北海道夕張市といえば、夕張メロン。地元では夕張メロンをモチーフにしたお菓子などがたくさんあって、お土産としても観光客に大人気です。中でも有名なのが、阿部菓子舗。早くから夕張メロンにちなんだ商品をいろいろ開発し、お客さんに親しまれてきました。一体どんな商品があるのか、店の歩みと共に見ていきましょう。
メロン菓子の先駆け的存在
▼社長の阿部広昭さん
阿部菓子舗は1921(大正10)年に砂川市から夕張市紅葉山にやって来ました。砂糖が手に入りにくい戦時中は、やむを得ず12~3年間ほど店を閉めたこともあったということですが、1953(昭和28)年に再開。以来、地元夕張に根づいた老舗和菓子店として、営業を続けてきました。現在の社長で、3代目になります。
▼夕張メロンまんじゅう(税込864円)
夕張メロンにちなんだお菓子を作り始めたのは、1977(昭和52)年のこと。メロン菓子の先駆けで、当時としてはかなり斬新だったようです。最初に作られたのが「夕張メロンまんじゅう」で、和菓子のイメージの強いまんじゅうとメロンを組み合わせたところも、強烈なインパクトでした。
▼メロン関連商品はこんなに!
今では、たくさんの夕張メロン関連商品が誕生しました。もちろんこれですべてではないのですが、写真左から時計回りに紹介していくと、夕張メロン羊羹(税込756円)、メロンマフィン(税込130円)、夕張メロン最中(税込130円)、夕張メロン大福(税込130円)、めろどら(税込160円)、夕張メロンカステラ(税込120円)です。当然のことながら、これらの商品にはちゃんとメロン果汁が使われていて、メロンの風味もしっかりと味わえます。
▼ころころ夕張メロンパン(税込360円)
さらに、一度見るとその大胆な風貌に目が離せなくなるのが、ころころ夕張メロンパンです。実は阿部菓子舗では1957(昭和32)年頃からパンの製造販売も始めています。このころころ夕張メロンパンは、土日祝の限定販売ですが、このビジュアルインパクトに魅せられて購入していくお客さんが後を絶たない人気商品です。
▼メロンパンの間に、メロンクリームが
見た目は大胆ですが、味は繊細。サクサク、ふわふわの2個のメロンパンはメロンパン愛好家も納得のおいしさで、さらにその間に挟まれた果汁たっぷりのメロンクリームがパンと相性抜群です。蔓の部分もパンで作られていたり、底に敷いたトレーも本物のメロンに使われているものに似せていたり、遊び心も満載。
▼自宅用にも、お土産用にも(写真提供:阿部菓子舗)
話のタネになること間違いなしのころころ夕張メロンパン、週末に夕張へ行く予定のある人は、一度味わってみてはいかがでしょうか。
真っ黒などら焼き「たんどら」にも注目
▼道の駅 夕張メロード
阿部菓子舗が現在店を構えているのが「道の駅 夕張メロード」です。
▼独創的なお菓子が並ぶ阿部菓子舗
そして阿部菓子舗を紹介する上で外せないのが、人気商品の「たんどら」でしょう。
▼たんどら(1個税込185円)
かつて夕張が炭鉱の町として栄えていた頃、石炭のことは地元で「たん」と呼ばれていました。その「たん」と「どら焼き」を合わせて「たんどら」と名付けられました。石炭をイメージして、どら焼きの皮は食用竹炭を生地に練り込み、印象的な黒い色に仕上げています。中に入っている餡は、4種類。
▼レギュラーの4種類
写真左上から時計回りに、「チョコっと生っとら」「夕張メロン」「あずき」「かぼちゃ」です。1~5月末には、季節限定販売の「さくら」がここに加わります。ちなみに観光客の人気ナンバーワンは断トツで「夕張メロン」味だそうですが、地元の人は違う味を好むのだとか。ちょっと面白い現象ですね。
▼工場で1個1個丁寧に手づくり(写真提供:阿部菓子舗)
夕張メロンにちなんだ多彩なお菓子の数々、いかがだったでしょうか。どれも阿部菓子舗のオリジナル商品ということで、ここでしか買えないものばかり。夕張に出かける際には、ぜひ阿部菓子舗の名前を頭に入れておいてください。そうすれば、お土産に困ることはきっとないはずですよ。