名水百選「甘露泉水」が有名! 利尻島の4つの湧水ポイントを巡ろう!


【利尻町・利尻富士町】 環境省選定による「名水百選」。北海道内からは3か所が選ばれているが、そのうち1か所は利尻島にある。それが「甘露泉水(かんろせんすい)」で、日本最北端の名水である。

利尻島には秀峰・利尻山(標高1,721m・写真)があり、山に降った雨水や雪解け水が浸透し、何十年もかけて湧き出す湧水ポイントが島内各所に存在する。水量は申し分なく、水質も大変良好。そのため、簡易水道で島内の各戸に飲料水として供給されているほどである。

今回は、そんな利尻島内にある湧水ポイントを、写真や映像を交えて紹介する。最初に、利尻富士町側にあり名水の筆頭である「甘露泉水」、同じく利尻富士町鴛泊にある「長寿の泉水」「姫沼湧水」、さらに利尻町にある「麗峰湧水」の4か所。他にも名前はないものの突如蛇口が設置されている箇所もあり、いずれも無料で冷たい水を飲めるので、利尻島を一周観光する際は飲み物には困らない。(※なお、利尻島沿岸の海底から湧水する海底湧水も確認されている)


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名水百選選定「甘露泉水」はまさに甘い!

名水百選に選定されたのがこちら日本最北端の名水「甘露泉水」である。水が甘いことからそう呼ばれてきた、まさに島随一の湧水ポイントだ。「甘露泉水」は、利尻山の利尻富士町側・鴛泊登山ルートの入口にあたる北麓野営場から登山道をわずか約500m・約10分進んだところにあり、ここを逃すと頂上まで水の補給ができないため、登山客は必ずと言ってもよいほど利用する。

場所は利尻山3合目付近にあたる標高290m地点にある。周囲は林野庁などが選定した「森林浴の森100選」で「利尻島自然休養林」として選ばれている美しい森林。その中に湧水ポイントがあり、そこからせせらぎが鴛泊方向に向けて流れていく、そんな場所である。水温は夏冬ほぼ変わらず5.5度と一定だ。高い位置に看板があり、水の湧水口が地下から湧いているかのように見える低い場所にあるので、大きな容器への取水は難しいかもしれない。




実は、正真正銘のものではないが、もう少し標高の低い場所にある利尻富士温泉入口にも「甘露泉水」と表記される湧水ポイントがある。石組みされた綺麗な外観の湧水ポイントだ。こちらは車でも行くことができるので、手軽に飲んでみたい方は良いかも。

▼利尻富士温泉にある湧水ポイント



知る人ぞ知る隠れた湧水スポット「長寿の泉水」

利尻島を一周する道道108号線沿い・海岸沿いにあるにもかかわらず、あまり知られていない湧水ポイントがこちら利尻富士町鴛泊の「長寿の泉」(長寿の泉水)。場所は鴛泊港から南方向へ約1km地点、道路沿いにある「旅館雪国」の脇に湧き出している。小さいながら次から次へと湧き出してくる。間宮林蔵が訪れ飲んだとも言われている。なお、同旅館ではこの湧水を利用したコーヒーなどを出している。


観光名所「姫沼」にもあった「姫沼湧水」


姫沼は利尻富士町鴛泊にある観光名所の一つだ。標高125mの位置にある姫沼の散策路、入口から100mもしない場所に、湧水ポイントが存在する。ここの湧水量は他所と比べて少なめであるため、水の大量補給には向かないが、飲んでみたい方は訪れてみるとよいだろう。

利尻町にある湧水スポット「麗峰湧水」

利尻島の北東半分、つまり利尻富士町側には多数存在していながら、南西の利尻町側には数少ない湧水スポット。その利尻町にある貴重な湧水スポットがこちら仙法志字神磯にある「麗峰湧水(れいほうゆうすい)」である。海岸沿い・道道108号線沿いに位置し、駐車帯や屋根も付いており、蛇口とパイプの二本から常時湧き出している。滑らかな飲み口で、米・コーヒー・昆布を美味しくすると地元で評判の湧水だ。利尻町沓形の「利尻 島の駅」で提供するコーヒーもここの水が使われている。なお、名前は「雄大で麗しき峰・利尻山からの恵みの水」であることから命名された。


今回は利尻島内の4つの湧水ポイントを紹介した。利尻島に上陸した際はぜひ利用していただき、利尻山の恵みの美味しい水を味わって、利尻の思い出としていただきたい。