【函館市】函館駅前にある「紅茶専門店ハーヴェスト」。今から20年前の1995年にオープンして以来、多くの紅茶ファンが訪れている。茶葉は店主・松川孝規さんが厳選したもののみを仕入れている。ストレートティはもちろん、スパイスやハーブを使った紅茶メニューも豊富だ。紅茶にあうワッフルやスコーン、インディアンサンドなども充実しており、ティータイムだけではなく、ランチタイムにも喜ばれている。
筆者を紅茶ファンにさせた一杯
松川孝規さんは食品会社を脱サラし、開業した人。紅茶研究家・磯淵猛氏に師事し、紅茶を学んだ。紅茶の原産国や先進国であるスリランカやイギリス、アイルランドへ旅をし、紅茶を通じてふれた文化や感動をつづった「マスター紅茶紀行」は、北海道新聞や函館新聞にも連載されるなど、函館紅茶専門店の草分け的存在である。
筆者が同店をはじめて訪れたのは、函館の地域情報誌で記者の仕事をしていたときのことだった。当時、紅茶専門店というのは、函館ではめずらしい存在だった。だが、正直にいうと、このころの筆者にとって紅茶とはコーヒーよりも物足りない飲み物という位置づけでしかなかったのだ。
取材の当日、松川さんは説明よりも先に紅茶をいれてくれた。この一杯で紅茶に対する思い込みがくつがえされることになった。
おいしさの理由についてたずねると、
「鮮度のよい茶葉を使うのはもちろんのこと。お客さまの志向にあうティストのティーセレクションを大切にしています。飲んだ人がおいしいと感じてくれることが重要ですので」と笑顔で答えてくれた。品質や入れ方の技術だけではなく、センスが物を言う世界だと知った。
以来、紅茶ファンとなって、同店が行っている紅茶教室に通った。今では自宅でも1日2回は紅茶の時間を楽しんでいる。
スパイス入りのチャイを、ワッフルやスコーンとともに
筆者のお気に入りは、スパイス入りのチャイだ。鮮度のよい茶葉に、北海道産の牛乳(低温殺菌牛乳を含む)を用いて、銅鍋で煮ているため、コクがある。チャイは、磯淵猛氏がプロデュースしたティーポットにおかわり分までたっぷりと入っている。飲みごたえも十分で満足度が高い。
また、紅茶によくあうワッフルやスコーンなどのスイーツもおすすめ。ワッフルメーカーはテフロン加工したホーロー製ではなく「鉄板」を使っているのが特徴だ。ティーワッフルなど定番メニューのほかに、旬の食材を使った季節限定メニューも好評。春にはいちごのワッフル、夏にはオレンジのワッフルや紅茶のゼリーも人気がある。ティーメニューの単品は580円~、ワッフルやサンドイッチ、スコーンなどのセットメニュー(ティーポット付き)は1,080円~となっている。
店内では、スーツケースを持った旅行客の姿をよく見かける。
「日本全国のお客様とお会いできる。だからこそ、住宅地ではなく函館駅前という場所を選びました」とは松川さん。
紅茶を通じて人と出会い笑顔になれる。紅茶専門店ハーヴェストにはそんな豊かな時間が流れている。
▼紅茶専門店「ハーヴェスト」
棒二森屋アネックス店
所在地:函館市若松町17-12棒二アネックス1階 [地図]
TEL:0138-26-1211
営業時間:10:00~19:00
定休日:無休
本店
所在地:函館市松風町7-7 松風ビル2階 [地図]
TEL:0138-23-5605
営業時間:月~土 10:30~20:30(ラストオーダー20:00)、日曜・祝日 10:00~20:00(ラストオーダー19:30)
定休日:火曜日