3月26日に新青森~新函館北斗間で開業した北海道新幹線。新幹線が初めて津軽海峡を越えたことにより、これまで以上に函館・道南圏と東北地方がグンと近くなりました。そこで今回は、北海道新幹線を利用して函館から青森まで足を延ばし、一泊二日で青函エリアの両方を楽しむちょっとリッチな旅をご提案します。
【函館市】東京の催事でも大反響! 「函館朝市漁り火がごめ丼」
函館近海でしか採れない、粘り気の強い昆布「がごめ昆布」を使った珍しい海鮮丼。大型観光キャンペーン「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」の開催に合わせ、函館朝市の8店舗が7~9月の3カ月間限定で提供しています。
函館朝市で食べられる一般的な海鮮丼との大きな違いは、ご飯に醤油ベースのタレを混ぜ込んで味付けしていること。その上に、薄く切り出したイカと味付けした刻みがごめ昆布をのせ、ベビーホタテとイクラをぜいたくに散らします。最後に、大粒のウニを中央に盛り付けて完成。
函館特産の獲れたてスルメイカをはじめ、全道・全国から質の良い海産物が集まる函館朝市らしく、使っている食材はどれも単体でも勝負できる一流の素材ばかり。それらが一つのどんぶりの中に集まり、重厚なハーモニーを奏でます。うまみたっぷりのがごめ昆布が加わることで味がぐんと深まり、素材それぞれの味がより引き立っています。
がごめ昆布は真昆布よりもねばり成分が強く、その特性を生かしてとろろ昆布などに加工されているほか、その豊富な栄養成分を健康補助食品や化粧品に活用する研究も進められています。
その一方で、函館市内でも気軽に料理として食べられる機会が少ないことから、海鮮丼に取り入れてみようと函館朝市の店主らが考案。2016年1月に東京ドームで開催された「全国ご当地どんぶり選手権」にも出品し、10日間で1万5000杯を販売。全国から名乗りを上げた15種類のどんぶりの中から、初出場ながら来場者投票で4位に選ばれました。通常の海鮮丼とは仕込みが異なるため、年間を通じての提供は難しいとのこと。提供期間中のうちにぜひお試しを。
一度は乗ってみたい! 北海道新幹線「グランクラス」
青函トンネル構想開始から70年あまりの時を経て、今年3月26日に開業。東京~新函館北斗間を最速4時間2分で結びます。新函館北斗から新青森までは最速1時間1分、仙台までは最速2時間30分。
車両はJR東日本のE5系とJR北海道のH5系の2種類があり、どちらも10両編成。普通車8両とグリーン車1両に加え、飛行機のファーストクラスに相当する「グランクラス」(18席)が1両あります。グランクラスは本革のゆったりとしたシートで、電動リクライニング付き。専任アテンダントが乗務し、軽食やドリンクなどのサービスを提供します。
【青森県平内町】ホタテ日本一の町で食す「平内ホタテ活御膳」
青森駅から青い森鉄道線に乗り換え、約30分。小湊駅で電車を降りると、そこは陸奥湾に面した平内(ひらない)町。人口1万1000人あまり(2016年7月現在)のこの町は、育成(養殖)ホタテの生産量日本一を誇る「ホタテの町」として有名です。
平内のホタテが育成される陸奥湾には、八甲田山から栄養分豊かな水が年間を通じて注ぎ込みます。だから、平内産ホタテはうまみたっぷりでおいしいのだとか。そのおいしさを存分に味わうことができるのが、2015年にデビューした新・ご当地グルメ「平内ホタテ活御膳」です。
メインの皿には、新鮮な活ホタテが5個。まずはお刺身でいただきましょう。ホタテ醤油のほか、りんご塩ダレと辛味噌が用意されています(タレは毎年見直される予定)。タテ、ヨコ、ナナメにカットしたホタテをお好みのタレにつけて食べると、活ホタテならではの優しい甘みとうまみがふんわりと口の中に広がります。
串に刺さっているホタテは、奥側にあるステーキ鍋で焼いて食べます。添えてある野菜も一緒に焼きましょう。サッと火を通すとよりうまみが凝縮され、生とは違うプリプリした食感が楽しめます。
手前にあるのは、ベビーホタテと地元のお米を使ったお寿司。汁ものは味噌汁ではなく、ホタテのうまみを活かした澄まし汁。こちらにもベビーホタテが入っています。デザートは、ホタテエキスを加えた「ホタテアイス」。ほのかな塩味とホタテの風味で後味もさっぱり。
産地ならではのホタテ尽くしが楽しめる「平内ホタテ活御膳」は、このボリュームと内容で1,200円という抜群のコストパフォーマンス。平内町内の5軒の飲食店で統一メニューとして提供しています。
【青森県三沢市】青森の文化を丸ごと体感「星野リゾート 青森屋」
八戸駅から専用送迎バスで約40分。青森の広大な大自然の中にある「星野リゾート 青森屋」は、みちのく青森の魅力をまるごと体感できる温泉旅館として人気を集めています。
四季折々に美しく姿を変える約22万坪の広大な敷地には、有形文化財に指定された旧渋沢邸や南部地方独特の古民家があり、野菜の収穫や馬とのふれあいも体験できます。
園内を周遊する馬車も毎日運行。秋は、市場にもわずかしか出回らない珍しい2種類のりんごを食べ比べしながらゆっくりと公園を巡る、「紅葉りんご馬車」として運行されます。
館内では、青森ねぶた囃子や津軽三味線、スコップ三味線などが楽しめる「じゃわめぐショー」を毎晩無料で開催。ほかにも、青森の四大祭りを間近で楽しめるショーレストラン、源泉かけ流しの池に浮かぶ露天風呂、昭和風情漂う酒場など、旅を彩る感動が満載です。
北海道新幹線を旅の行程に組み込めば、いままでは遠いと思っていた東北も、道内旅行とあまり変わらない感覚で訪ねることができるようになります。この記事を参考にしつつ、あなただけの青函周遊旅行を作ってみませんか?
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