地元に愛されて半世紀―北海道で2番目に誕生した「おびひろ動物園」

北海道には、市の運営する動物園が全部で4つあります。札幌市の円山動物園、旭川市の旭山動物園、釧路市の釧路市動物園、そして帯広市のおびひろ動物園です。今回は、おびひろ動物園についてご紹介しましょう。60歳近いご長寿動物や、北海道にのみ生息している珍しい動物など、見どころいっぱい。地元の人にはお馴染みのおびひろ動物園、さっそく中を覗いてみましょう。

おびひろ動物園でいちばんの長老は?

▼カラフルな観覧車が目印

JR帯広駅からバスで約15分。おびひろ動物園は1963(昭和38)年7月、札幌の円山動物園に次いで、北海道で2番目の動物園として誕生しました。開園した翌年の1964年4月27日に入園したのが、インドゾウのナナ(♀)です。正門から真っ直ぐ進んだところにあるゾウ舎で暮らしています。

▼ナナはいつの時代も人気者

推定年齢は、なんと57歳。その生涯のほとんどを今のゾウ舎で過ごしていることになります。

▼優しい目をしているナナ

乾草(青草)の他、りんごやにんじん、さつまいも、オレンジなど、果物や野菜が大好物。優雅に歩く姿や、鼻先で器用に食べ物をつかむ様子など、ずっと見ていて飽きることがありません。さすが、動物園のスター的存在です。

▼コンドルの長老夫婦

しかし、おびひろ動物園でいちばんの長老は、インドゾウのナナの他にいるのです。2羽のコンドル、ジャック(♂)とジェーン(♀)の仲良し夫婦です。1958年に野毛山動物園に入園し、おびひろ動物園には1981年3月9日にやって来ました。

▼貫禄たっぷりのジャック

推定年齢は、実に60歳以上。人間で言うところの還暦を過ぎた今でも、ヒヨコや廃鶏などをムシャムシャ食べて、元気いっぱいです。

▼珍しいイタチ科のキタイイズナ

また、北海道にのみ生息しているキタイイズナは、全国数ある動物園の中でも、ここでしか見られない貴重な動物です。2017年に音更町の路上で右往左往しているところを捕獲されました。名前をえりまき(♂)といいます。かわいい顔をして、自分より大きな獲物に襲いかかることも。

他にも、かわいい動物がいっぱい!

おびひろ動物園の人気者は、他にもいろいろ。一気に紹介していきましょう。

▼アミメキリンのメープル(♂)

アミメキリンのメープルは、ムサシとリボンの第2子として2014年に誕生しました。しかしムサシとリボンは、2015年の11月と12月に、残念ながら相次いで亡くなってしまいました。

▼ホッキョクグマのアイラ(♀)

2012年に札幌の円山動物園より「ホッキョクグマの種の保存事業の推進」のためにやって来たのが、ホッキョクグマのアイラです。

▼表情豊かで女の子らしい顔立ち

アイラは、円山動物園にいるデナリとララの第5子にあたります。

▼アメリカビーバー

今年2018年6月29日に2匹の赤ちゃんが誕生し、注目を集めているのがアメリカビーバーです。ビービー(♂)とダブ(♀)の夫婦は、まさに今、子育ての真っ最中です。かわいいビーバー一家の様子は、要チェック!

▼目の前を走っていくのは!?

また、取材をしていると目の前を走り去っていく小さな影が!

▼野生のエゾリス

その正体は、野生のエゾリスでした。動物園内にこうした野生動物が見られるのも、北海道の動物園ならでは。

▼野生のエゾモモンガ(写真提供:おびひろ動物園)

運が良ければ、野生のエゾモモンガが見られることもあるのだとか。飼育している動物はもちろん、園内を歩いている時も周囲に目を凝らしてみてください。

▼地元に根づいた動物園

平日のおびひろ動物園には、地元の保育園や小学校からたくさんの児童たちが訪れます。地元に根づき、地元で愛されている動物園なのだということが、よく分かります。もちろん、観光で訪れても楽しめること間違いなし。ただし、夏期開園最終日は11月4日で、冬季開園日は12月1日です。その間は閉園しているので、注意してくださいね。

おびひろ動物園
所在地:北海道帯広市西5条南7丁目1番地
電話:0155-24-4111
公式サイト