【当麻町】 暑い夏の日には海や山といった涼しげな場所に行きたくなるもの。天然の涼しい場所を求めている人には、鍾乳洞もオススメだ。道内で鍾乳洞と言えば中頓別町と当麻町の二か所が思い浮かぶが、今回は当麻町にある道内屈指の鍾乳洞「当麻鍾乳洞」を紹介しよう。湿度は高いが、夏でも気温10度ほどでひんやりとしていて驚くこと間違いなしだ。
当麻鍾乳洞は、当麻町の市街地から道道1134号線で小沢ダムに向かう途中の山にある。面積は約1500m2、全長約135mで、高さ約7~8m。内部は上段・中段・下段に分けられ、5つの部屋に区切られている。
入口から入るとすぐ中段のエリアで、「遊仙の間」「女神の間」「鳳凰の間」「千両の間」「幸運の間」と続く。途中「智恵の池」「銀明水」「朱の池」といった水たまりも存在する。その後階段で下段のエリアに続き、「奥の院」などを経て出口へ至る。赤や緑などカラフルなライトアップで楽しませてくれる。天井の低い狭い通路を通ったり急な階段を通ったり水が滴るので散策には注意が必要。
当麻鍾乳洞は、1億5千万年前の中生代ジュラ紀に石灰岩を含む地層が出来上がったと言われ、地下水の溶触作用により石灰洞窟となった。洞窟内には長さ数メートルから直径10cmに及ぶ石柱もある。これらは3cm成長するのに約200年かかるそうだ。他に石筍、天幕状鍾乳石などあるが、特に管状鍾乳石は直径5mmと細い直線状のもので、中が空洞でパイプ状になっていることから「マカロニ鍾乳石」ともいわれる。学術的には世界的にも極めて珍しいとされるので、必見だ。
なお、当麻鍾乳洞は、1957年1月13日に石灰岩を採掘中、当麻石灰工業株式会社の故今村勇氏により偶然発見されたという。北海道大学理学部地質鉱学教室原田準平教授などが地質学的に興味深い鍾乳洞であるとし、1961年3月17日に北海道指定天然記念物に指定されるに至った。
なお、当麻鍾乳洞入口は高台にあるため、階段を上り橋を渡って受付へ。鍾乳洞観覧を終えると、ロックガーデン広場に降りてくる形となる。周辺には鍾乳洞グリーンパークが広がるので、森林浴を楽しむのもよいだろう。
当麻町開明4区
0166-84-3719
ゴールデンウィーク頃から10月まで、9:00~17:00、無休
高校生以上500円、小中学生300円、幼児無料