【室蘭市】 港湾都市・室蘭らしい隠れた見どころが道の駅みたら室蘭内にある。ミニチュアの客船・貨物船が、ガラス張りの大型ケースに所狭しと並べられているのだ。その中には、全長150cmの豪華客船「クイーンメリー号」、青函連絡船、室蘭に寄港したことのある日本郵船のクルーザー船「飛鳥」があり、その数は数十点にのぼる。
ミニチュアシップは縮尺200分の1がほとんど。一部装飾や骨格に竹やバルサ材を使うもののそれ以外は紙製であるため「ペーパーモデルシップ」として紹介される。精密に細かいところまで忠実に表現されており、目線を下げれば本物の船がそこにいるかのようにも感じさせる。それぞれに船名と重量と年が書かれた札が付けられており、さながら船の博物館のようである。
これだけの数のミニチュアシップがなぜここに展示されているのだろうか。誰が作ったのだろうか。そんな疑問がわきあがる。
関西からやってきたペーパーモデルシップ
製作者の大澤浩之さんは、1931年生まれで関西在住の全国的に有名な船舶模型作家だ。これまで500隻以上を作り続け、全国的な船舶模型コンクールで入賞したり、神戸市海洋博物館から製作依頼を受けるなど高い評価を得てきた。しかし、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で被災した際、兵庫県神戸市の自宅が半壊、多数のペーパーモデルシップの保管場所を失った。
そんな折、20年来の模型作り同好者として親交のあった室蘭プラモ愛好会会長の寺地憲一さんを通して、ペーパーモデルシップ120隻、船の貼絵9点などを室蘭市に寄贈することになった。その中には北海道に関係する船舶が多数含まれていた。
大澤さんのペーパーモデルシップは、実際の図面などの資料収集から、製図、工作まで精密に製作されている。寄贈を受けた室蘭市は、ペーパーモデルシップを多くの人が見ることのできる道の駅内に展示。その中から常時数十点を展示し、ときどき展示内容を入れ替えている。
たくさんのペーパーモデルシップは自由に観覧できる。船舶好きは見に行っても損はない。
▼道の駅みたら室蘭
所在地:室蘭市祝津町4丁目16番地15
TEL:0143-26-2030
営業時間:4~10月は無休、冬季は木曜日定休、9:30~21:00(冬季は17:00まで)