来年2019年4月1日で廃止されることが決定しているJR北海道の石勝線夕張支線。北海道ファンマガジンでは、そんな夕張支線に今一度注目し、歴史を振り返りつつこれからの夕張について地元の人々に意見を伺いました。
9月の特集記事として、全4回にわたって掲載していきます。第1回目の今回は「夕張支線とは」。どこにあるどんな路線なのか、全駅を網羅すると共に、マニアックな視点で見どころを探ります。
石勝線夕張支線ってどこ? どんな駅があるの?
▼夕張支線を運行している列車
石勝線とは、北海道千歳市の南千歳駅から夕張市を経由して上川郡の新得駅までを結ぶ本線に加え、夕張市内を走る新夕張駅から夕張駅までの支線のことを言います。廃止が決定している夕張支線は、全部で6駅(新夕張駅を除く5駅は廃止)。まずは6駅すべての駅舎とホーム、そして現在の時刻表をご覧いただきましょう。
▼JR石勝線夕張支線MAP。赤ラインの夕張支線(新夕張-夕張間)が廃止路線
新夕張駅
▼新夕張駅舎
▼新夕張駅ホーム(写真は読者提供)
沼ノ沢駅
▼沼ノ沢駅舎
▼沼ノ沢駅ホーム(写真は読者提供)
南清水沢駅
▼南清水沢駅舎
▼南清水沢駅ホーム(写真は読者提供)
清水沢駅
▼清水沢駅舎
▼清水沢駅ホーム
鹿ノ谷駅
▼鹿ノ谷駅舎
▼鹿ノ谷駅ホーム
夕張駅
▼夕張駅舎
▼夕張駅ホーム
石勝線夕張支線の時刻表
新夕張から夕張まで、所要時間はわずか23~24分。短くも、地元の人の足として活躍してきた夕張支線なのです。
あまり知られていない見どころとは
のどかな夕張市内をひた走る夕張支線ですが、そんな路線の中にもマニアックな見どころが存在します。今度は上り方向で、夕張駅から新夕張駅間の面白ポイントをご紹介していきましょう。
Point.1「ファッション踏切」
▼一見、普通の踏切に見えるが
夕張駅と鹿ノ谷駅の間に、ファッション踏切なるものが存在します。見通しのいい場所にある踏切なので見つけやすいですが、それがファッション踏切かどうかは、一方向からしか確認できません。
▼本当に「ファッション」の文字が!
踏切に付けられた「ファッション」の文字が、なんともアンバランスでシュールです。かつてこの近辺にドレスメーカー女学院があったことが由来だということです。
Point.2「橋脚」
▼堂々たる石造りの橋脚
詳しくは連載の第2回でお伝えしますが、夕張支線は複線だったことがあります。その名残である橋脚を今も見ることができます。まず1つめは、夕張駅と鹿ノ谷駅の間。先に挙げたファッション踏切より、もう少し鹿ノ谷駅寄りの場所です。
▼車の中からは見つけにくい橋脚
2つめの橋脚は、鹿ノ谷駅から清水沢駅の間にあります。走行する車の中から見ようとしても分かりづらいですが、水色の欄干が特徴的な清水橋を目印にしてください。橋の上からは、しっかりとその姿を確認することが可能です。
Point.3「ザ・リリーズ」
夕張支線の沿線から、女性アイドルが誕生していたことをご存じでしょうか。1970年代に活躍した双子デュオ、ザ・リリーズです。1975年にリリースしたシングル『好きよキャプテン』で大ブレイクした彼女たちの実家は、なんと清水沢駅のすぐそば。
▼白い建物の建つ場所が、かつての実家
もう今はありませんが、実家は燕電器商会という電器屋さんでした。ちなみにザ・リリーズは現在も活躍中で、地元夕張を応援しているようです。
Point.4「三菱大夕張鉄道車輌保存地」
▼見事なラッセル車などが保存されている
沿線からは少し離れますが、清水沢駅と南清水沢駅の間を通る国道452号線を東へ進むと、車で約5分ほどの場所に三菱大夕張鉄道車輌保存地があります。ラッセル車と呼ばれる除雪車など、当時の迫力ある車輌が保存されています。見応えたっぷりなので、寄り道する価値はありそうです。
Point.5「紅葉山」
▼新夕張駅に残る紅葉山駅名標
石勝線が開通する以前、今の新夕張駅は紅葉山駅という駅名でした。それを示すかのように、駅舎の目の前に、当時の駅名標が残されています。素っ気なく置かれている分、ノスタルジックな気分に誘われます。
今回挙げた5カ所は、どれも夕張支線の歴史を感じさせるものばかり。探せばもっとマニアックなポイントが見つかるかもしれませんね。