北海道を代表する冬の祭典といえば、誰もがまず最初に思い浮かべるのは「さっぽろ雪まつり」でしょう。その雪まつりが開催される札幌市から車で約1時間ほどの千歳市でも、雪国ならではのまつりが開催されています。みごとな氷のオブジェが立ち並ぶ「2018 千歳・支笏湖 氷濤まつり」です。会場に足を踏み入れるだけでワクワクすること間違いなし。実際のまつりの様子はもちろんのこと、気になる準備期間も取材させていただきました。
非日常の空間に大人も子どもも歓喜!
▼支笏湖畔を彩る氷のオブジェの数々。支笏湖の向こうには恵庭岳が見える
今年(2018年)の氷濤まつりは1月26日(金)から2月18日(日)まで開催されます。見どころはもちろん氷でできたオブジェの美しさ。10年連続で水質日本一になった(2018年現在)綺麗な湖水は不純物が少ないため、凍ると青くなるのだそう。
▼支笏湖ブルーと呼ばれているナチュラルブルーに輝く氷のオブジェ
昼は、氷のオブジェが美しいナチュラルブルーに輝き、夜は、色とりどりのライトに照らされ、幻想的な風景が醸し出されます。
▼まるでクラゲのようなユニークな形の氷も
家族連れで訪れた人は、子どもたちが歓声を上げて大盛りあがり。恋人同士で訪れた人は、ロマンチックな雰囲気に思わずうっとり。それぞれに楽しい時間が流れています。また、期間中の土・日・祝の18時30分からは、打ち上げ花火がまつりを盛り上げます。
▼ライトアップは16時30分から22時まで
支笏湖氷濤まつりは、地元の有志の集まりではじまったおまつり。冬の支笏湖は寒さが厳しく、人が来ないことから、観光客を呼び込むために考えられたのだそうです。1979年に第1回目が開催され、今年でなんと40周年を迎えました。今では知名度も上がり、国内外からたくさんの観光客が訪れるようになりました。昨年は26万人もの人が氷濤まつりを楽しんだということです。
▼氷濤神社の中にはお賽銭箱も
今年は開催40回記念イベントも準備されていて、氷濤まつりが終わった3日後の2月21日(水)から2月25日(日)まで「青の祭」が行われます。氷濤まつりとは違い、氷のオブジェを青と白のライトで演出、支笏湖ブルーの世界が広がるのだそうです。
氷濤まつりはこうやって作られる
この氷のオブジェがどうやってできていくのかご存じでしょうか? 今回、支笏湖まつり実行委員会に作り方をお聞きしてきました。
1.11月中旬から骨組みを作る
2.骨組みを作りながら、出来上がったところから網を掛けていく
3.支笏湖からポンプでくみ上げた水を、スプリンクラーに送るための蛇口
4.スプリンクラーで網を掛けた骨組みに水をかける
5.12月に入ってからはスタッフが交代で徹夜して水を噴霧する
6.だいたいの形が出来上がったら、成形したり、階段を作ったりといった仕上げをする
7.飾り付けや、ライトの点灯テストなどをして、氷濤まつりの本番を迎える
スタッフにお聞きすると、今年は暖かい日が多かったので、凍らない、勢いよく水をかけると溶けてしまうことがあったので、なかなか氷のオブジェができずに大変だったということでした。また、風が強い日も多く、せっかく作った骨組みが倒れたこともあったのだとか。長いまつりの歴史の中で、これだけ時間的に余裕がなかったのははじめてで、間に合わないかもしれないと思ったそう。
ちなみに氷のオブジェを作るために使われる水は約10万トン。これだけ綺麗な湖水が豊富にある支笏湖の壮大さに、改めて驚かされます。オブジェは人の手で作られるものですが、そこに欠かせないのが豊富な湖水と気候条件ということで、自然のおもしろさも感じられる氷濤まつり。さっぽろ雪まつりを訪れる予定のある人は、こちらの氷濤まつりにも足を延ばしてみてはいかがでしょう。
【動画】氷濤まつりの準備期間から開催まで