思わず捨てたくなる「ごみステーション」がおたる水族館に登場

おたる水族館(小樽市)に、思わず捨てたくなるデザインの「ごみステーション」が誕生しました。2021年9月2日(木)には、設置場所のおたる水族館で設置セレモニーが開催されました。「クジラすご~い!」と、子どもたちから歓声が上がりました。

海洋ごみ対策を目的にコンペティションを開催

この取り組みは、CHANGE FOR THE BLUE in 北海道実行委員会(所在地:札幌市中央区)によるもの。2019年から「海を表現しよう」をテーマに、年々増え続ける海洋ごみ対策を目的として活動をしており、2020年には「ごみステーション・コンペティション」を開催。思わずごみを捨てたくなる「ごみステーション」のアイデアを北海道全域で募集しました。

※ごみステーションとは、常設型分別ごみ集積所のことで、北海道では生活になじみ深いもの。一般的なごみステーションにはさまざまな形態がありますが、デザインされたごみステーションは多くありません。

企画の背景について、「海に流出するごみの約8割は街から出ているとされていますが、一度海洋に流出したごみは回収することが困難である場合が多いとされています。せめて街から海洋ごみが出るのをゼロにするため、『思わず捨てたくなるごみステーションを作れば、ごみが所定の場所に集められ、ごみが海に流出を食い止められるのでは?』という思いから」企画に至ったと説明します。

今回のコンペでは、全道各地から小学3年生から70代までの41件の応募が集まりました。その中から、札幌市在住20代女性会社員の作品「pic up traSE(ピックアップトラッシー)」が最優秀賞に選ばれました。

ごみを捨てるとメッセージと巨大クジラが現れる!

設置セレモニーにて(提供: CHANGE FOR THE BLUE in 北海道実行委員会 )

評価されたのは、「ごみをきちんと捨てれば綺麗な海の維持に繋がる。」というメッセージを可視化できる点。

ごみを入れると「海をきれいにしてくれてありがとう!」というメッセージが現れます。さらに、ゴミだらけだった「海」が、ごみを捨てるごとに少しずつきれいになっていきます。最終的に、巨大なクジラが現れて、海の仲間たちと楽しそうに泳ぐ画面に変化します。

設置セレモニーでピックアップトラッシーが姿を現すと、「かわいい!」「大きい!」という声が会場から上がりました。

日本財団常務理事の海野光行さんは「このシステムは世界に類を見ない。多くの人に見て体験してもらい『海洋ごみ問題』を考えるきっかけになれば」と話しました。おたる水族館館長の伊勢伸哉さんは「ごみをきちんと捨てることが、海洋ごみ問題解決の第一歩。このごみステーションで、楽しくごみを捨てることを実感できる」と話しました。

設置セレモニーにて(提供: CHANGE FOR THE BLUE in 北海道実行委員会 )

テープカットならぬ「初ごみ入れ式」では、海野さん、伊勢さんのほか、このシステムを実現したビットスター株式会社の前田章博社長、おたる水族館キャラクター ペン太くんも登場しました。

最優秀作品のごみステーションは、CHANGE FOR THE BLUEの趣旨に賛同したおたる水族館に9月2日(木)~9月23日(祝・木)の期間に設置されています。それ以降は、北海道の学校やショッピングモールなどにも登場する予定です。