【浜中町】 かの有名な漫画『ルパン三世』一色の町がある。釧路と根室の間に位置する浜中町だ。霧多布の街を歩けば、街灯、バスやハイヤーにルパン三世が描かれ、等身大フィギュアや作者モンキー・パンチ氏の画材などを展示するコレクション、ルパン三世通りに仮想店舗まで存在し、オリジナルグッズやルパン三世のイベントもある。浜中町は、『ルパン三世』ファンが十分楽しめる町なのだ。
ルパン三世と浜中町の関係
なぜ浜中町に『ルパン三世』のスポットがあるのかというと、浜中町が原作者、モンキー・パンチ氏の故郷だから。1937年5月に町内の漁師の家に生まれ、霧多布高校夜間部在学中に地元唯一の医師・道下俊一氏の元でレントゲン助手を務めたこともある。19歳で上京、1965年に本格的に漫画家・加東一彦としてプロデビュー。1967年に「週刊漫画アクション」で『ルパン三世』の連載をスタートし、1971年にテレビアニメ化。今も幅広い年代で根強い人気を誇る。
浜中町ふるさと大使のモンキー・パンチ氏は、2008年以降毎年8月に浜中に帰郷し、母校の中学生を対象に講演会を開催したり、小学生向けのまんが教室を開催。故郷・浜中町のために様々な活動を行ってきた。
町は2011年、新たな町おこしプロジェクトを本格的に始めた。それが、モンキー・パンチこと加藤一彦氏と代表作『ルパン三世』を活用した「ルパン三世はまなか宝島プラン」。数々のルパンスポットは、このプロジェクトで2012年以降続々と誕生した。では、そのルパンスポットの数々を一挙ご紹介しよう。
【ルパンスポット1】作品群や等身大フィギュアの展示を行う「モンキー・パンチ・コレクション」
まず訪れたいのが、町役場の近くにある「浜中町総合文化センター」[地図]。入口を入るとすぐ、モンキー・パンチ氏の作品などを展示する「モンキー・パンチ・コレクション」がある。ゲートには『ルパン三世』に登場するキャラクターのミニチュアフィギュアを展示。モンキー・パンチ氏の作品のイラスト(内容は不定期に変更される)や、愛用した画材の展示がある。中でも、町のファームサインに使われている描き下ろし作品『妖精花伝説』のイラストは貴重。
奥には、約120点のZIPPOコレクション、5人のパネル、ルパン三世と次元大介の等身大フィギュアがあり、記念撮影も可能だ。二階へ通じる階段や二階通路にもイラストが幾つも展示されており、モンキー・パンチファンにはたまらない空間だ。
・『ルパン三世』登場人物5人のパネル
・ルパン三世と次元大介の等身大フィギュア記念撮影コーナー
・『ルパン三世』連載当時の原稿、その他の作品群『一宿一飯』『幕末ヤンキー』『ルパン小僧』『シャム猫』『TAC・TIC……S』『妖精花伝説』
・『ルパン三世』ZIPPOコレクション
・階段及び二階通路に関連イラストを額に入れて展示
・建物外観にもガラス窓に5人のイラストが描かれたステッカーの貼り付け
【ルパンスポット2】街灯ポールにも『ルパン三世』登場人物が
町役場[地図]に通じる町道、及び、ルパン三世通り[地図]の2か所には、道路沿いに『ルパン三世』登場人物がデザインされた街灯ポールが設置されている。浜中町総合文化センター前には峰不二子、役場前通りにも4人のキャラクターを使用した街灯ポール、また、ルパン三世通り中央分離帯にも3人のシルエットがついた街灯が設置されている。
・役場前通り:ルパン三世・次元大介・石川五ェ門・銭形警部の街灯ポール
・ルパン三世通り:ルパン三世・次元大介・峰不二子の街灯ポール
【ルパンスポット3】穴場的スポット!?100点以上のフィギュアを所蔵する浜中町商工会
実は穴場スポットなのが、浜中町総合文化センター向かいにある浜中町商工会[地図]。入るとルパン三世の酪農スタイルのパネルが置かれており、記念撮影もできる。事務所内には、『ルパン三世』ミニチュアフィギュアが所狭しと置かれている棚がある。いずれも商工会の課長が趣味で収集したもので、その数は100点以上に及ぶため、フィギュアの点数では「モンキー・パンチ・コレクション」を上回る充実ぶり。注目は、モンキー・パンチ氏のサインが書かれた、ルパンが乗るオープンカーモデル。さらには、ルパン三世コミックが並べられた書棚や、イラスト付きサイン色紙、FAXで送られてきたイラストもある。入りにくい印象があるが「気軽にお越しください」と同商工会。
・『ルパン三世』登場人物ミニチュアフィギュア
・『ルパン三世』直筆サイン入りモデルカー
・『ルパン三世』コミック集
・ルパン三世ラッピングトレインNゲージ
・モンキー・パンチ氏の直筆イラストサイン色紙
【ルパンスポット4】峰不二子のパブ、次元大介のバー、映画館も!ルパン三世通り
プロジェクトが開始して新たな観光スポットとなったのがここ「ルパン三世通り」[地図]だ。先述の通り街灯ポールにルパンが描かれているほかにも、通り沿いには記念撮影スポットとして仮想店舗が3か所ある。
まず峰不二子をイメージした「PUB FUJIKO」。峰不二子がデザインされた仮想店舗で、店舗前にベンチも設置。張り紙を見ると、「MEMBERS ONLY・ルパン以外お断り」と書かれている。そして次元大介の「JIGEN’S BAR」。こちらは次元大介による「CLOSED・旅に出るぜ」という張り紙が掲げられている。
2014年には、向かい側に「霧多布座」という映画館をイメージした建物も登場した。ここには「CLOSED・ただいまロケ中」というルパン三世のコメントが書かれた張り紙がある。掲げられている張り紙が面白いので、是非登場人物の真似をして読み上げていただきたい。ちなみに、いずれも空き店舗を活用して外観だけ改装した仮想店舗のため、営業はしていないのであしからず。
前編では、浜中町役場周辺の観光地を紹介した。後編ではラッピングトレイン・バス・ハイヤーや霧多布温泉といったルパンスポットを紹介する。