函館山山麓の19坂を全制覇!上からと下からの景観をご紹介します

年間500万人近くもの観光客が訪れる函館市。魅力的な観光スポットはたくさんありますが、中でも定番になっているのが函館山から見る夜景でしょう。実はその函館山の裾野には19もの坂があり、それぞれに魅力的な景観を誇っていることをご存じでしょうか。

今回は南東から北西へ向かって(つまりは地図の下から上へ向かって)19すべての坂を一気にご紹介。ぜひ函館観光の参考にしてみてください。

File1.青柳坂(あおやぎざか)

▼「青柳坂」上から

石川啄木も歌に詠んだことのある青柳町。その青柳町の閑静な住宅街にある坂道です。坂道を上りきると、遠く民家の先に海を臨む、函館らしい光景が広がっています。

▼「青柳坂」下から

File2.あさり坂(あさりざか)

▼「あさり坂」上から

1878(明治11)年にこの地で貝塚が発掘され、そこからあさりの貝殻が多く見つかったことから、あさり坂と名付けられました。19ある坂のうち、唯一ひらがなの名前です。

▼「あさり坂」下から

File3.護国神社坂(ごこくじんじゃざか)

▼「護国神社坂」上から

坂の下から見上げると、赤い鳥居が目に入ります。坂の名前の由来である、函館護国神社です。高田屋嘉兵衛像があったり、老舗和菓子店や郷土料理店が軒を連ねていたり、観光客も多く訪れる坂道です。

▼「護国神社坂」下から

File4.谷地坂(やちざか)

▼「谷地坂」上から

かつて遊興地として親しまれていた谷地頭方面へ向かう道中だったことから、この名前になりました。今ではほとんど観光客も訪れず、民家に囲まれて緩やかに続いていく坂道です。

▼「谷地坂」下から

File5.南部坂(なんぶざか)

▼「南部坂」上から

坂の下には地域交流まちづくりセンターがあり、上っていくと函館山ロープウェイの山麓駅に繋がるとあって、常に人で賑わう坂道です。周辺には洋館が建ち並び、函館らしい景観が見られます。

▼「南部坂」下から

File6.二十間坂(にじゅっけんざか)

▼「二十間坂」上から

道幅が二十間(役36メートル)あることから、名付けられました。冬になると木々にイルミネーションが施され、はこだて明治館に向かってこの坂を上っていく観光客の目を楽しませています。

▼「二十間坂」下から

File7.大三坂(だいさんざか)

▼「大三坂」上から

和洋折衷の建物が並ぶ間を石畳が伸びていく美しい景観は、国土交通省の定める「日本の道100選」にも選ばれたというから納得です。秋になると街路樹の紅葉が彩りを添え、一層ロマンチックな雰囲気を醸し出します。

▼「大三坂」下から

File8.チャチャ登り(ちゃちゃのぼり)

▼「チャチャ登り」上から

大三坂からさらに進んだところにある、小さな坂道です。チャチャとは、おじいさんの意。急な傾斜のため、上ると誰もがおじいさんのような姿になることが由来です。上りきると聖ヨハネ教会やハリストス教会の美しい眺望に、はっと息をのみます。

▼「チャチャ登り」下から

File9.八幡坂(はちまんざか)

▼「八幡坂」上から

函館を代表する坂と言っていいほど、ビュースポットとしても有名です。かつてこの坂を老夫婦が手をつないでスキップするCMが話題となり、別名「チャーミーグリーンの坂」と呼ばれることも。冬になると石畳や街路樹にイルミネーションが施され、幻想的な雰囲気を楽しめます。

▼「八幡坂」下から

File10.日和坂(ひよりざか)

▼「日和坂」上から

函館港を一望でき、空模様を読む位置に適していたことから名付けられました。派手な観光スポットというわけではありませんが、函館の自然に親しみたい人は、この眺めが気に入るはず。

▼「日和坂」下から

File11.基坂(もといざか)

▼「基坂」上から

上った先に元町公園や旧函館区公会堂などがあるため、八幡坂と並ぶ観光スポットとなっている坂道です。明治時代、里数を測るための基点がここだったことが名前の由来。道幅も広く、ゆったりと散策したくなります。

▼「基坂」下から

File12.東坂(あずまざか)

▼「東坂」上から

19ある坂の中で、いちばんの斜度を誇るのがこの坂。かなりの急勾配のため、上るだけで体力を消耗しそうです。ただし、坂の上からの眺めは絶景。函館港を見下ろす眺望も、この坂がいちばんなのです。

▼「東坂」下から

File13.弥生坂(やよいざか)

▼「弥生坂」上から

19ある坂のうち、もっとも長いのがこの坂。市街地から函館山の山腹に向かって真っ直ぐに伸びていき、全長約720メートルにもなります。元は2本でしたが、1879(明治12)年の函館大火後、1本に整備されました。

▼「弥生坂」下から

File14.常盤坂(ときわざか)

▼「常盤坂」上から

かつては芝居小屋や遊郭があったことから「芝居町の坂」などと呼ばれていたこともありましたが、現在は閑静な住宅街。坂に植えられた街路樹はナナカマドで、秋になると真っ赤に色づきます。

▼「常盤坂」下から

File15.姿見坂(すがたみざか)

▼「姿見坂」上から

常盤坂同様、かつては周辺に遊郭などがあって栄えていた場所。名前の由来も、この坂から遊郭の艶やかな女性たちを見ることができたから。坂の上から見る函館港は、通だけが知るビュースポットです。

▼「姿見坂」下から

File16.幸坂(さいわいざか)

▼「幸坂」上から

弥生坂ほどではないものの全長約620メートルの長さ、東坂ほどではないもののかなりの急勾配を誇ります。長く急な坂道を上りきると山上大神宮があり、眼下には絶景が広がっています。

▼「幸坂」下から

File17.千歳坂(ちとせざか)

▼「千歳坂」上から

1879(明治12)年の函館大火後にできた坂道。古くから鯨食文化と深い関わりがある函館らしく、坂の途中には鯨族供養塔があります。観光客は少なく、地元の人の生活道路となっています。

▼「千歳坂」下から

File18.船見坂(ふなみざか)

▼「船見坂」上から

その名の通り、港を行き交う船がよく見える坂です。坂の途中にあるのが、大正湯。銭湯らしからぬピンク色の洋館で、映画のロケなどにも使われることも多いのだとか。

▼「船見坂」下から

File19.魚見坂(うおみざか)

▼「魚見坂」上から

19ある坂のうち、もっとも北西に位置するのがこの坂。ニシンなど回遊する魚群がよく見えた場所であったことが、名前の由来です。坂の先には外国人墓地があり、観光客の散策する姿もちらほら。

▼「魚見坂」下から

いかがだったでしょうか。19もある函館の坂道は、観光スポットとして有名なものもあれば、地元の人しか通らないような生活道路もあり、さまざまです。気になる坂を探して、よりマニアックでディープな函館観光を目指すのも面白いかもしれませんよ。