旭川家具産地の東川町が4/14「椅子の日」を制定!

旭川家具の産地の一つである上川管内東川町は2021年4月14日(水)、「椅子の日」を制定し、記念セレモニーを開催しました。また、東川町と建築家 隈研吾氏が連携した新たな取り組みの一環として、東川町の木工事業所が製作した椅子がお披露目されました。

椅子の日宣言

日本五大家具産地のひとつである旭川家具は、旭川市・東神楽町・東川町が主産地。そのうち、東川町は約30%を生産しており、町内の30を超える家具事業者が支えています。

記念日登録証

今回制定された「椅子の日」は、4月14日を語呂合わせで読んで「4(良い)14(椅子)」となることにちなみます。一般社団法人 日本記念日協会の記念日にも「家具の町東川町・椅子の日」として登録されました。

冒頭で挨拶する松岡市郎 東川町長(右)

松岡市郎 東川町長は主催者あいさつで、「4月14日は『よいよ』ともいえるが、14日は『椅子』と読み、年間12回ある中でも4月14日は『良い椅子』になる。右から読んでも左から読んでも、上から読んでも下から読んでも『良い椅子』であり、今日以外考えられない」と、制定の理由について語りました。

また、「幼児からシニアまでの人生の中で一番使い、お世話になっているもの、喜怒哀楽にも黙って耐えてくれているものは椅子。椅子の日を通じていろんなことを考える日にしてほしい」と述べ、次の3つを考えてほしいとしました。

  1. 自分を支えてくれる椅子に感謝をする日
  2. 自分の椅子を考え、選択する日(将来の志を確認する日、自分に適した椅子を考えて選ぶ日であってほしい)
  3. 自分がお世話になった方々に対してオリジナルな椅子を送る日

「テレワークなどで楽しい仕事、家族団らん、オリンピックで応援する、音楽を聴き本を読むなど、椅子は自分、家族、地域、日本を笑顔でハッピーにするのではないか。東川町のふるさと納税でも椅子が手に入るように考えていきたい」と語りました。

「椅子の日宣言」を読み上げる、東川スタイル研究員の中川梨花さん

続いて、東川スタイル研究員の中川梨花さんが「椅子の日宣言」を読み上げました。

「旭川家具の主要な産地の⼀つである東川町は、多くの家具職⼈が集い、その匠達が⾼い技術と優れたデザイン⼒により、芸術性⾼い家具を作り続けており、世界から認められるモノづくりの産地へと成⻑しました。(中略)新しいライフスタイルが模索されている今、全国の皆様に向け、これからの暮らしを育む文化『東川スタイル』を通じて、未来の社会のあり方を考えるきっかけづくりとして『椅子の日』を制定し、家具や椅子に感謝する習慣と文化を創造するとともに、地域の家具産業の振興を図ることをここに誓い、宣言いたします」

建築家 隈研吾氏デザインの椅子を発表

5名の製作者と記念撮影に臨む、隈研吾氏(左から3人目)、松岡町長(右端)

当日は建築家 隈研吾氏が登壇。隈研吾氏がデザインし、東川町の木工事業所が製作した椅子を発表、お披露目されました。椅子を製作したのは5名で、所属は株式会社ウッドワーク、TIME&STYLE、アートクラフトバウ工房、瀧澤ベニア株式会社。

隈研吾氏デザイン 株式会社ウッドワーク製作
隈研吾氏デザイン TIME&STYLE/アートクラフトバウ工房/瀧澤べニア株式会社製作

隈研吾氏は、東川町で作られた椅子について、「曲げ木の技術のすごさを感じた。世界に類のない椅子に仕立て上げていきたい。世界は、大量生産から手で作る時代に大きく舵を切ろうとしている。東川町はその新しい流れの象徴の場所の一つになれる場所として世界に発信したい」と話しました。

建築家 隈研吾氏との連携としては、ほかに「『隈研吾&東川町』KAGUデザインコンペ」があります。国内外の若者からデザインを募集。事前登録締切時点で41の国・地域から1,876件の申し込みがあり、作品提出件数は36の国・地域から834件でした。5月中旬に入賞10作品が決定し、6月26日には公開プレゼンテーション・最終審査を行います。

また、隈研吾氏がデザインしたサテライトオフィス群の整備事業計画も発表。中心市街地の旭川電気軌道東川駅跡地にある既存のレンガ倉庫を活用して展示・ライブラリー棟を整備し、駅舎があった場所に駅舎ステージを建てるなど、デザインミュージアム構想も公表されました。

アンテナショップ「東川ミーツ」3か所目オープン

東川ミーツ せんとぴゅあⅡ店

椅子の日の取り組みの一つとして、アンテナショップ「東川ミーツ」せんとぴゅあⅡ店(東川町複合交流施設「せんとぴゅあⅡ」内)が同日オープン。ヨシノリコーヒー旭川駅前店、旭川空港ターミナルビル2階エアポート・リラ内に続く3か所目のアンテナショップになります。

同店は他の2店舗と異なり、家具・クラフト商品を中心に取り扱うほか、メーカーズトンネルでは東川町のモノづくりを支える事業所の紹介ブースとなっており、生産者に会いに行きたくなる仕掛けになっています。営業時間は10時~17時。

なお、椅子の日制定記念イベントは4月14日から5月5日(水)まで予定されています。同期間中、「隈研吾×町内家具事業所の椅子・椅子の日関連展示」(東川町複合交流施設せんとぴゅあⅡ)、椅子研究家の織田憲嗣氏の「織田コレクション展『世界の名作椅子ベスト20』」(せんとぴゅあⅠ ギャラリー1)のほか、4月17日(土)18日(日)には「家具・クラフト市」(東川町複合交流施設せんとぴゅあⅠ 講堂・コミュニティホール)が開催されます。

(※画像提供:東川町)