富良野のたい焼きにはハムマヨが入ってる? 甘太郎発の「ハムたい」

たい焼き好きな人は日本に数多いことでしょう。鯛の焼き型を使って、あん、クリームを小麦粉の生地で包み込んだ和菓子です。近年はチョコレートなど様々な素材を使ったたい焼きが登場してきていますが、北海道で変わり種のたい焼きといえば、富良野の甘太郎が作る富良野市民のソウルフード「ハムたい」です。

半世紀以上の歴史を誇る老舗甘味処

富良野市街に店舗を構える甘太郎は1953年創業・四代目の老舗和菓子店。店名は「甘太郎」。「あま太郎」と表記する看板もありますが、発音は同じです。店構えも店内も昔懐かしい雰囲気のお店です。

同店で作るたい焼きは、あんの入った「あんたい」はもちろん、カレーの入った「カレーたい」、チョコレート味の「チョコたい」、そしてハムの入った「ハムたい」。そのほか、白あんと黒あんのおやき、ソフトクリーム、かき氷、ラーメンも販売しています。

スイーツなのか軽食なのか? 見た目は普通のたい焼き、中身はハムマヨ

中でも古くから人気なのが「ハムたい」。あんこの代わりに、ふちが赤いプレスハムの間にマヨネーズを挟んだ、いわゆるハムマヨが入っています。

生地はふわふわしていてほんのり甘味を感じます。その一方でマヨネーズの酸味がきいているせいか、たい焼きを食べている感じがしません。それもそのはず、たい焼きはあん入りで甘いのが一般的ですから。スイーツというより軽食でしょうか。甘みと酸味の絶妙なバランスがくせになります。

同店が「ハムたい」を開発したのは1992年のことで、デビューから20年以上の歴史を持ちます。あんを中心に販売していた同店ですが、「ハムたい」をメニューの一つに加えたところ口コミで広まり、あんが苦手な学生を中心に地元の人たちに親しまれ、今も富良野出身者の中には学生の頃よく食べた甘太郎のハムたいを懐かしく思う人たちがいるほどです。また、観光シーズンになると次から次へとお客がやってきて列をなすほどにもなりました。

同店では「ハムたい」のヒットに続き、カレー入りの「カレーたい(彼れ~たい)」を2006年に発売。こちらのカレー味も人気メニューの一つになっています。それ以前にデビューしていた「チョコたい」も密かに人気ですので、いろいろ食べてみるのもお勧めです。

富良野のB級スイーツにして、市民なら誰もが知っているソウルフードのひとつ「ハムたい」。富良野を通る際はちょっと立ち寄ってテイクアウトしてみてはいかが?

甘太郎(あまたろう菓子舗)
富良野市日の出町12-30
TEL:0167-22-2551
営業時間:9:30~19:00、月曜日定休