大雪山国立公園内に位置し、十勝管内鹿追町と上士幌町にまたがる然別湖。その湖の西岸にある然別湖畔温泉に通じる道路が、道道85号線(鹿追糠平線)です。
冬季は湖が全面結氷し、「しかりべつ湖コタン」と呼ぶ氷上のイベントが開催されますが、然別湖から糠平湖に抜ける区間が通行止めに。鹿追町中心部から行くルートしかなくなります。そこで、鹿追町中心部から北上し然別湖畔までの区間の冬の見どころをご紹介します。
大雪山国立公園にIN!
然別湖は、標高804.5メートルと、道内で最も標高の高い位置にある湖です。その湖を目指すルートですので、かんの温泉へ通じる道道1088号線(然別峡線)との交差点を過ぎると、大雪山国立公園に入り、山道をひたすら登っていきます。
正面に見える台形のような山は、標高1,252メートルの東ヌプカウシヌプリ。道道85号線を登りきるまで、この特徴的な山を目指して登っていきますので、何度も見かけることになります。
扇ケ原展望台で十勝平野を一望!
道道1088号線との交点から登り続けること約7分。道道85号線の途中、標高769メートルにあるのが、扇ケ原展望台です。道道沿いに駐車場が広く設けられており、休憩ポイントとして最適です。
展望台からは、十勝平野、その向こうに日高山脈を眺望することができます。車を安全に止めて十勝平野の大パノラマを拝めるのはここだけ。存分に楽しみましょう。
東ヌプカウシヌプリをドアップで!
登る途中から見えていた東ヌプカウシヌプリもついにドアップで間近に見られる距離まで近づいてきました。この付近からは、十勝平野と、十勝平野にせり出す形でたたずむ東ヌプカウシヌプリを一緒に見ることができます。
この山は行政境界線をなしているため、山の向こうは上士幌町や士幌町となります。然別湖もその中央を町の境界線が貫いています。つまりここは、鹿追町の東の境界近くなのです。
白樺峠の頂上を華麗にスルー
標高900メートル。東に東ヌプカウシヌプリ、西に西ヌプカウシヌプリや千畳くずれがあり、2つの山の間を走るのが道道85号線の白樺峠というわけです。登りきったところで少し開けたところに入りますが、このあたりに東ヌプカウシヌプリの登山口があります。
駒止湖(こまどめこ)を崖の下に見ながら
白樺峠を超えて下り坂に入ると、道幅が極端に狭くなります。下り坂に急カーブが連続。運転には注意が必要です。下り坂に入るとすぐ右手に目に入ってくるのが、駒止湖(西小沼)。然別湖の南西に位置する小さな湖で、爆裂火口跡なので、崖の下の窪地に湖があります。四季を通じて水位は変わらない、青緑色の神秘的な湖で、冬季は当然全面結氷します。木々の葉っぱがないぶん、冬季のほうがよく湖が見えます。
ちなみに、アイヌの人たちは「オッチシトゥ」(女のすすり泣きが聞こえるような沼の意)と呼んでいたそう。その後、和人が然別湖にオショロコマ釣りに行く途中この湖で馬を休ませて休憩することから、駒止湖と名付けられたといいます。
さらに進むと、然別湖が右手に見えてきます。トンネルを抜ければ、ついに然別湖畔温泉!
然別湖畔温泉に到着
鹿追町市街から来るまで約35分、山を登り始めてから約15分。トンネルを抜けると、ようやく然別湖畔温泉に到着しました。道道85号線も冬季はここまで。
ここには2つの温泉ホテルがあります。「しかりべつ湖ホテル福原」と「然別湖畔温泉ホテル風水」。全面結氷し真っ白になった然別湖は静けさしかありません。正面に唇のように見える山が、天望山(1,173m)です。
1月下旬から然別湖で始まる冬季の一大イベント「しかりべつ湖コタン」に行く計画を立てている人もいることでしょう。その道中も十勝の美しい冬の風景を楽しむことができるので、ドライブの参考にしてみてくださいね。