福島町「青函トンネル記念館」ーオレンジ色の謎の機械が屋外にズラリ!

福島町と言えば、青函トンネルの吉岡海底駅がある街として知られている。世界一の海底トンネルである青函トンネルの貴重な記録を残す博物館的存在がここ「福島町青函トンネル記念館」なのである。福島町の中心部に位置している。記念館自体は二つのトンネルをイメージしたデザインで、大変特徴的である。1973年10月に道立としてオープンしたのが前身だが、老朽化や入場者数減少で2002年10月末をもって閉館してしまった。その後、福島町として再度立ち上げオープンしたのが現在のもので、2005年4月23日にオープンしている。





しかし何より、その建物を取り巻くように置かれているオレンジ色の機械のほうが気になってしまう。館内にもオレンジの機械はあるが、屋外展示に関しては無料で見学できるので、今回はこうした謎の機械たちを紹介しようと思う。


まずオレンジ色ではないものとして、水色と白色の「潜水艇くろしおII号」が展示されている。オレンジ色の小さな機械は、記念館を取り巻くように置かれている。「軸流送風機」という小さな円筒状の機械は、工事中にトンネル内の空気を新鮮に保つため、斜坑口から空気を最先端まで送り込むべく補助的に使用されたもの。


なんとも形容しがたい「試すい機」は、トンネルを掘り進める前に前方の地質を調べる試すいという作業を行う機械である。先端にダイヤモンドまたは硬い鋼がついた鉄管を回転させながら、が引責の中を切り込み、鉄管の中にコアを掘りだして地質を調査するという。この機械で700~800m掘ることができる。


レールの上に置かれた展示物もある。灰色のパイプを載せたものは「緊急用排水ポンプ台車」である。1976年5月に北海道側吉岡作業坑で発生した異常出水で、固定ポンプが完全に水没、使用不可能になったため、緊急導入された機械である。排水時に大きな活躍をし、トンネル水没を免れたという。

このように、福島町青函トンネル記念館のまわりには青函トンネル吉岡側で活躍した機械が多数置かれており、普段見ることのできない機械だけに見ているだけでも楽しい。

トンネルメモリアルパークも必見!






なお、ここからさらに松前方向に進むと、吉岡海底駅のほぼ上に位置する高台公園「トンネルメモリアルパーク」があり、ここにも謎の機械が置かれている。ここには、建設時にバッテリー動力で様々なものをけん引したオレンジ色の車両1両「蓄電池機関車」、北海道側の本工事起工式(S46/11/14)に使われた記念玄武岩、記念碑がある。この公園も小さいが一緒に訪れておきたい場所だ。