北海道しあわせチーズ工房「幸」が日本一の国産チーズに

NPO法人チーズプロフェッショナル協会(以下、CPA)は、国産ナチュラルチーズ最高峰を決める「ジャパンチーズアワード2020」を10月17日(土)、東京都内で開催。北海道の「しあわせチーズ工房」から「幸」(さち)がグランプリを獲得しました。

全国78工房が233種類を出展

「ジャパンチーズアワード」は、国産ナチュラルチーズの生産者を応援し、生産者と消費者をつなぐプロジェクトとして2014年にスタート。国産ナチュラルチーズの最高峰を極めるコンテストを2年に1回開催しており、2020年の今回は4回目の開催。

1回目(2014年)は長野県のチーズ工房の商品がグランプリを獲得したものの、2016年は十勝管内池田町のハッピネスデーリィ「森のカムイ」、2018年は後志管内喜茂別町のチーズ工房タカラ「タカラのタカラ」と、2年連続で北海道のチーズ工房がグランプリを受賞してきました。

全国78工房の233種類が出品された
一次審査の様子
グランプリ審査の様子

4回目の今回は全国78のチーズ工房が全233種類のチーズを出展。チーズプロフェッショナルの資格を有し、同アワード専門の研修を修了した81人が審査を担当。いずれも形と外観、生地と組織、においと味の3項目で評価が行われました。一次審査を経て選ばれた21の各カテゴリーで最優秀賞を受賞したチーズから、24人の審査員によるグランプリ審査によって、グランプリが決定しました。

グランプリ受賞は「しあわせチーズ工房」の「幸」(さち)

グランプリ受賞した、北海道足寄町 しあわせチーズ工房「幸」(さち)

グランプリに輝いたのは、過去にも様々な受賞経験がある「しあわせチーズ工房」の「幸」(さち)。十勝管内足寄町茂喜登牛のチーズ工房であり、これにより、3回連続で北海道勢がグランプリを受賞したことになります。

同チーズ工房は、同じ足寄町内の「ありがとう牧場」の生乳を使用しています。「幸」(さち)は、夏季の放牧期間中の生乳を使って長期熟成したチーズ。CPA本間るみ子会長は授賞式で「幸」(さち)について、「見るからに外皮もきれいで、中が黄色くて、青草を食べた牛たちが放牧された時に作ったものかなと想像が膨らんできた」とコメントしました。

本間さんの受賞コメント

12月1日の授賞式で登壇する本間代表

「高校生の頃からチーズを作りたいと思い、どうしたら欧州のハードチーズを作れるかと考えたのが原点だった。牛の飼い方が大切だと気づいて北海道足寄町にある『ありがとう牧場』にたどり着き、この牛乳なら世界に誇れるチーズが作れると思った。2013年に製造をスタートして苦労することもあったが、今は胸を張ってこれが(自分の名前から命名した)『幸』だと言えるようになった。チーズは牛と酪農家とチーズ職人が手を組んでできるもの。この賞は、そのすべてが評価されたということとても嬉しい。これからもチーズでみんなを幸せにしたいと思う」

オンライン開催された授賞式で発表される「幸」(さち)

北海道の受賞チーズ

各カテゴリーの部門賞受賞は19工房21点で、例年通り北海道のチーズ工房が半分近くを占めました。北海道のチーズ工房が部門賞を受賞したカテゴリーは下記のとおりです。

カテゴリー工房名出品チーズ
フレッシュ/バラエティニセコチーズ工房デザートチーズ 二世古 雪花【sekka】ラムバナナ
ソフト/バラエティ共働学舎新得農場チーズ工房さくらのアフィネ
パスタフィラータ/熟成牧家(Bocca)カチョカヴァロ 200g
パスタフィーラ/ストリングASUKAのチーズ工房ストリング・しおかぜ
パスタフィーラ/バラエティ長沼あいす 酪乳品工房北のおいちーず
青カビニセコチーズ工房ブルーチーズ 二世古 空【ku:】
非加熱圧搾/4か月未満ノースプレインファーム季節の有機セミハードチーズ
非加熱圧搾/ラクレット系チーズ工房タカラタカラのトケル
加熱圧搾/6か月未満十勝千年の森チーズ工房硬いヤギのチーズ
加熱圧搾/6か月以上しあわせチーズ工房
パスタフィラータ/熟成部門
牧家(Bocca)「カチョカヴァロ 200g」
青カビ部門
ニセコチーズ工房「ブルーチーズ 二世古 空【ku:】」

表彰式は12月1日に開催される予定です。