旭川のとある会社が、少し風変わりなアイスキャンディーを販売しています。なんでも、普通はスイーツに使用しない食材をアイスキャンディーに混ぜ込んだのだとか。単に奇をてらっただけの商品かと思いきや、おいしくって大人気なのだそう。果たしてその会社は? 何を混ぜ込んだアイスキャンディーなのでしょうか?
老舗の会社がスイーツを手がけた理由とは
アイスキャンディーを販売している会社の名前は日本醤油工業株式会社。1944(昭和19)年に創業した、老舗醤油会社です。もうお気づきだと思いますが、醤油を混ぜ込んだアイスキャンディーが販売されているのでした。
▼人気商品「醤油ミルク」120円(税込)
老舗醤油会社がスイーツを手がけたのは、醤油の売り上げの低下が原因でした。コンビニやスーパーなどはどうしても大手の醤油メーカーの商品を扱うため、小さなメーカーの商品はなかなか扱ってもらえないという問題があります。
そこで、日本醤油工業では、まずはドレッシングを生産し、自社の横にある直売店で販売をはじめました。さらには、幅広い年代層のお客さまに来店してもらいたい、ということでスイーツに注目したのだそうです。
▼本社横にある直売店
はじめはソフトクリームと醤油のコラボを考えたそうですが、機械が高価であること、メンテナンスがめんどうであること、商品の日持ちがしないことなどから断念。そこで、日持ちするアイスキャンディーに変更したのだそうです。
▼アイスキャンディ-は直売店のみで販売されている
はじめたのは2015年。夏のイベントでのお披露目でした。その時、登場したのが「醤油ミルクアイスキャンディー」と「醤油あずきアイスキャンディ-」です。そして一年後に「桜花醤油アイスキャンディー」と「桜花しょうゆジェラート」が登場しました。
▼一年遅れで登場した「桜花しょうゆジェラート」280円(税込)
これらのアイスキャンディー、実はかなり繊細な調整の末、絶妙の醤油の分量になっています。醤油を入れすぎてもしょっぱいし、少なすぎても醤油感が失われるのだそうです。
食べて実感! おいしい醤油スイーツ
さっそく食べてみました。「奇をてらったものではなくおいしいものを」ということでしたが、やはり食べるまでは半信半疑。本当に醤油味のアイスキャンディーがおいしいのでしょうか?
▼いざ、実食!
ひと口目ではっきりとわかりました。おいしい! 甘さの中にほんのり香る醤油の塩分。知らなければ気づかないほどの微妙な感じ。でも、それがかえって甘さを引き立て本当においしいスイーツに仕上がっています。
▼「桜花しょうゆジェラート」には桜の花が
直売店の店員に話を聞いてみると「やっぱりちゃんとおいしいからこそ、人気があるのだと思います」と自信を持っておっしゃっていました。筆者の横でキャンディーを食べていたお客さんにも伺ってみると「くせになる味なんですよ。旭川に来るたびに寄ってます」ということでした。
アイスキャンディー、ジェラートは直売店のみの限定販売品ですので、ここでしか食べられません。珍しい醤油味のアイスキャンディー、旭川に行った時にはぜひ話のタネに食べてみては。