読者の皆さんは氷でできたグラスでお酒を飲んだことがあるだろうか。氷でできたイグルーで音楽のコンサートを聴いたことがあるだろうか。真冬に、鹿追町北部の山地にある然別湖に行けば、これら全部楽しめる。
毎年1月末から3月末までの約2ヵ月間、凍結した然別湖の湖面に村、すなわち「コタン」が出来る。イベント化されていて「しかりべつ湖コタン」と呼ぶが、今回、週末の夜間に行ってみた。目当てのミュージシャンのコンサートが行われることと、アイスバーで嗜むお酒が目的。
鹿追町市街地から北上し然別湖を目指す。山の上にあるため、ぐにゃぐにゃとした山道を登っていく。明かりも少なく、対向車もあまりない冬道を走ると不安に駆られる。然別湖に近付くと道幅も狭くなり、さらに不安も募るが、最後のトンネルを抜けるとホテル群が出現し、ほっと一安心、となる。
車外に出ると、体が芯から冷える。まさにしばれるという表現がぴったり。この日の20:00頃の気温はマイナス15度くらい。とりあえず一番大きなイグルーである「アイスドーム」に行ってみることに。氷雪でできており、ステージも立派で、座席は階段状になっている。ここで、週替わりで訪れるアーティストのコンサートやパフォーマンスを無料で楽しめるのだ。
アイスドームの中とはいえ寒さを感じる。外よりはましだが。手袋必須な中、演奏者は楽器を弾くと言うのだから正直驚きだ。ドームの中に軽快なメロディーが鳴り響き、お客さんも盛り上がるから、寒さも忘れてしまうほどだ。
コンサートが終われば、隣接のアイスバーに移動してお酒でも。壁や氷の柱、テーブルや座席、酒のカウンターや棚も全部氷で出来ている。白というより透き通る青い色をしている。この透明度は素晴らしい。
ここでカクテルやらソフトドリンクを500円で飲むことができる。グラスも氷でできていたりする。別途1個500円だから合わせて1000円だ。このごついグラスで、然別湖オリジナルの青いカクテルを飲むのがオススメらしい。グラスは厚さがあって飲みにくさがあるのと、口が冷たくなるのが魅力(笑)。とはいえ、我々の冷えた体をちょっと温めてくれる。こんなの、普段絶対にできない貴重な体験できないだろう。
帰りがけに、湖畔にあるホテルに入って、暖まりながらお土産でも探してみる。これもまた楽しいひと時。
冬の厳しさを身に感じながら、冬を楽しめるイベント「しかりべつ湖コタン」。今回は夜に来たが、イグルーだけではなく、世界唯一の凍結湖上のものとして世界唯一の氷上露天風呂、スノーモービルやクロスカントリースキーツアー体験、氷のグラス作りなど、日中に氷上で楽しく遊べるアクティビティも用意されている。毎年1月下旬から3月末までのロングラン開催。まだ間に合うので、ここでしか楽しめない氷上村を家族で、カップルで、楽しんでいただきたい。
しかりべつ湖コタン
鹿追町然別湖
1月末~3月末
※入場無料、駐車場あり
然別湖コタン実行委員会 0156-69-8181
http://www.nature-center.jp/