなど、美味しい海産物の産地としても有名です。そして神職が常駐する神社としては最東端となる「金刀比羅神社」があるのも、ここ根室市です。今回は、その「金刀比羅神社」にお邪魔しました。

讃岐「金刀比羅宮」の流れをくむ200年以上の歴史

「金刀比羅神社」は「ことひらじんじゃ」と読み、「こんぴらさん」という愛称で地元の人に親しまれています。1806年(文化3年)、漁場請負人の高田屋嘉兵衛が、守護神として讃岐「金刀比羅宮」の金刀比羅大神をお祀りしたのがはじまりと言われています。以降200年以上にわたってこの地を守り続けている神社なのです。

また、北海道で唯一北方領土のご神体を預かっている神社としても名が知られています。1945年(昭和20年)の終戦直後、北方領土から奉遷された11社のご神体が預けられているのです。毎年例祭日には島の方々が祭典を行っています。

かわいいおみくじ、人気のステッカー

この神社でおもしろいおみくじを見つけました。「福ざんまいみくじ」と名付けられたおみくじで、かごの中からサンマを釣りあげるとおみくじが付いてくるというものです。

▼社務所の入口に置かれていた「福ざんまいみくじ」(300円)

このおみくじは、北海道のご当地みくじシリーズ「えぞみくじ」です。道内でつながりのある神職さんと、地元の名産や魅力あるものをモチーフにしたおみくじを作ろうということになり、昨年(2016年)の4月からはじめたのだそうです。

▼カゴの横にある釣り竿でサンマを釣るというもの

この神社以外に5ヵ所の神社が参加しています。それぞれモチーフにしているのは、函館の湯倉神社のイカ、帯広の帯廣神社のサケ、美瑛の美瑛神社のとうきび、苫小牧の樽前山神社のホッキ貝、稚内の北門(ほくもん)神社のタコ。

ちなみに湯倉神社、帯廣神社、美瑛神社はすでにおみくじを取り扱っていますが樽前神社は3月(2017年)からの取り扱い予定になっています。また、北門神社は現在計画中でまだ決まっていません。

▼袋の中にはサンマとえぞみくじが入っています

おもしろいのは、えぞみくじの内容が北海道弁で書かれているということ。普通のおみくじと違って、道民なら思わずニヤリとしてしまったり、道外の観光客でももの珍しかったりと、プラスアルファの楽しみがあります。

▼内容は北海道弁で書かれています

また、この神社には、ツーリングやドライブで訪れる方もけっこう多いらしく「旅守」というお守りも人気を集めています。これは、オートバイや車に貼ることができるステッカータイプで、道中の安全を願って作られたものです。

▼4種類あるステッカータイプのお守り「旅守」(500円)

北海道三大祭りのひとつが開催される神社

この金刀比羅神社は、北海道本島最東端にある神職のいる神社として有名なだけでなく、北海道三大祭りのひとつ「根室金刀比羅神社例大祭」が毎年8月に行われることでも知られています。

第七代目宮司の前田康(まえだこう)さんによると「根室市民からは『こんぴらさんのお祭り』と呼ばれていて、毎年8月9日から11までの3日間行っています」ということです。

▼御神輿を担いでの市内巡幸の様子(写真提供:金刀比羅神社)

8月9日に宵宮祭、10日に本祭、10日、11日に市内巡幸が行われる「根室金刀比羅神社例大祭」。根室市民だけでなく、かつて根室で暮らした人たちが、わざわざこの日に合わせて帰省して、伝統のあるお祭りを盛大に盛り上げるのだそうです。

▼市内巡幸では1kmにも連なる大名行列ができるのだそう(写真提供:金刀比羅神社)

最東端の神社ということで観光の目玉となり得るのはもちろん、古い歴史があり地元の人々とずっと繋がってきた金刀比羅神社。お祭りの時期に行くもよし、かわいいおみくじ目当てに行くもよし。根室を訪れた際には、ぜひ足を運んでいただきたいスポットのひとつです。

金刀比羅神社 社務所
所在地:北海道根室市琴平町1丁目4番地
電話:0153-23-4458
公式サイト