干潮時にしか入れない!波打ち際に露天風呂がある函館・水無海浜温泉

温泉好きとって、景色を見ながらゆっくりとお風呂に入れる露天風呂は格別なもの。また外気を感じながらお風呂に入るという開放感も露天風呂の醍醐味です。函館市に、海に面した露天風呂があるという話を聞きました。なんでも潮位によって入れたり入れなかったり、温泉の温度も変わるのだとか。しかも入浴料が無料なんだそうです。

波打ち際よりわき出る温泉

その温泉の名称は水無海浜温泉(みずなしかいひんおんせん)。道南にある渡島半島(おしまはんとう)の東南端にあります。恵山(えさん)国道と呼ばれている国道278号線の椴法華(とどほっけ)地区(旧椴法華村)で、椴法華港線と呼ばれている道道231号線に入り、えさん漁業協同組合椴法華支所市場がある椴法華港あたりで、道道635号線に入りそのまま道なりに進んでいけば自ずと水無海浜温泉に到着します。いたるところに水無海浜温泉の看板がありますので、迷うことはないはずです。

▼すぐそばに無料の駐車場や公衆トイレも

実際に目の前にすると、海に面した露天風呂、というより海そのものですね。波打ち際を囲って湯船が作られていますが、大きな波が来たら完全にかぶるだろうな、と容易に予想がつく露天風呂です。

▼波打ち際の岩で囲まれているところが露天風呂だ

湯船より一段高いところに更衣室も設けられています。

▼更衣室は男女別で、きちんと鍵もかかるから安心安心

この温泉を管理している函館市役所椴法華支所産業建設課に話を伺ってみると、湯船、更衣室を作ったのは2003(平成15)年のことで、温泉には1年を通して入浴可能なのだとか。ただし、潮位によってはお風呂が水没するため、干潮時にしか入れないということでした。入浴可能時間は、函館市役所のウェブページに記載してあるのでそれを参考にしてみてください。

▼潮が満ちてくるとお風呂は水没してしまう

この温泉は、活火山である恵山の熱源によるもので、波打ち際からわき出しています。潮の干満により、お風呂の深さが変わり、お湯の温度も変わってきます。源泉の温度は40℃~65℃、泉質はナトリウム-塩化物泉、主な効能は神経痛や筋肉痛、冷え性だそうです。

実際に入ってみると

今回、モデルの清水香菜美さんに温泉に入ってもらいました。取材日は10月末(2017年)、気温は10℃ぐらい。更衣室を出てから温泉まで少し歩かないといけないので、その間「寒い、寒い」と言っていました。温泉に入ってみると適温でかなり気持ちよさそうです。

▼「景観の美しさと潮の香りがたまらない」と清水さん

高い波が来るとかぶるのでは、と思っていましたが、波よけが作ってあるからなのか、いちどもその心配はありませんでした。ただ、この日は好天に恵まれ、波が穏やかだったこともあるかもしれません。市役所の方に聞いてみると、波が高い日は入らないようにしてほしいとのことでした。

▼湯船のまわり、湯船の中はすべりやすいので要注意

注意すべきは、湯船のまわり、湯船の中がかなりすべるということ。また、湯船の中は砂利や玉石がたくさんあります。すべるだけでなく、足の裏が痛いので気をつけるようにしてください。今回、取材のためバスタオルで入りましたが、後で聞いたところによると水着の着用もOKなのだとか。

海を眺めながら入ることのできる温泉は全国に数あれど、これだけ海に近く、まるで海に入っているような感覚になる露天風呂は珍しいのではないでしょうか。その開放感は格別で、この温泉の最大の特徴だと言っていいでしょう。

【動画】水無海浜温泉に入ってみました

取材協力
函館市椴法華支所 産業建設課
所在地:函館市新浜町156番地1
電話:0138-86-2111

モデル:清水香菜美
※2017年11月9日付:泉質等について一部表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。