キムンカムイ(山の神様)と崇められてきたエゾヒグマ。そのエゾヒグマたちの自然の姿を間近に見られる施設がサホロにあります。なんでもサホロの森の一部をフェンスで囲い、そこでエゾヒグマを飼育しているのだとか。自然の中を行動するエゾヒグマを間近で見られる施設は日本でここだけ。さっそく見に行ってきました。
エゾヒグマのいる森を歩いて探索
施設の名称は「サホロリゾート ベア・マウンテン」(以降ベア・マウンテン)。2006年にオープンしたエゾヒグマだけのサファリパークです。敷地面積は15ヘクタール、東京ドーム3.2個分という広い敷地に、11頭のエゾヒグマが放たれています。
▼園内を歩くエゾヒグマたち
このベア・マウンテンを楽しむ方法は2通りあります。1つめは、敷地内に設置された遊歩道を歩いてエゾヒグマを探す方法です。
▼高さ5mの位置に設置された遊歩道
森の中に高さ5mの遊歩道が作られていますので、そこからエゾヒグマを見ることができます。板張りの遊歩道なので、ハイヒールやベビーカーもOK。普段通りの格好で楽しむことができるのです。
心配なのは、この広大なスペースの中でエゾヒグマを見つけることができるのか、ということ。でも大丈夫。施設内に貼りだしてあるQRコードを読み取ることで、スマホやタブレットにエゾヒグマの現在位置がわかる地図が表示されます。森の中に隠れているエゾヒグマを探してみてください。
▼エゾヒグマのいる位置が一目瞭然
【動画】遊歩道を歩いてみた
バスに乗ってエゾヒグマのそばまで
2つめの楽しみ方は、ベアウォッチングバスに乗る方法です。バスは20分間隔で運行されていて、森の中を40~50分かけて走ります。距離は約1.2km。エゾヒグマを見つけるとそこで止まってくれますので、間近で見ることができるのです。
▼ベアウォッチバスに乗れば近くから見ることができる
心配なのは、エゾヒグマが果たしていつでもバスから見えるような場所にいるのかということ。それも大丈夫。敷地の中をジープに乗った飼育員が回っていて、エゾヒグマの居場所を確認し、うまく誘導してくれるのです。
▼水浴びをするエゾヒグマ
ここで飼育員のリーダーの宮野さんにお話を伺いました。宮野さんはオープン当初から勤務し、エゾヒグマを熟知しているベテラン飼育員です。
▼笑顔がまぶしいベテラン飼育員の宮野英明さん
「エゾヒグマはそれぞれのテリトリーがあって自分の位置がだいたい決まっています。それぞれの性格と行動パターンを知らないと、誘導することはできません。単にお客さんに見せるために誘導するだけでなく、お互いがケンカしないように離す必要もあります。通常3台のジープで、トランシーバーで情報を共有しながら誘導しています」(宮野さん)
ジープで誘導!……ということで、無理をお願いして宮本さんのジープに乗せていただきました。
【動画】飼育員のジープに乗せてもらった
ガラス越しにエゾヒグマ
遊歩道を歩いても、ベアウォッチングバスに乗ってもたどり着くのがベア・ポイントです。ベア・ポイントはガラス張りになっていて、ガラス越しにエゾヒグマと対面することができます。距離はなんと4cm。目の前で立ち上がられたら、その大きさにちょっと後ずさりしたくなります。
▼遊歩道から見たベア・ポイント
日常では決して見ることのできない距離でのエゾヒグマ。意外に目がかわいらしいんだ、とか、肉球をはじめて見たよ、などと見ている人たちは大興奮。エゾヒグマが近くに来ると、まるでアイドルが近くに来たかのように、人垣ができます。
▼ガラス越しにエゾヒグマが見られるベア・ポイント
ベア・マウンテンは、通常では見ることのできない距離でエゾヒグマが見られる施設です。熊出没のニュースなどで、恐いというイメージのエゾヒグマ。こういった施設できちんと管理されている彼らを見ると、意外とかわいらしいことに気づかされます。なかなか貴重な体験となるはずなので、いちど訪れてみてはいかがでしょうか。
▼かわいらしいと評判のヒロタケ17歳
所在地:北海道上川郡上川郡新得町新内西6線 狩勝高原(国道38号線狩勝峠3合目看板が目印)
電話:0156-64-7007
公式サイト
Facebookページ
料金:
・入場券:大人1,836円、子供・シニア1,080円
・ベアウォッチングバス付き入場券:大人2,916円、子供・シニア2,160円
営業期間:4月下旬~10月下旬(2017年は4月29日~10月22日)
営業時間:9時~16時