道内屈指のクリンソウ群生地「ノンノの森」が津別町に

オホーツク管内津別町の南部、津別峠の麓に、ノンノの森があります。この森では毎年6月中旬~下旬になると、小さなピンクの花が一斉に咲き、訪れた人たちを楽しませています。その花の名は、クリンソウです。

森林セラピー認定の森

ノンノは、アイヌ語で「花」を意味します。ノンノの森(上里町民の森自然公園)の中では冬を除き、季節を通じて様々な花が咲くことから命名されました。

2011年4月1日には、NPO法人森林セラピー®ソサエティから森林セラピー®基地の認定を受けました。これは、癒やしの効果が科学的に認められる森として認定されたということ。森に入ったとたん、澄んだ空気と緑の優しさに心が洗われます。そして、小川のせせらぎと小鳥のさえずりだけが聞こえてきます。

2019年6月16日にはノンノの森入口に「ノンノの森ネイチャーセンター」がグランドオープン。森林セラピーガイド、散策ガイドなど体験メニューを実施しています。

▼ノンノの森ネイチャーセンター

道内屈指のクリンソウ群生地

そんな癒やし効果が期待できる森において、初夏に咲く花の一つがクリンソウ(くりん草)。サクラソウの仲間である山野草で、高さ30~90cm。山間部の川沿いなど湿地帯に群生します。

お寺の塔の頂上にある飾り「九輪」に似ていることから、クリンソウと呼ばれるようになりました。茎を取り囲んで直径2cmほどになるピンクの花の輪が、何段にも重なって咲く様子は、九輪そのものです。

▼九輪のように咲く

クリンソウ群生地は、兵庫県御嶽山山麓、栃木県中禅寺湖千手ヶ浜など全国でも確認されていますが、ノンノの森は道内でも屈指の群生地。約1万ヘクタールに30万株のクリンソウが生育しており、毎年6月中旬~7月上旬にかけて花が見頃を迎えます。

▼ノンノ森マップ

群生するのは、森の中を流れる川沿い。川に沿って整備されている散策路の両側にクリンソウが咲きます。ノンノ森のMAPでは、「こもれびの道」(約1.4km、所要時間30分)または「みはらしの道」(約2.4km、所要時間80分)の重複区間である木道沿いになります。道の順路どおりに歩く必要はなく、駐車場からは徒歩5分もすれば群生地に到着できます。

▼せせらぎとクリンソウの花がマッチする

緑あふれる森の中に、小さいながらも可憐に花を咲かせ森に彩りを添えるその姿に、思わずかわいい!と言ってしまうこと間違いなしです。

なお、クリンソウの見頃に合わせて、毎年クリンソウまつりがノンノの森などで開催されています。クリンソウの他にも、ノンノの森ではフクジュソウ、水芭蕉、ザゼンソウ、ツマトリソウ、ミズチドリ、オドリコソウ、ホウチャクソウ、ミヤマエンレイソウ、エゾスカシユリ、エゾトリカブト、ミツバヒヨドリなどが咲きます。

とはいってもやはり人気はクリンソウ。6月中旬~下旬には早くも見頃を迎えていきますので、見たことがない方はぜひ訪ねてみてください。自然に囲まれ、日々のストレス解消がてらにも、ぜひ津別町ノンノの森へ!

【動画】映像で見るノンノの森のクリンソウ群生地

ノンノの森
所在地:網走郡津別町上里738「ランプの宿森つべつ」を目指して。駐車場は同ホテルの駐車場を利用可能です。