道南の秀峰「駒ヶ岳」。函館と札幌を結ぶ国道5号を車やバイクで走ったり、JR函館本線の列車に乗ったりすると、駒ヶ岳を見ることができます。特に七飯町の観光名所「大沼公園」から見る山容は優美で、思わず写真を撮ってしまうほどの美しさ。訪れる人の心を惹きつけています。
そんな駒ヶ岳。大沼公園からのビューも感動的ですが、一周すると様々な姿を見せてくれるって知っていましたか? しかも場所によっては人もほぼ訪れない穴場があったり。今回はそんな駒ヶ岳の姿を、様々な角度からご紹介します。
見る方角によって姿を変える駒ヶ岳
駒ヶ岳は標高1,131mの活火山で、江戸時代には内浦岳と呼ばれていました。1640年の大噴火により、富士山のような山容は崩壊し、2つの峰に分かれる結果に。この第分化をきっかけに、大沼や小沼が形成されました。
現在は七飯町、鹿部町、森町の3町が山頂で境界を分かち合っている駒ヶ岳。有名な大沼公園からの姿はなだらかで女性的と言われ、馬の姿にも見えたことから駒ヶ岳の由来ともなりました。森町から見ると山が近くまで迫ってきているように見えますし、森町砂原からだと峰が一つだけに見えますし、鹿部町からだと3つのコブがあるように見えます。
方角が違えば、山の表情も変わる。その楽しさを味わえるのが駒ヶ岳です。
(1)まずは定番! 大沼公園からの駒ヶ岳
ど定番は大沼公園からの眺望です。駒ヶ岳をバックに大沼の自然を楽しみます。ゆっくりと時が止まったかのようにも感じられる大沼公園。大沼公園駅近くはもちろん、大沼の南岸を走れば、お気に入りの風景が見つかるはずです。
▼大沼公園の鹿部町寄りのひっそりとした岸から
▼大沼と小沼の間、ターブル・ドゥ・リバージュ入口から見る入江と駒ヶ岳
▼鹿部に進むとこんな山容が
(2)日暮山展望台からの眺望
小沼と蓴菜沼の間にある標高303mの日暮山(ひぐらしやま)。その頂上に登ることができます。頂上の展望台からは、小沼そして大沼、左手後方に駒ヶ岳を望みます。駒ヶ岳の山裾がなだらかで、大沼・小沼との位置関係がはっきりとわかります。その眺望を楽しんだ人たちが我を忘れ、気がついてみると日暮れであったことから山の名前がつけられました。ただ、駒ヶ岳の左側裾野が木々で隠れてしまっているのが難点でしょうか。
(3)北斗市きじひき高原の展望台から駒ヶ岳
もっと標高の高いところから見たいのであれば、北斗市きじひき高原がおすすめ。函館山・函館市街・函館湾方面を一望できますが、別の方角を見れば大沼公園とともに駒ヶ岳を見ることができます。ただ、雲海が発生することもありますし、悪天候時には視界が悪くなりますので、自然状況に左右されます。
(4)函館七飯スノーパークから駒ヶ岳
冬季はスキー場になる函館七飯スノーパークからも駒ヶ岳を見ることができます。夏季もゴンドラが営業していますし、山頂にあるカフェ「PEAK CAFE」からも目の前に雄大な駒ケ岳を観ながら休憩することができます。
(5)城岱スカイライン上から駒ヶ岳
爽快ドライブルートとして人気の城岱スカイラインも駒ヶ岳を眺望できるルート。このルートは函館山・函館市街・函館湾を一望でき、函館裏夜景のスポットとしても知られますが、北に進めば眼の前に駒ヶ岳を見ながら大沼に到達します。
(6)グリーンピア大沼近くから駒ヶ岳
国道5号と、道央道・大沼公園ICに通じる道路(道道149号線)との交差点から見る駒ヶ岳も秀逸です。この付近は遮るものがないので、駒ヶ岳の遠景を楽しむことができます。登山口方面(道道43号線・大沼公園鹿部線)に車を走らせれば、電線がなく開放感ある道路を、駒ヶ岳に向かって進むことになります。
▼道道43号線入口から
▼登山口に近づいて山頂を撮ってみると
(7)その名も駒ヶ岳駅から駒ヶ岳
国道5号からは木々が視界を遮って、眺望の良い駒ヶ岳の風景をなかなか見ることができません。でも、一度国道から外れてみると、駒ヶ岳がよく見えるようになることも。その一つが、JR函館本線の駒ヶ岳駅です。国道5号から駅方向に進み、踏切を渡れば、そこには田園の向こうに駒ヶ岳がそびえる北海道らしい風景を見ることができます。
(8)馬と一緒に駒ヶ岳
もう少し北上し、国道5号から尾白内川沿いの道路に入り踏切を渡ると、すぐ右手に牧草地が見えてきます。ここは駒ヶ岳をバックに馬や牧草地を一緒に撮影するのにベストなスポット。
(9)砂原漁港で船と一緒に駒ヶ岳
今度は北側から駒ヶ岳を見てみましょう。北側の森町から森町砂原にかけての海岸線を走ると、駒ヶ岳は斜面が急で、山肌がはっきりとわかる男性的な山に感じます。国道278号からは駒ヶ岳をあまり美しいと感じられないかもしれません。でも、砂原漁港に行ってみてください。富士山のような山容の駒ヶ岳をバックに、漁船と港の風景を見ることができます。
▼森町砂原方面から見ると山肌が荒い
(10)砂崎灯台と一緒に駒ヶ岳
砂原市街から噴火湾に突き出す砂崎を目指してみましょう。砂の道路を進むと、砂崎灯台に到達します。海岸も美しいのですが、逆側の灯台と一緒に映る駒ヶ岳も山容が美しいです。山までなにもなく、奥に富士山のような飾り気のない山がどん。ここはほとんど訪れる人がいませんので、絶景を独り占めできます。
(11)ひょうたん沼と一緒に駒ヶ岳
鹿部町からだと、ひょうたん沼公園がおすすめです。駒ヶ岳は少し遠くになってしまいますが、ひょうたん沼越しに駒ヶ岳を見ることができます。風がなければ、ひょうたん沼に映る駒ヶ岳も一緒に楽しめます。よく見ると、駒ヶ岳は峰が3つあるように見えますね。
(12)天気が良ければ、対岸の室蘭市からも見える!
隣町、八雲町をはじめ、駒ヶ岳は噴火湾沿いから見ることができます。豊浦町、洞爺湖町、伊達市、室蘭市から見えます。特に室蘭から駒ヶ岳が見えることがあるのは知る人ぞ知る事実。地球岬や測量山展望台からは、天気が良ければ対岸に大きな山を確認することができます。
▼対岸の室蘭から見る駒ヶ岳
▼八雲町から見る駒ヶ岳
(13)津軽海峡からも見える!
青函航路のフェリー上からも駒ヶ岳を見ることができます。これも天気が良くないと見えないのですが、函館港を入出港する際にすでに見ることができます。このような函館市街、北斗市七飯市街と、その奥にそびえる駒ヶ岳のコラボレーションは海からしか見ることができません。
以上、駒ヶ岳をあらゆる角度から見てみた!でした。駒ヶ岳は大沼公園から見るのもいいですが、森町砂原や鹿部から、また標高を変えながら楽しんでみてくださいね。