ソフトカツゲンって何?北海道限定乳酸菌飲料の謎に迫る

北海道で愛されてきた飲み物「カツゲン」。道民では知らない人はいないほど広く浸透しています。カツゲンとはいったいどんな飲み物なのでしょうか。基本的な情報からお教えしましょう。

カツゲンの正式名称は「ソフトカツゲン」

「カツゲン」とは、正確には「ソフトカツゲン」といいます。かつては「カツゲン」でしたが、味がソフトになって「ソフトカツゲン」に名称変更されています。青いパック入りの飲料として道民にはおなじみです。

ソフトカツゲンは、一言で言うなら乳酸菌飲料です。生きた乳酸菌がいっぱい含まれている健康に良い飲み物なのです。なので、酸味があります。加糖しているので甘みもあります。濃厚な味わいは、ヤクルトのような味・香りに似ていると表現する人もいます。味が濃いため関東以西では根付かず、北海道や東北の一部で広まる結果になりました。

ソフトカツゲンは道内のコンビニエンスストアやスーパーで手軽に手に入ります。それほど値段が高いわけでもありません。ソフトカツゲンの飲み方はいたってシンプル。1L紙パックは牛乳パックを同じ要領でコップについで飲みます。500mlはコップについでもよし、ストローを使ったり口からそのまま飲んでもよし。300mlや180mlはストローで飲みます。風呂上がりに腰に手を当てて飲むのがツウの飲み方です。

現在のソフトカツゲンのパッケージによると、種類別名称は「乳酸菌飲料」、無脂乳固形分1.0%、原材料名は、糖類(砂糖・異性化液糖・水飴)・乳製品・安定剤(CMC)・酸味料・香料・カラメル色素。要冷蔵で10度以下で保存し、開封後は賞味期限にかかわらずできるだけ早めに飲むことが指示されています。長期保存はききません。

栄養成分は180ml当たり、エネルギー97kcal、たんぱく質0.9g、脂質0g、炭水化物23.2g、ナトリウム57mg、カルシウム30mgとなっています。いずれも雪印メグミルク調べです。

カツゲンを飲んだことがある北海道民は98%

2010年6月~7月にかけて道民のカツゲン経験率を調査しました。結果は98%ほどの人がカツゲンを飲んだことがあると回答しました。

アンケート名:カツゲン経験率アンケート
アンケート実施期間:2010年6月~2010年7月
アンケート実施開始日:2010年6月16日
アンケート実施終了日:2010年7月14日
対象地域:全国
回答総数:569

設問:あなたは、北海道で有名な「カツゲン」を飲んだことがありますか?
選択肢1:道民:もちろん!(402件・97.8%)
選択肢2:道民:経験なし(9件・2.2%)
選択肢3:道外:もちろん!(100件・63.3%)
選択肢4:道外:経験なし(58件・36.7%)

結果及び、集計したグラフは以下の通りです。

道民では、カツゲンを飲んだことがあると回答した人はなんと97.8%にのぼりました。好きか嫌いかは別として、ほとんどの人がカツゲンを飲んだことがあるということになります。道民の間では相当浸透していることが分かります。

一方、道外の方も、カツゲンを飲んだことがあると回答したのは6割強で、半数以上の方が飲んだことがあるということになります。道内出身者も含まれるでしょうからもちろん目安に過ぎませんが、カツゲンは道外でも広まってほしいと願います。

カツゲンのルーツ

ソフトカツゲンのルーツは昭和時代初期にまでさかのぼることができます。雪印乳業の前身である北海道製酪販売組合連合会が、当時中国に駐屯していた陸軍から飲料水の代わりとして栄養のある飲み物を要求されたのが始まりです。1938年、「活素(かつもと)」を最初に製造開始されたのは上海でした(ただし原液は北海道産)。その後道内や大阪でも生産されるようになりました。しかし終戦を迎える頃には、原材料の入手が困難になる等の理由で製造はストップしてしまいました。

戦後の1956年、ヤクルトが北海道上陸を果たすのに対抗し、カツモトに似た製品が誕生します。それが現在のソフトカツゲンの直接的なルーツとなる「活源(かつげん)」です。公式には軍人に供給されていたカツモトからカツゲンになって今に至るとする見解ですが、カツモトとカツゲンは別に開発されたという説もあります。

