2つの展望台から広尾町市街・十勝港を眺望する!大丸山森林公園展望台

【広尾町】十勝管内で一番南に位置している広尾町。その中心部には十勝最大の港である十勝港が存在する。この街から北は十勝の平野部が広がり、南側は険しい山が連なる。こうした広尾町中心部の様子を一望できる展望スポットが存在する。それが大丸山展望台である。なんとこの山には2つの展望台があり、違った高さからの眺望を楽しめるのである。

丸山ではなく大丸山

広尾町市街地北西部にある「大丸山(だいまるやま)」は標高271mの山 [地図]。一方、「丸山」というのも大丸山の南側にある。前者のほうが標高は高い。麓に大丸山森林公園があり、サンタランド、恋人の聖地、ミニ万里の長城があるのはこちらのほうだ。後者は標高は低く、十勝神社のあるほう。丸山公園はあるが、満足に眺望を楽しめるような展望施設は整備されていない、という違いがある。

頂上と中腹に展望施設あり!違った高さから楽しむ眺望

大丸山森林公園から車で頂上まで登っていくことができる。途中で一方通行路になり、まず目指すのは山頂。標高270mほどの大丸山山頂には木造展望デッキが設置されており、広尾市街地はもちろん、十勝港、北側を見れば十勝平野と曲線を描く海岸線、市街地の南側を見れば日高山脈の山々が広がり、大和平野部の境界部に町が形成されていることがわかる。

▼山頂




山頂から一方通行路を少し下っていくと、中腹の展望デッキが見えてくる。ここはかつて大丸山森林公園の麓から続いていた万里の長城の終着点。展望デッキから見眼下に万里の長城を確認できる。山頂よりも標高は低いため、また違った俯瞰で眺望を楽しむことができる。

▼中腹




毎年8月上旬に開催される「十勝港海上花火大会」は、十勝港で行われる花火大会。この絶景を見ることのできる穴場の一つが、大丸山の展望台でもある。

▼映像で見る展望風景

サンタランドと恋人の聖地

麓に広がる大丸山森林公園は広尾町を代表する観光名所だ。その代表格が、一年中クリスマスという「サンタランド」。サンタの故郷であるノルウェーが1984年11月、同国外で初めて認めたサンタランドで、もちろん国内唯一のサンタランドだ。1985年の活動開始以来、毎年10月第4土曜日になるとサンタランドツリー点灯式が行われ、園内は幻想的なイルミネーション(約15万個)に彩られることで知られる。

2011年6月1日には大丸山森林公園が恋人の聖地に認定された。十勝管内では、愛国駅と幸福駅(帯広市)に次ぐ2か所目の認定。サンタランドのサンタの家を望む一角に恋人の聖地、サンタの鐘が設置されている。サンタの家には、展示スペースやグッズショップが入っている。



老朽化で通れないミニ万里の長城

そのほか、春には約12,000本のエゾヤマツツジが咲き誇る花の名所としても地元では有名。園内は自然豊かで、散策するにも良い場所である。

サンタランドのある麓から中腹まではかつて168mの散策路があった。途中から中腹までの木造散策路はミニ万里の長城とも呼ばれるほど、凹凸の両壁が万里の長城にそっくりだったのだが、1985年建築の遊歩道の老朽化は激しく、2014年現在、通行ができなくなっている。急斜面ということもあり修復は困難とみられ、今後も開通の見込みは立っていない。