どら焼きがロール型に?遠軽で半世紀続く名物「どらまき焼」とは

【遠軽町】子供から大人まで大好き「どら焼き」。円盤状のふっくらした生地2枚の間にあんこを挟んだ、お馴染みの和菓子です。でも、遠軽町にはちょっと変わったどら焼き(?)が、知る人ぞ知る町の隠れた名物になっています。それが「どらまき焼」。名前だけでどんなものかイメージがつきそうですね。いったいどんなスイーツなのか、遠軽町の「どらまき焼」と大きく看板を掲げたお店を訪ねました。

遠軽名物「どらまき焼」とは

店名はずばり「どらまき焼」。看板メニューをそのまま採用しています。店舗は、遠軽駅前通(道道244号線)と市街地を貫く国道242号線の交差点角地という目立つ場所に立地しています。創業は1963年、実に半世紀の歴史を持つお店で、店先の看板も味わいがあります。ちょっと怪しげで入りにくそうですが、穏やかそうな店主のおじいちゃんが迎えてくれます。

「どらまき焼」とは、その名前から察することができるように、どら焼きをロールケーキのように巻いた状態にしたもの。どら焼きの面影は、もうそこにはありません。どらまき焼には、円形ではなく四角く焼き上げた生地を使います。その四角い生地の片方の端にあんこを乗せ、くるくるっと巻き上げるので、出来上がりは円筒状になります。この特殊な四角い生地を焼き上げるために、店内には、四角い焼き型をもつ専用のどらまき焼きの機械があります。

「どらまき焼」発祥地は不明

しかし、遠軽以外の地域ではほとんど見かけることのない「どらまき焼」。遠軽町内でも「どらまき焼」を掲げる同店だけが製造販売しています。ということは、ここが発祥地?という素朴な疑問が。

店主によると、同店が発祥ではないと断言。かつては北見市をはじめ近郊にも、どらまき焼製造機を持ち「どらまき焼」を作っているお店はあったそうで、そのうちのどこかから広まったと考えられますが、定かではありません。「昔はほかでもやってたんだけど、みんなやめちゃって……」そう話す店主の声はどこか寂しげでした。

味は3種類「三色ロール」、ふわっとした生地がやみつきに

どらまき焼とどら焼きの違いは、その形や作り方だけではありません。生地の厚さはどら焼きのそれより薄めで、ふわっとした食感が特長です。細長く、かつ柔らかいので、手に持った時、しなっと形が変わります。濃い味というよりは懐かしく優しい味で、また食べたくなるのも、多くの人を引き付ける要素の一つでしょう。遠軽出身者をはじめとして根強いファンも多く、この味を懐かしんで遠方からわざわざ買いに来る人もいるのだそうです。


そんな「どらまき焼」の中身は3種類あり、店頭では「三色ロール」として紹介。その3種類とは、小豆あん、クリーム、エンドウ豆のうぐいすあん。人気はやっぱり、小豆あん。1つ税込100円というお手頃価格で購入できます。

冷めてもふわふわ感を楽しめるので、次の列車までの待ち時間でどらまき焼片手に町を散策したり、さらにはお土産にも良いでしょう。もちろんイートインスペースもあるので、あんまんと肉まんも買って店内で食べるもよし。遠軽に行った際は、半世紀続く「どらまき焼」のお店を訪ねてみてください。

どらまき焼
遠軽町大通南1丁目 [地図]
TEL:0158-42-3317
営業時間:不定休、9:00~18:00