道道1116号線(チョボチナイゲート)は1ヶ月間しか通れない幻の道道だった

雪の降る北海道には、冬期通行止めにして除雪を行わない道路が多数存在します。国道では知床横断道路が有名です。道道でも岩見沢―夕張間の道道38号線など、幾つもの路線で冬期通行止めがあります。

といっても、通行止め期間はたいてい積雪のある数ヶ月だけ。それをしのぐ長い期間、通行止めになる道道が、上川管内東川町に存在します。それが「道道1116号線(富良野上川線)」の一部区間。なんと1年のうち約1ヶ月間しか開通しないのです。しかし、この道道、途中からの絶景が美しいと話題なのです。

ドラレコ動画:チョボチナイゲート~東川北7線ゲートまで往復

チョボチナイゲートから東川北7線ゲートまで12.4km区間

チョボチナイゲート

約1ヶ月間しか開通しない道道は、東川町と美瑛町を南北に結んでいる「道道1116号線(富良野上川線)」。名前の通り、上川町と富良野市を結ぶ総延長約87kmの道道として計画された道路ですが、実際に供用開始となったのは美瑛町宇莫別から、忠別湖の東側を回りこんで東川町に入り、旭川市21世紀の森付近までの約29km区間となっています。

道道1116号線の幻の区間
道道1116号線の幻の区間図

今回紹介するのは、そのうち東川町ノカナンのチョボチナイゲート(東川町806-46)から北7線の東川北7線ゲート(東川町1074-48)までの12.4km区間です。チョボチナイゲートは、忠別湖畔近くにあり、東川北7線ゲートは旭川市21世紀の森からほど近いところの道道611号線との丁字路にあります。

この区間は、9月中旬から10月中旬の約1ヶ月間だけ開通します。2020年は9月8日11時から10月8日11時までのちょうど1ヶ月間でした。

チョボチナイゲートの開通期間案内
東川北7線ゲートの開通案内

1ヶ月間しか通行できない理由

ゲートに開通期間が掲示されていますが、理由は、そこに表示されている通り「地すべりの恐れがあるため」。

旭川建設管理部によれば、2012年9月に開通した当初は、10月から5月までの冬期通行止めだけですむはずでした。しかし、初年度の冬期通行止め解除前の2013年5月、一部区間に地すべりの恐れがあることが判明したといいます。そこで、2013年春に開通することを断念し、結果2017年9月まで通年通行止めとなってしまいました。

その後も、例年9月中旬から10月中旬以外が通行止めとなっているのは、地下水の水位が地すべりと深く関係しているため。北海道最高峰の旭岳に近いこの地域は、雪解け水によって地下水の水量が落ち着くのが9月頃だそう。それに伴い地すべりの動きも落ち着くため、例年9月中旬から、本来の冬期通行止め開始時期の10月中旬までの1ヶ月間だけ通行可能になるというわけ。

今年も、一部区間で地質調査ののぼりがたっており、トラックが出入りして対策工事も多数行われています。今は1ヶ月だけの開通ですが、調査や対策が進めば冬期通行止めに戻る可能性もあります。

同区間最大の見どころ!嶺雲橋

そんな経緯のある道道ですが、区間内は開放感のある道路区間もあり、途中の橋からは絶景が見られるのです。ここからは、道道1116号線の12.4km区間の様子をご紹介しましょう。

1.5車線の狭いアップダウン

南端のチョボチナイゲートから入ると、1.5車線の狭い区間が始まります。崖を登っていくような道路で、舗装されてはいますが、道幅は狭く、対向車とのすれ違いには注意が必要です。そのため、待避所が何箇所も設けられています。急なヘアピンカーブが続き、勾配も10%、段差がある箇所もあります。

二車線区間に切り替わる

チョボチナイゲートから進むこと約9分。道幅が一気に広がり、きれいに舗装された二車線道路に変わります。ここからは急カーブやアップダウンが少なく、比較的走りやすい区間となります。

最大の見どころ嶺雲橋
幌倉沼川に架かる

少し進むと、緩やかなカーブが特徴的な全長406mの「嶺雲橋」(幌倉沼川)を渡ります。ここは、この区間で最大の見どころ。橋の上からは遠くに旭川市街を望みます。

映像:嶺雲橋からの眺望
カーブの美しい橋がいくつもある

さらに少し進むと、倉沼川に架かる「祥雲橋」(140m)「景雲橋」(174m)、倉沼第一沢川に架かる清水橋(120m)があります。大きな橋で言えば4つの橋を渡ることになります。そして、左側から道道611号線が合流する丁字路に達し、東川北7線ゲートとなります。

チョボチナイゲート終点

ライダーたちに話題となっている、幻の道道。紅葉が始まりつつある季節に、走ってみてはいかがですか。