地元では鍋持参でルーを買う!十勝帯広のカレー店「インデアン」とは

旅先で気軽に食べられるごはんの一つがカレーライス。十勝・帯広のカレー店といえば「インデアン」の名前が必ず最初に出ます。十勝に住んでいる人で「インデアン」のカレーを食べたことの無い人を探すのは難しいでしょう。それほど、十勝の人々の暮らしに浸透しているのです。

カレーショップ「インデアン」はいかにして生まれ十勝に広まったのか、帯広市民にとってインデアンとは、またその楽しみ方とは。

▼観光で訪れた方が利用しやすいようにと、中心部に「まちなか店」として復活。開店とともに旅行で訪れた方、ビジネスマンが訪れ、夕方は仕事帰りのお客様でいっぱいに。他の店舗と比べても落ち着いた店内は女性一人でも入りやすい雰囲気です

カレーショップ「インデアン」のはじまり

カレーショップ「インデアン」の最初の店が誕生したのは1968年(昭和43年)。帯広駅前にある老舗「お食事の店 ふじもり」がカレー専門店としてオープンさせたのが「インデアン」です。その魅力は何といっても、誰もが気軽に食べられるような良心的な価格、そして親しみやすい味にあります。

「先代社長がカレー専門店を……と考えて以来、全国各地の有名カレー店はもちろん、美味しいと噂を聞けばそのお店まで食べに行っていたようです。味、店のサービスや雰囲気、どんなお店がお客様に喜ばれるのかと、先代が見つけたものを凝縮してできたのがカレーショップ・インデアンです」と話すのは、「ふじもりグループ」の藤森裕康社長。現在年間220万食以上を販売しています。

映画ポスターのワケ

インデアンは現在十勝管内に10店舗、釧路に2店舗を展開。どの店でも「これがインデアン」と十勝の人に慣れ親しんできた演出が、壁を飾る大きな映画のポスターやパネルです。古い映画のワンシーン、懐かしい映画スターの表情に思わず「懐かしい」と言うお客様も。新しい店舗は、若い世代でも知っている作品が飾られています。

▼写真は西21条店。壁を飾る映画のポスター。往年の映画スター、名場面に見とれている間にカレーが運ばれてきます

「先代が映画が好きで、とにかく時間を作っては観に行っていました。二世代、三世代で訪れても楽しめるように…先代の好みもありますが(笑)、夢を与えてくれた映画をお客様にも感じてもらいたいと想っていたのではないでしょうか」と藤森社長。どのお店に入っても目に飛び込む映画ポスターが「インデアン」らしいと言われる所以です。(長崎屋店にはありません)

店内のカウンターに座ると、銀色に輝くべーク皿にご飯を盛る時に、お皿をクルッ、クルッと回転させる楽しいパフォーマンスも診られます。創業以来変わらないこのお皿の形で最後までインデアンを味わい尽くせるのです。

トッピングで自分の好みのカレーを食べよう。

「インデアン」のメニューは、とてもシンプルです。基本のルーが3種類。牛肉をたっぷり、数十種類のスパイスでじっくり熟成した「インデアンルー」、ビーフエキスが溶け込んだルーに玉ねぎを加えて甘味と旨味を引き出した「ベーシックルー」、そして大きなじゃがいも、にんじん、玉ねぎなどが入った家庭的な味わいの「野菜ルー」です。

▼定番のインデアン(インデアンルー、462円)

▼定番人気の「インデアン」とともにファンが多い「野菜」(野菜ルー、462円)

中でも定番人気メニューが、お店の名称ともなっている「インデアン」で、なんと462円。「ハンバーグ」(649円)もインデアンルーを使っています。肉厚なハンバーグとの相性もぴったり。

ベーシックルーは、プリプリしたむきエビがたっぷり入った「エビ」(649円)、揚げたてサクサクのジューシーなカツがのっている「カツ」(704円)、エビ、ホタテ、アサリなどがたっぷりの「シーフード」(781円)、そしてやわらかく煮込んだ鶏肉の存在感がたまらない「チキン」(649円)で味わえます。

好きなルーとトッピングをお好みで組合せも可能。たとえば、インデアンルーにエビ、インデアンルーにカツ2枚など、ボリュームアップも自由です。ちなみにインデアンルーにカツの場合は「インデアンカツ」、豪華にインデアンルーにエビとカツの場合は「インデアンエビカツ」と言えばオーダーはOK。辛さは普通から5段階、好きなルーとトッピングで、自分のカレーを作ってください。

福神漬けもたっぷり

「インデアン」のカウンターやテーブルに置かれているのは、福神漬け、しその実、しょうがの甘酢漬けの3種類の漬物。これが、また辛いカレーと相性抜群です。口の中がすっきりして、たくさん食べられると好評。

「地元の皆さんに育てていただいて、私たちも毎日頑張れる。恩返しのつもりで、たっぷり食べて下さい。お好きなだけカレーとともに召し上がって下さい、そう想っているんです」と藤森社長は言います。

お店では、カレーと同じように、漬物の食べ方もさまざま。福神漬けを全体にパラパラと乗せる人、甘酢漬けをたっぷりご飯に乗せる人、3種類をバランス良くルーの横に置く人……。漬物を自分の好みで加えて、マイインデアンの出来上がりです。

▼最も新しいお店が東5条店。駐車場も広いので利用しやすく、幅広い年代のお客様が訪れます

ご近所感覚のカレー店

家庭の鍋を持って、ルーを買いに行く……そんなことが当たり前の「インデアン」。忙しいお母さんの味方です。家族が集まる食卓の真ん中に、たくさんの人の笑顔とともに「インデアン」がある風景。「気軽に来ていただけるご近所感覚のお店、それこそが先代が目指したインデアンだと想います」と藤森社長。

ホームページの最初にある言葉が「帯広で2番目においしい店」という言葉。一番おいしいのはお母さんの、奥さんの料理、だから2番目においしい店になりたいという「インデアン」。

十勝・帯広を代表するファーストフードであり、ソウルフーフードとも言える「インデアン」。帯広を訪れたらぜひ一度味わってください。

カレーショップ インデアン まちなか店
帯広市西2条南10丁目1
TEL 0155-20-1818
11:00〜21:00

カレーショップ インデアン 東5条店
帯広市東5条南12丁目
TEL 0155-25-9197
11:00〜21:00

その他店舗については、ホームページをご覧下さい。

※一部写真ラウフェン克撮影

(価格、営業時間を最新情報に更新しました。追記)