北海道は岩内郡で昔から漁師めしとして食べられていたという、糠にしんのお茶漬け。その伝統料理を商品化しようという試みが行われていた様子は、以前北海道ファンマガジンでもご紹介しました。その後「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」として無事販売に至ったわけですが、さらに2018年夏にはリニューアルを果たしたとのこと。進化し続ける岩内伝統料理の今を、再び追ってみました。
家庭で手軽に楽しめる漁師めし
商品名は、これまで同様「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」です。パッケージもこれまでと同じく黒いのですが、より伝統の漁師めしであることが強調されています。
▼1袋(2人前)入りの新パッケージ
これまでと大きく違うのは、常温で保存できるレトルト商品になったというところ。つまり、お湯をかけるだけで手軽に楽しめるのです。また、糠にしんの旨みを最大限に引き出せるよう、出汁の調合にもこだわっているのだそう。
▼ごはんの上に中身を出して……
▼お湯を注ぐだけで……
▼伝統の漁師めしのできあがり!
ゴロゴロとふんだんに入った糠にしん。そのしっかりとした味付けが、お茶漬けにすることによってマイルドになり、ちょうどいい塩加減になります。これはなかなか贅沢で上品な味わいです。もみ海苔を振りかけたり、わさびを利かせたり、自分好みにアレンジしても良さそう。
▼「いわない温泉 高島旅館」で食べられるセット
また商品開発には、当初から地元の温泉宿「いわない温泉 高島旅館」が携わってきました。高島旅館に宿泊する人は、事前予約すればプラス税込800円で伝統の漁師めしを食べることができます。
▼レトルトとは違うオリジナルの漁師めし
▼宿泊の際はぜひ予約して食べてみて
レトルトでも十分においしい漁師めしですが、やはり本当のおいしさは現地で食べてこそ分かるというもの。レトルトでこの味わいを知ったなら、きっと本場の漁師めしを食べたくなるはずです。そんな時は、ぜひ高島旅館に宿泊することをおすすめします。
そもそも「和次郎」さんって誰のこと?
しかし、商品名である「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」の文字を見ていて不思議なのが「和次郎」という名前です。果たして、何者なのでしょうか? その答えは地元の霊場「岩内円山観音」にありました。
▼岩内円山観音の三十三観音像
岩内円山観音にある三十三観音像は、岩内が鰊漁で栄えていた時代にその財を投じ、豊漁などを願って安置されたものなのだそう。実は和次郎さんは明治時代に実在した漁師で、その三十三観音像の中には和次郎さんゆかりのものも現存しているのです。
▼和次郎さんゆかりの観音さま
三十三観音像は1914(大正3)に完成したとされ、今も訪れる人に慈悲と希望を施しています。
▼いちばん上には大きな観音像が
また、岩内円山観音の近くには展望台もあり、岩内の街と積丹半島を一望することができます。岩内を訪れたら、ぜひ足を延ばしたい絶景スポットです。
▼展望台から見た風景
また現在、地域連携プロモーションの一環として「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」は、蘭越町の「らんこし米」と赤井川村の「ゆきさやか」と、新米コラボキャンペーンを実施中です。
▼各地のブランド米と漁師めしを一緒に!
商品の販路もどんどん拡大中ということなので、道の駅などで見かけた際は手に取ってみてください。
▼道の駅「シェルプラザ・港」ではコラボキャンペーンのPR中
以前は動き始めたばかりの伝統の漁師めしでしたが、現在では商品のリニューアルも果たし、岩内を代表する地元グルメとして成長しつつあるようです。岩内を訪れる機会があれば、ぜひ実際に味わって、ゆかりの地も訪れて、伝統の味を堪能してみてください。
所在地:北海道磯谷郡蘭越町港町1402番地1
電話:0136-56-2700
休館日:毎週火曜日(11月~3月、祝日の場合は翌日)、年末年始(12/31~1/3)
開館時間:9時~17時、9時~18時(GW、お盆期間中7月・8月の土・日・祝日は9時~18時)
所在地:北海道余市郡赤井川村字都190番地16
電話:0135-34-6699
開館時間:8時30分~18時(5月~10月)、9時~17時(11月~4月)
道の駅「あかいがわ」の記事はこちら
岩内鰊総合研究所
電話:0135-63-2110
公式サイト