なっちファンの聖地?カレーラーメンが人気「味の大王なかじま店」

【室蘭市】
北海道のラーメンといえば、札幌の「みそ」、函館の「しお」、旭川の「しょうゆ」が有名だが、今北海道第4の味を目指しているのが、テレビや新聞などで全国的にも有名になった「室蘭カレーラーメン」。労働者の多い室蘭市民の胃袋を満たすために、鉄の街室蘭の風土が育てた歴史ある味だ。

同市内でも数多くのラーメン店がカレーラーメンを提供しているが、元「モーニング娘。」のなっちファンが全国から集まる、「ちょっとマニアック」なカレーラーメンのお店が室蘭市の中心部・中島町にある。それが「味の大王なかじま店」である。

室蘭カレーラーメンの誕生秘話

室蘭カレーラーメンの歴史を教えていただいたのは、今回取材に伺った味の大王なかじま店の後藤店長。
室蘭カレーラーメンの始まりは1971年、当時岩見沢市で営業していた「味の大王(現・味の大王総本店)」から暖簾分というかたちで、小柳弘さん(現・味の大王美唄店)が室蘭市輪西町で店を構えたことから歴史はスタートする。

当時の室蘭市は労働者であふれており、非常に活気があった街だった。店をスタートさせた輪西町は、富士鉄(現・新日鐵住金)の工場がすぐ近くにあったこと、当時は景気が良かったことから、1日200~300杯のラーメン(主に味噌)が売れていたよう模様。ただカレーラーメンは、それほど売れなかったようだ。

しかしその後、室蘭市内やその近郊でも「味の大王」の店舗が増えてきたことから、少しずつ室蘭市やその近郊の市民の間で、カレーラーメンという食べ物が浸透していくことなる。
後に元「モーニング娘。」のなっちこと、安倍なつみさんや妹の安倍麻美さんがラジオなどで紹介したこと、テレビや新聞などのメディアで取り上げられたことにより、その認知度が全国に広がっていく。

2006年には「室蘭カレーラーメンの会」が発足。今では全国的に有名になった、室蘭を代表するグルメ。それが室蘭カレーラーメンなのである。

あのカレーラーメンが食べたい

後藤さんが店長を務める「味の大王なかじま店」は、1981年4月に、味の大王室蘭本店の暖簾分けというかたちで、後藤店長のご両親が店を開業させた。旧店舗のときも、現在の新店舗でも人気のメニューは、やはりカレーラーメン。1杯700円。

後藤店長になかじま店独自のこだわりを訪ねてみると、「マイルドで辛く、トロミがある」とのこと。
実際に食べてみると、店長の言葉どおり、非常にマイルドでピリッと辛く、麺にカレースープが絡みつくほどのトロミがある。
これまで数々のカレーラーメンを食べてきたが、これほどまでに「旨い!」と感じたカレーラーメンはない。

▼スープが麺によく絡む

▼トロミのあるスープ

「常連のお客様があってこそのなかじま店。あのカレーラーメンが食べたい。そう思ってもらえるような味を、これからも提供していきたい」と後藤店長は語る。

なっちや『モー娘。』のファンが全国から集まる

店舗の壁には、なっちや『モー娘。』のポスターやサインなどがずらりと飾られてあり、「ちょっとマニアック」なラーメン店として、地元をはじめファンの間では有名なお店。

旧店舗時代、なっちのご家族がなかじま店の常連客だったこともあり、彼女がパーソナリティーを務めていたラジオ番組で「味の大王のカレーラーメンはお勧めです」と語ったことから、全国のなっちファンや『モー娘。』のファンが来店するようになる。

▼店内は『モー娘。』となっち一色

▼サインが飾られる店内

▼安倍麻美のサイン

そんななか、ファンの熱意に打たれた後藤店長が「なっちラーメン」という裏メニューを誕生させたり、なっちの妹・安倍麻美さんがデビュー後に来店したりと、ファンにとってはまさに聖地となっている、知る人ぞ知るラーメン店なのである。
ファンとの交流は15年経った今でも続いているそうで、年間で約50人ものファンが全国から来店しているそうだ。

マイルドで辛く、トロミのある旨いカレーラーメン。それは後藤店長がご両親から受け継いだ伝統の味。
まだまだ寒いこの季節。室蘭へお越しの際は、味の大王なかじま店に立ち寄り、マイルドで辛く、トロミのあるカレーラーメンをぜひ堪能してほしい。

味の大王なかじま店
所在地:北海道室蘭市中島町1-8-11 [地図]
電話:0143-44-8801
営業時間:11:00~15:00(日曜日のみ、昼営業と夜営業<17時~20時>)
定休日:火曜日(月曜日の週もあり)
公式サイト