ハートランドフェリー株式会社(本社:札幌市)は2019年12月10日、稚内~利尻島・礼文島航路に新造船「アマポーラ宗谷」を就航させることを発表しました。島の花シリーズ第3弾のフェリーで、就航は2020年2月4日(火)に決定しました。
利尻島固有種「リシリヒナゲシ」にちなんで命名
ハートランドフェリーの稚内~利尻島・礼文島は、「フィルイーズ宗谷」(2001年就航)、「ボレアース宗谷」(2003年就航)、「サイプリア宗谷」(2008年就航)の3隻で運航されてきました。このうち「フィルイーズ宗谷」は2019年10月31日(木)に同航路で最終運航を行い勇退。同船にかわり2020年2月に新造船「アマポーラ宗谷」がデビューします。
「アマポーラ宗谷」は総重量4,250t、全長96.5m、幅15.0m、速力は19.1ノット。旅客定員は495名(夏季550名)、車両積載は8tトラックのみの場合21台(乗用車のみの場合53台)です。
進水式の様子(写真提供:ハートランドフェリー)
同船は広島県の内海造船瀬戸田工場で建造、2019年9月27日に進水式が行われました。アマポーラ(Amapola)は、日本に自生する唯一のヒナゲシである利尻島固有種の黄色い花「リシリヒナゲシ」にちなみ、ヒナゲシのスペイン語から命名。ハートランドフェリーとしては、サイプリア宗谷(レブンアツモリソウの学名と国・地域名を合わせた)とカランセ奥尻(オクシリエビネの学名から)に続く島の花第3弾のフェリーとなります。
利尻島固有種「リシリヒナゲシ」(利尻富士町)
前面展望!1等アイランドビューシートを新設
「アマポーラ宗谷」は、旅行スタイルの多様化に対応するため、1等アイランドビューシート、キッズルーム、ベビールーム、6つのペットルームを利尻島・礼文島航路に初めて完備。また、2等優先席でバリアフリー化を実現し、同航路ではすべての船がバリアフリー化となりました。
1等アイランドビューシート(写真提供:ハートランドフェリー)
同航路に初導入となる1等アイランドビューシートは前面展望スペースで、目の前に広がるオーシャンビューと利尻山や礼文島を眺めながら、広いリクライニング付チェア(定員70名)でゆったりとした船旅が楽しめます。
キッズルームとベビールームには、全国で初めてポケモンのアローラロコンとロコン(北海道だいすき発見隊)をデザイン。株式会社ポケモン、北海道、ハートランドフェリー株式会社の連携により、離島航路活性化の一環として実現しました。
船の機能としては、横揺れを軽減し、船酔いの軽減や船舶の就航率向上につなげるファンスタビライザー装備、離着岸をスムーズに行えるよう小回りがきく「サイドスラスター装備」を船底に初めて装着。また、球状の船首には流氷対策としてアイスナイフを装備しています。
「アマポーラ宗谷」就航により、利尻島・礼文島の住民、国内外から訪れる観光客にとって、これまで以上に船内でくつろげる快適な船旅が可能になるといいます。「ボレアース宗谷」「サイプリア宗谷」「アマポーラ宗谷」態勢になる稚内~利尻島・礼文島航路。2020年の利尻・礼文観光に船旅の楽しみも加えてみてはいかがでしょうか。
(写真提供:ハートランドフェリー株式会社)