北海道でヒグマと言えば、ニュースでよく耳にする目撃情報や、熊出没と書かれたいかにも恐そうな看板を思い出す人も多いかもしれません。ヒグマ=人を襲う凶暴な動物? いえいえ、もちろん野生のヒグマに注意することは必要ですが、中には愛らしいヒグマだっているのです。そんなヒグマちゃんたちに会いに、昭和新山熊牧場へ行ってみませんか。
熊たちの賢さにビックリ!
昭和新山熊牧場は、昭和新山の麓にあります。昭和新山は北海道有珠郡壮瞥町にあり、国の特別天然記念物に指定されています。
▼まずは顔出しパネルで記念撮影
昭和新山熊牧場で飼育されている熊はすべてエゾヒグマです。雄雌、年齢などによって、こぐまの幼稚園、若くま牧場、大牧場、くまのアパートと銘打たれた飼育スペースに分けられています。また熊とは関係のないあらいぐまが飼育されているあらいぐま牧場があります。
▼手前右側が若くま牧場、奥が大牧場、左側手前はあらいぐま牧場、奥がくまのアパート
熊にはエサをあげることができます。用意されているエサはクッキーとリンゴです。リンゴは地元の壮瞥産に限られていて、ここの熊たちは意外にグルメなのかも、などと想像が膨らみます。
熊たちは賢くて、なにかポーズをすると人がエサをくれることを知っているので、人が通ると熊それぞれに独自のおねだりポーズを見せてくれます。手招きする熊、お腹をぽんぽん叩く熊、V字開脚する熊など、バリエーション豊か。ポーズにまでこれほど個性が出るということに驚き、改めてその知性の高さに感嘆します。まぁ単純にそのユーモラスさに笑ってしまうのですが。
▼エサを投げて~と、おねだりポーズをするエゾヒグマ(写真提供:野崎多恵子)
スタッフにお聞きすると、最近は海外からの観光客が増え、おねだりポーズをしなくてもエサが投げ入れられるので、やらなくなってしまった熊もいるのだとか。うーん、やっぱり賢い。
清潔な施設で獣臭が苦手な人も安心
▼今年生まれた2頭の赤ちゃん
昭和新山熊牧場がオープンしたのは1969(昭和44)年。最初は15頭からのスタートでした。現在は60頭ぐらいに増え、さらに毎年2頭ほど新しい命が誕生しています。
ところで、熊と言えば冬眠するイメージが強いですが、冬場の営業はどうなっているのでしょうか。スタッフにお伺いしたところ、実は熊は食べものが確保できれば冬眠する必要はないのだとか。ちなみに昭和新山熊牧場では、出産する熊のみを冬眠させているそう。
▼食べものがあれば冬眠しなくても平気!
さらに園内を歩いていて気がついたのは、動物独特のにおいがほとんどしないこと。スタッフによれば、1日に3回放飼場を洗い流しているといいます。また、フンを見つけたときにはなるべく流すようにしているということも教えてくれました。だから施設がきれいで、獣臭が苦手な人でも楽しむことができるのでしょう。
▼運が良ければ赤ちゃんにタッチできるかも
熊たちのポーズに笑ったり、赤ちゃんのかわいらしさに癒されたり、変化球であらいぐまを観察したり。子どもから大人まで楽しめて、これで入園料が大人850円、子ども500円というのですから、家族でのレジャーにはもってこいです。
高速道路ではなく一般国道を利用しても、札幌からなら約2時間30分、千歳からなら約1時間、小樽からなら約2時間。ドライブがてら訪れてみるのもいいかもしれません。
所在地:北海道有珠郡壮瞥町昭和新山183番地
電話:0142-75-2290
営業時間:
元旦 10時~15時
1月2日~3月31日 8時30分~16時30分
4月 8時30分~17時
5月~10月 8時~17時
11月~12月30日 8時30分~16時30分
大晦日 8時30分~15時
入場料:大人(中学生以上)850円/子ども(6才以上)500円
公式サイト