礼文島に沖縄があるのか?! 南国のビーチのように美しい「澄海岬」

【礼文町】礼文島は花の浮島との異名を持つほど、高山植物や固有種の花々が咲き誇ることで知られていますが、一方で、青い海の鮮やかさも人々の心をひきつけてきました。名付けて「礼文ブルー」。その青い海を実感できるスポットが「澄海岬」です。まるで南国のプライベートビーチのような、美しい感動風景をお届けしましょう。

ここは沖縄のビーチか?! と錯覚してしまうほど美しい「澄海岬」

礼文島の西海岸には青い海が美しく見えるポイントがいくつもあります。その一つがここ、西上泊漁港の近くにある「澄海岬」です。「すかいみさき」と読むここからは、名称通り「澄んだ海」が見渡せます。海岸としては道内でも指折りの透明度を誇るため、コバルトブルーと深みのある青とのグラデーションが美しく、まるで南国の島にいるかのような錯覚に陥ります。ここが日本海側であることを忘れてしまいそうです。

▼南側から西上泊港を見る。漁港すぐそばで海に突き出した岡田ノ崎に「澄海岬」はある

澄海岬は海に突き出した「岡田ノ崎」の北側にある高台で、さらに北側で海に突き出す「稲穂ノ崎」とに囲まれた入り江が見所です。澄海岬の展望台へは階段を上っていくのですが、その途中からもうすでに入り江の青が見えて感動。展望台にたどり着くと、入り江の曲線美を含め全体を見渡すことができます。晴れていれば、日中はもちろんですが夕陽もきれいと評判。


ここ西上泊園地は、地元ではかねてから「島で一番海が美しく見える場所」として知られてきた場所で、観光客向けには「西上泊海中公園予定地」として紹介されていました。結果的には海中公園になることはありませんでしたが、町民の公募で名称を決めることになりました。「澄海岬」という名称がつけられたのは、香深港に新フェリーターミナルが竣工した1989年前後のことですから、それほど古い話でもありません。

ちなみに、中島みゆきさんの『銀の龍の背に乗って』(2003年)のPVがこの入り江の斜面で撮影され、2012年に映画『北のカナリアたち』のロケが行われたのも澄海岬。スコトン岬ほど訪れる人は多くありませんが、一度訪れると忘れることのできないほどの絶景、そして「礼文ブルー」にふさわしい印象的な青さ。礼文島に行ったら絶対に行っておきたい秘境スポットの一つです。[地図]

▼澄海岬展望台から北側を見る

▼澄海岬のある岡田ノ崎の先には岩場が続く

▼澄海岬展望台から振り返れば西上泊港

車道のない西海岸8時間コースをトレッキング!

礼文島の東海岸には道道が整備されていますが、西海岸沿いには整備された陸路がありません。この「澄海岬」は、最北限の地「スコトン岬」とその南にある「ゴロタ岬」とを合わせて西海岸3大岬として知られており、5時間ほどの岬めぐりコース(旧4時間コース、約13㎞)が整備されています。(スコトン岬とゴロタ岬についてはこちらの記事参照) また、船泊湾の浜中からここ澄海岬のある西上泊を経てアナマ、宇遠内、そして東海岸の香深井に出る、西海岸縦断コース(旧「愛とロマンの8時間コース」、2014年にコース変更、約17㎞)があります。

ゴロタ岬や澄海岬を含め、これら西海岸をトレッキングすると、標高の高い高台から海を見下ろすことができるため、礼文島で一泊できるようであれば是非チャレンジいただきたいです。