岩見沢市の市街地のはずれにある「玉泉館跡地公園」の紅葉が人に教えたくなるほど素晴らしい! って知っていましたか?
もともと温泉旅館があった公園
同公園は、岩見沢市東山町、道道789号線・上志文四条東線沿いにある日本庭園です。岩見沢随一の鉱泉として数百年前からアイヌがこの地を発見していたそう。冬でも凍結せず、鹿が群れを成し、鳩が多く生息していた場所だったそうです。
1903年に料亭旅館「山鳩の湯亭」が創業し、翌年1904年にはボーリングで温泉を掘り当てたことから温泉旅館になりました。その際、メタンガスと湯が玉のように噴出する様から「玉泉館(ぎょくせんかん)」と改称しました。
「玉泉館」は1979年まで営業したのち閉鎖。営業終了後約20年間放置されていましたが、市が買い取り、庭園を公園として再整備、「跡地公園」として公開しました(2001年12月)。旅館の建物自体は残されていません。駐車場は公園南側で、その側に「温泉井戸跡」があります。
心字池と紅葉が見事に調和する公園
公園内は水辺と木々に覆われる散策路が池の周囲に巡らされており、市民の憩いの場として親しまれています。州浜・荒磯を配した、スイレンが2000輪も浮かぶ池「心字池(しんじいけ)」があり、中央部に中島があります。心字池とはその名の通り草書体の「心」の字を象った池のこと。二つの島には二つの太鼓橋と二つの八ッ橋で接続されており、歩いて上陸できます。
春には約150本の桜が咲き、秋には紅葉が美しい名所として知られ、春と秋には多くの人が訪れます。どの場所から見ても、どの景色を切り取っても絵になるのがここの魅力です。池にはカモが泳いでいる時もあります。小さな滝、東屋、ベンチもあり、ゆったりと散策して時間を過ごしたい場所です。
中島の一つには、日本伝統の建築様式を生かした茶室「玉泉庵」が設置されています。有料・夏季限定ですが、日本庭園の中で茶を楽しむことができるようになっています(管理者は公益社団法人岩見沢市シルバー人材センター)。屋根は銅板一文字葺き、外壁は聚楽造り、内壁は腰部に和紙貼りされた聚楽造りで、公園内で存在感を放っています。
同公園は岩見沢の誇るべき景勝地として、「岩見沢のたから発見・発信プロジェクト」で市民が選ぶ「いわみざわの観る遊ぶたから10選」のひとつに選ばれています。