当時、良質な牛乳に、ブルガリア菌とアシドフィラス菌を培養させたもの、糖類を加えるなどして加工し瓶づめして、牛乳配達のように各家庭に送り届けられていました。発売翌年には「カツゲン」と片仮名表記に改められ、道内に広く浸透していきました。1979年に「ソフトカツゲン」に改称。味わいをよりソフトにさっぱりに、また紙パックに変更したパッケージで普及されることになりました。

カツゲンはいまでも道民の間で広く愛飲されており、雪印メグミルク札幌工場が1日約25000本を生産する地域限定商品です。北海道限定が基本ですが、プレーンについては青森県など東北の一部地域でも提供されています。プレーンの他、様々な風味のバリエーションも季節限定で登場し、カツゲンファンを楽しませてくれています。

ソフトカツゲンの歴史について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ソフトカツゲンの味の種類・バリエーションは?

ソフトカツゲンはプレーンだけではありません。様々な味や香りを付けたバリエーションも存在します。どんな種類のソフトカツゲンが生産されてきたのでしょうか。

ソフトカツゲンは長くプレーン(現在で言う青い通常パッケージ)だけで販売されてきました。しかし、1985年に初めてフルーツフレーバーが誕生し、2003年1月に日本ミルクコミュニティ(メグミルク)が発足して以来も数々のフレーバーを生み出してきました。これまでに同一フレーバー含む50種類以上が開発されてきました。下記のリストは雪印メグミルクとしての記録になります。

プレーンのサイズは4タイプ

まずプレーンですが、サイズが4種類設定されています。「180ml」(ストロー付)のミニサイズ、「300ml」(ストロー付)の細長タイプ、「500ml」のタイプ、そして「1000ml」の牛乳のような細長タイプです。いずれも青いパッケージです。

このうち、プレーンのみで生産されるサイズは「180ml」「300ml」の2つ。「500ml」と「1000ml」については、プレーン以外のバリエーションとしても生産・販売されています。

受験時期に登場する定番パッケージ


受験時期のパッケージ


洞爺湖サミットパッケージも

カツゲンは「勝つ源」を連想させる名称ですので、受験時期に飲む人もいます。冬にはそんな受験シーズンに合わせ、勝源神社のお守りが印刷された受験生応援パッケージが登場、毎年12月初めから2月中旬にかけて販売されます。これは近年毎年恒例となっています。

他にこれまでパッケージが変わったのは、2008年に洞爺湖サミットが開催されたとき。2008年5月から500mlと1000mlでサミットパッケージに切り替わり、売り上げから寄付されたことがあります。

プレーン以外のバリエーション

これまで年に4~5種類のフレーバーカツゲンを発売してきました。2012年2月現在、プレーン以外の季節ごとの商品である500mlフレーバーカツゲンは24種類・35回発売され、1000mlフレーバーカツゲンは7種類・13回発売されてきました。この数字から、同じ味が何度か販売されていることが分かります。それはつまり人気であることを示します。たとえ過去と同じ味でも、改良を加えたりパッケージを変えたりして発売しています。

担当者によれば、500mlのフレーバーカツゲンが多く発売されるのは、若い人が利用するコンビニ主体でサイクルが早いため。早くて1カ月、もって3カ月で販売を終了します。一方、1000mlは比較的長い期間もたせるものであるため、割合人気の味が採用されます。

では、気になるのはどの味が人気なのかということでしょう。ベスト3を挙げるとすれば、(1)青リンゴ、(2)ピーチ、(3)メロン。最も人気の「青リンゴ」は、日本ミルクコミュニティ発足前の2002年に、もっと遡れば1989年にスリムパック(180ml)、1984年にチコパック(180ml)で発売された、フレーバーカツゲンの中でも最も歴史ある味の一つです。これまで7回も発売されてきました。

変わった味としては、2006年に相次いで発売された南国シリーズ「マンゴスチン」「シークワーサー」があります。2009年に発売された「柚子」はあまり人気のなかった味の一つだったと担当者は語っています。北海道らしい味としては、2010年に発売された「ハスカップ」が挙げられます。

これまで発売されたソフトカツゲン商品と発売時期は以下の通りです。

フレーバー500ml1000ml
青りんごカツゲン


2002/7・2004/7・2005/5・2006/11(りんご)・2012/7・2014/12(りんご)



