北海道トピックス

道内で急増するエゾシカ衝突事故に救世主!「新型鹿ソニック」新登場

  

日本で1年間に起きる野生動物との接触事故は約10万件で、北海道だけでもエゾシカに関係する事故はこの15年で約3倍に急増、年間3万件を超えています。そんなエゾシカ関連の交通事故への対策として、車両に取り付けて高周波で野生動物に警告を発する「新型鹿ソニック」が開発されました。

急増するエゾシカ関連の交通事故

道内で急増するエゾシカ衝突事故に救世主!「新型鹿ソニック」新登場
世界自然遺産知床で自由気ままに道路を横断するエゾシカ

北海道ではエゾシカとの衝突事故が急増しています。北海道の調査では、ここ数年だけでも、2016年に1936件だった発生件数が2019年には3188件になりました。2019年はそのうち死亡事故1件、人身事故5件が発生しています。

特に釧路・胆振・石狩地方で事故が多発。例年10~11月は年間の38%の事故が発生していて、特に注意を要する時期となります。

これまでエゾシカとの接触事故への対策は、エゾシカの生態や習性を知ること、早朝や夕方の運転に気をつけるなど運転者自身が意識し用心深く運転することが求められました。

農家の実証実験で忌避効果を確認した鹿ソニック

こうした急増する野生動物との交通事故を減らそうと、有限会社T.M.WORKS(本社:富士河口湖町)は、車両に取り付ける「鹿ソニック」(RK-001/RK-002)を2018年5月に発売。さらに2020年6月には新型機(RK-004/RK-005)を発売しました。

道内で急増するエゾシカ衝突事故に救世主!「新型鹿ソニック」新登場
鹿ソニック

鹿ソニックは、人間には聞こえない高周波音を車から照射し、シカ、イノシシ、鳥、小動物に警告を行う仕組みです。

鹿ソニック北海道販売代理店である株式会社マツクラ(札幌市東区)によると、2019年4月から富良野市で行われた実証実験では、食害や踏害があった農場の圃場やハウス付近にソーラーパネルなどを利用して設置。設置後にはビート畑や玉ねぎ畑の中にエゾシカの足跡がなくなったことや野うさぎに移植した苗を食べられる食害、アライグマによるメロンの食害が大幅に減った、エゾシカの獣道がなくなったなど、動物に対しての忌避効果を確認しました。

岩見沢市や栗山町でも種芋畑で定植したじゃがいもを掘り返されて荒らされる被害が大幅に減少、安平町の牧場でも飼料保管場での被害がなくなった、夕張市のメロンやスイカのハウスでアライグマの食害が7割減ったなど、効果は抜群。

野生動物による農業被害が目に見えて減少したことから、農家の間で口コミで広がり、設置する農家が増えたといいます。同社では、ソーラーパネルキットを用意して獣害対策機として販売しています。農業・漁業の他、キャンプ場やゴルフ場、ゴミステーション(北海道のゴミ捨て場)でも活用が期待されています。

車から高周波音を照射しエゾシカに警告

道内で急増するエゾシカ衝突事故に救世主!「新型鹿ソニック」新登場
鹿ソニック取り付け例

本来の用途である車載用としても、野生動物の忌避効果が実験によって明らかになっています。

従来の鹿ソニックは、全日本ラリー選手権で競技車輌に装着。北海道ラリー競技中のリエゾン区間で3頭のエゾシカと遭遇したものの、車輌が近づくと鹿は逃げていったと報告されています。実際に車両に取り付けた上で山間部の公道を走行した際も、エゾシカに遭遇しても道路脇から飛び出してこなかったといいます。

新型鹿ソニックは、従来品に比べて高周波を照射する距離を約50~70メートルから約20cm伸ばし最大約80メートルに、さらに角度は左右約30度から左右約50度(計 約100度)に拡大。単純に照射範囲を広くしたことで、より広範囲(最大約0.56ヘクタール)に鹿に警告音を知らせることが可能になり、効率的に事故を防げるようになりました。

北海道は雪道の問題もあります。そこで新型鹿ソニックでは、スピーカーユニットに雪が詰まっても音が聞こえるように改良されています。

鉄道への装着も想定されており、富士急行線での実証実験でも効果を確認。JR東日本中央線・大月~勝沼間には11月に導入が決定しています。北海道内の鉄道でも十分に効果が期待できると考えていると担当者は話しています。

装置単体価格は26,000円から。オンラインでも購入できますが、取付作業が必要なので、トヨタカローラ札幌GRガレージ札幌厚別通店(札幌市厚別区)、ヰセキ北海道部品課(岩見沢市)がおすすめです。

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