十勝でチーズとバターを楽しむなら共働学舎新得農場がおすすめの理由

十勝といえばチーズ。国内産ナチュラルチーズの8割以上が十勝産であるほど、十勝はチーズ王国なのです。地元十勝のチーズ工房のチーズを味わいたい!そんな時は、ナチュラルチーズの筆頭に上がる新得町の共働学舎新得農場がおすすめです。

同農場では、看板商品ラクレットチーズを製造・販売しているほか、カフェ「ミンタル」でオリジナルチーズを使ったお料理をいただくことができます。そのほかにも、バター・チーズ作り体験できたり、馬や牛たちと触れ合えたりするのが魅力。酪農王国北海道をたっぷり堪能することができます。

今回は、そんな共働学舎新得農場の3つの楽しみ方をご紹介します。

十勝でチーズとバターを楽しむなら共働学舎新得農場がおすすめの理由

共働学舎新得農場は、新得山(通称:牛乳山)の南斜面にある農場です。かつて新得町の町営放牧場で、町内で最初に牛乳を搾った、町民にとって馴染みの場所だそう。

1978年6月、長野県発の「自労自活」をモットーにした共働学舎が新得町の誘致を受けて、この町有地約30ヘクタールに4番目となる新得農場を開設しました。共働学舎の「新得農場」とついているのはそういう経緯からでした。しかし、牛乳の出荷だけでは立ち行かないため、当時では珍しいハード系ナチュラルチーズを生産することにします。

▼看板商品は「ラクレット」(イメージ)

1987年には、乳に味とコクに甘みがあり、チーズ造りに向いているブラウンスイス牛を導入し、牛舎、搾乳室、チーズ工房を設置。搾りたてで生きた牛乳を使うため、搾乳した乳をポンプを使わず自然傾斜を利用してチーズ工房まで流すことによって、牛乳を運ばない工夫を施しました。

チーズの製造は、チーズの種類ごとに担当職人がついてきめ細かい管理がなされ、札幌軟石で作った半地下の熟成庫でチーズを熟成させています。このように、常に本場ヨーロッパのチーズに学びながら、本物のチーズ、こだわりのチーズ造りをすることに成功しました。

現在は、約37ヘクタールに約100頭のブラウンスイスが放牧されています。牛たちは、搾乳時と積雪期以外は牛乳山山麓の放牧地で草をはんで生活しています。また、農薬や化学肥料を使わずに農業が行われています。

▼ヨーロッパのコピーから脱した初のオリジナルチーズ「笹ゆき(白カビタイプ)」

このように十勝の自然と共存する環境で造られたチーズは、世界的なチーズコンテストでたびたび受賞してきた実績があります。2003年にはフランスで開催された第2回山のチーズオリンピックで桜の香りが広がるチーズ「さくら」が銀メダルを受賞すると、2004年には金メダルとソフト部門グランプリを獲得し、800以上のチーズの最高賞に輝きました。「さくら」はその後もとどまるところを知らず、2006年にモンドセレクションで金賞受賞、2015年にチーズ国際コンクールで金賞を受賞するなど、本場ヨーロッパで高い評価を得てきました。

これらはあくまで受賞の一例に過ぎません。これだけの実績を持つ共働学舎新得農場のチーズは、国内でも高い人気を集めていて、チーズ王国十勝でもトップクラスと言っても過言ではありません。

共働学舎新得農場は、ただチーズを生産しているだけではありません。訪れても楽しいのです。

楽しみ方1 カフェ「ミンタル」でラクレットオーブンに舌鼓

共働学舎新得農場にはカフェ「ミンタル」と売店が一体になった建物があります。上空から見たら円形になっている建物がそれ。「ミンタル」とは、アイヌ語で「広場」「人の行き交う場所」を意味する単語。池や花々などが美しく彩ります。

カフェ「ミンタル」では、同農場で生産されたチーズをこれでもかと味わえます。例えば、チーズ盛り合わせ、サラダ、ピザなどが味わえます。

▼ラクレットオーブン

一番人気はラクレットオーブン。ラクレットオーブンを使ってラクレットチーズをとかし、自家製酵母パンまたは農場産ジャガイモに乗せてくれます。ラクレットチーズはとろとろで、のびる! 濃厚ながらしつこくない。シンプルながら、本場のチーズを贅沢に味わうことができる、チーズ好きにはたまらない一品です。

【動画】映像で見る「ミンタル」のラクレットオーブン(出演:Cha cha Girls)

売店では、ナチュラルチーズ10種類、ホエイジャム、プリン、パン、焼き菓子、手作り工芸品、季節の野菜を販売しています。おみやげにチーズを買っていくのもありです。

楽しみ方2 「カリンパニ」でバター・チーズ作り体験してみては?

隣接する建物「カリンパニ」(アイヌ語でエゾヤマザクラの意味。新特徴都市農村交流施設)では、予約制ですが、バターやチーズ作り体験ができます。

今回は、約1時間で比較的簡単に体験できるバター作り体験をご紹介します。搾りたての牛乳から採取した生クリームを瓶に入れて7分ほど振り続けます。上品に振るとうまくできないので、乱暴なほど振るのがコツだそう。

▼バター作り体験

7分ほど振り続けると、固形物が瓶の中に現れます。固形物と液体を分けると、液体は本物の低脂肪牛乳、固形分は無塩バターになります。そして、ほんの少し塩を入れることで、おいしいバターに近づけていきます。最後は、手作りバターをジャガイモや酵母パンに乗せていただきます。

▼この固形分が無塩バター

実際に体験してみると、こんなに簡単にバターが作れるんだと驚くこと間違いなし。自宅で簡単に作る方法なんかも教えていただけますよ。

【動画】映像で見る「カリンパニ」バター作り体験(出演:Cha cha Girls)

楽しみ方3 農場内を散策して、牛や馬に会いに行こう!

▼ブラウンスイス牛のかえでちゃんとヤギが一緒にいる

農場内を散策できるので、天気が良ければ歩いてみましょう。立ち入り制限されているエリアもありますので、「ミンタル」でマップを手に入れて散策することをおすすめします。

▼子牛が可愛い!

農場内では、まる子&サリーという馬たち、羊たち(ジャコブ種・チェビオット種)、ヤギたち、そしてブラウンスイス牛(かえでちゃん)に会うことができますよ。牛舎や搾乳室の近くには子牛たちがいます。事前予約制ですが、引き馬・乗馬体験も可能です。

【動画】映像で見る共働学舎新得農場の動物たち(出演:Cha cha Girls)

以上、新得町にある共働学舎新得農場の概要と楽しみ方をご紹介してきました。食事や体験、散策も合わせると少なくとも2時間くらいはほしいところです。スケジュールを立てる際は参考にしていただければと思います。

共働学舎新得農場はバスタビ北海道十勝編で訪れました。

共働学舎新得農場
所在地:上川郡新得町字新得9-1
電話:0156-69-5600
営業時間:4~11月はカフェ・売店10時~17時(L.O.16時)、カフェは火曜日定休。12~3月は売店のみ10時~16時、日曜定休