2006/6・2007/4・2009/3(りんご)・2010/4・2011/4・2012/9(りんご)・2015/3・2018/10
ピーチカツゲン


2007/2(もも)・2009/4・2012/2・2016/7(もも)

2009/10(もも)
ぶどうカツゲン



2006/8・2009/9・2011/2(マスカット)・2014/7(マスカット)・2015/9



2005/9(白ぶどう)・2008/4・2011/10・2014/10・2016/04
メロンカツゲン

2007/8・2008/6・2010/5・2014/4
2012/4
いちごカツゲン


2005/11・2007/11・2010/12・2013/12・2015/12


2008/10・2016/12
みかんカツゲン

2005/1(冬みかん)・2012/12


2006/10・2007/10・2010/10・2015/9
はっさくカツゲン
2010/8
レモンカツゲン

2007/5・2009/7・2011/8・2013/7

2014/8
ゆずレモンカツゲン
2016/2
グレープフルーツカツゲン
2004/10(すっきりグレープフルーツ風味)・2008/2

2013/2
シトラスカツゲン
2011/11
柚子カツゲン
2009/2
なしカツゲン
2014/09
洋なしカツゲン

2010/10・2013/09
マンゴーカツゲン
2005/8・2008/8・2011/6
マンゴスチンカツゲン
2006/2
シークワーサーカツゲン

2006/5・2015/6
キウイカツゲン

2009/12・2015/2
バナナカツゲン

2008/11・2012/09
さくらんぼカツゲン

2008/4・2012/5
ライチカツゲン
2015/4
ハスカップカツゲン
2010/2
うめカツゲン

2005/3・2014/2
フルーツミックスカツゲン

2013/4・2016/5

機会があれば様々なバリエーション(フレーバー)のソフトカツゲンを飲んでみてくださいね。

ソフトカツゲンを買って飲むにはどうすればいい?

ソフトカツゲンを北海道外でも飲みたい!そう願う道内出身者も少なくありません。実は北海道限定と言われているとはいえ、道外でも販売されていたりします。ソフトカツゲンを購入できるのはどこでしょうか。販売エリアの変遷とともにご紹介します。

活源(かつげん)、カツゲン時代は、大阪など道外の工場でも生産・販売されていたこともあります。とはいえ、味が濃い故、親しまれる味ではなかったようで、関西・関東地方等からは生産や販売を撤退しています。

2000年代後半までは、青森県の工場でも生産されていたソフトカツゲン。現在製造するのは、雪印メグミルク札幌工場のみ。道内全域に届けられているほか、プレーン500ml・1000mlは青森県周辺に送られて販売されています。製造者の雪印メグミルクによると、どこまで販売されているのかまでは追えないとのこと。関東でも、北海道物産店、アンテナショップなどで販売されているようです。

500mlのパッケージでは、フレーバーによる多種多様な味が発売されていますが、それらは「北海道限定」と表記されています。文字通り北海道の店頭でのみ購入できます。青森県など道外では基本的に、季節ごとに発売されるバリエーションは購入することができません。

500mlサイズ以下のものはセイコーマート・セブンイレブンを始め道内のコンビニエンスストアで購入することができます。1000mlサイズは概ねスーパーで販売されています。牛乳に近い、乳製品コーナーに陳列されていることが多いです。

最近ではインターネットによる販売もされており、家に居ながらお取り寄せすることも可能な時代になりました。道外の方はそのような購入方法もあるでしょう。ぜひ飲んでみてくださいね。

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写真提供:リサイクルショップ&木工房・豆電球(雨竜町)
参考文献
「雪印乳業史 第1巻」1960 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業史 第2巻」1961 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業史 第3巻」1969 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業史 第4巻」1975 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業史 第5巻」1985 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業史 第6巻」1995 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「雪印乳業沿革史」1985/4/30 雪印乳業株式会社/雪印乳業史編纂委員会
「ミルク通信」No.8 S33/12/1 札幌酪農牛乳株式会社
「ミルク通信カツゲン版」No.20 S34/11 ミルク通信編集室発行
「ミルク通信カツゲン版」No.21 S35/2 ミルク通信編集室発行

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