上川郡鷹栖町に、音楽を奏でる橋があると聞きました。え?! 橋って川を渡るためのものなんじゃないの? 音が鳴る必要があるの? 頭が「?」でいっぱいになりましたが、とにかく音楽を奏でる橋が実際にあるのだそう。橋が音楽を奏でるとはいったいどういうことなのでしょう。この目で確かめるため、この耳で確かめるため、実際に行ってきました。
どうしてこのような橋が作られたのか?
その橋は、鷹栖町役場の前を通っている新十五線道路を南西に走り、鷹栖町役場から2.5kmほど、車で約3分ほどの場所にある交差点を右折するとすぐにあります。交差点に信号はなく、交差点名もありませんが、橋の看板がありますので、迷うことなくたどり着けるはずです。
▼真っ赤に塗られた橋の欄干に青色の町章、とにかく目立つ橋なのです
橋の名前は「北野橋」。石狩川の支流のオサラッペ川にかかっている橋です。地図などには「北野橋」と表記されていますが、町の人々からは「メロディー橋」と呼ばれていて、町にある案内看板にも「メロディー橋」と表記されていました。
▼オサラッペ川にかかる橋で全長100メートルある
この橋ができたのは1982(昭和57)年。当時の町長が「建設費用の一部を活用して特色のある橋を作ろう」と指示を出し、担当者が音が出る橋はどうだろうかと考案し実現しました。北野小学校の児童の通学路にあり、子どもが傘などで欄干を叩いているさまにヒントを得たのだそうです。曲は童謡の「夕やけこやけ」が選ばれました。
▼順番に叩いていくと夕やけこやけが奏でられる
日本ではじめての「メロディーを奏でる橋」ということで、広く取り上げられ、今では全国各地に同じようなメロディー橋が誕生しているのだそうです。
どうやって橋から音が出るの?
音の出る仕組みはカンタンで、欄干に鉄琴が仕込まれていて、それを叩くと音がでるという単純なもの。はじめはバチなどで叩いて音を出す様になっていましたが、2013(平成25)年に橋の改修が行われ、鉄琴ひとつひとつに鉄球が設けられ、鉄球を鉄琴に当てることで音が鳴るような仕組みに変わりました。
▼欄干にある鉄琴には鉄球が付いており、それを当てることで音が鳴る
どうですか? 橋の歴史や仕組みも「なるほど!」と思うものですが、やっぱり鳴らしてみたくなりますよね。実際に鳴らしてみると、大人でも心躍ります。何しろ自分自身の歩調に合わせてメロディーが生まれてくるのですから。さあ、気になった人はさっそく夕やけこやけを奏でに行ってみてください。
【動画】メロディー橋で音楽を奏でてみた!