笹とは異なり、北海道ではめったにお目にかかることがない「竹林」。それも当然、笹は寒冷地でも自生できるが、竹は温暖湿潤の気候でなければ自生することは難しいからだ。そのようなわけで、一部の地域を除いて、道民は竹を見ることなく育っていく。道産子は修学旅行で道外に行った時、初めて竹林を見てテンションが上がるのである。
しかし、道内にも実は竹林は存在する、というのは意外にも知られていない。規模は決して大きくはないが、まるで京都にいるかのような感動を味わうことができるのだ。それは、道南の松前町に点在する「孟宗竹林(もうそうちくりん)」である。ここは北限の孟宗竹林として知られている。大規模な竹林としてはここが北限だ(※囲み参照)。
松前町の寺町周辺、松前町博多などに孟宗竹林はあるが、もともとここに自生していたのではなく、本州から持ち込まれて成長した竹林だ。安政年間(1854~1859)に松前藩の重臣新井田氏が佐渡から樽に入れて持ち込み移植したとされる。いまや2500本以上を数える。
専念寺と松前中学校の間に大規模な孟宗竹林があり、その他、寺町周辺を散策していると竹林を見かける。案内板が設置されていればそれは間違いなく「孟宗竹林」である。すらっと空に向かって伸びる竹の群生は、北海道にいることを忘れてしまいそうな光景。松前町に行くときは孟宗竹林を探し当てて感動してほしい。
孟宗竹の北限はどこなのか―
一般に松前町の孟宗竹林は北限として知られている。規模からしても道内最大級であることは間違いないが、実際には孟宗竹はそれ以北でも育っている。確認されているものとしては、函館市函館公園に一株7本が植えられ竹林に成長しているし、伊達市でも昭和40年代に伊達市開拓記念館の庭園等に宮城県から25本が持ち込まれ成長、洞爺湖サミットのイベントで使用された。札幌市中央区の北大植物園や円山でも植栽されているため、正確な北限は札幌市とされる。ただしいずれも本州から持ち込まれたもの。
一般に松前町の孟宗竹林は北限として知られている。規模からしても道内最大級であることは間違いないが、実際には孟宗竹はそれ以北でも育っている。確認されているものとしては、函館市函館公園に一株7本が植えられ竹林に成長しているし、伊達市でも昭和40年代に伊達市開拓記念館の庭園等に宮城県から25本が持ち込まれ成長、洞爺湖サミットのイベントで使用された。札幌市中央区の北大植物園や円山でも植栽されているため、正確な北限は札幌市とされる。ただしいずれも本州から持ち込まれたもの。