インバウンドの間で「登別ゲストハウス赤と青」が話題になっています。全室ドミトリーでリーズナブルな宿泊費を設定。登別駅やバス停から徒歩1分と利便性が高く、長期滞在も可能なことから登別エリアの観光拠点として注目されています。宿泊客の約7割を外国人が占め、連日さまざまな国の言葉が飛び交っています。
登別に新しい風を運ぶ「ゲストハウス赤と青」
▼オーナーの佐々木太郎さん
2018年6月15日に「登別ゲストハウス赤と青」が登別駅前にオープンしました。代表を務める佐々木太郎さん(札幌市出身)の「北海道の良さを広く伝えたい」という思いが込められた宿なのです。
▼登別駅から徒歩1分の好立地
学校を卒業後、東京でシステムエンジニアをしていた佐々木さんでしたが、故郷を離れて暮らす中で、次第に北海道の良さを再確認します。「東京の刺激的な生活も悪くはないが、できれば北海道の良さを広められる仕事に就いてみたい」。その思いが強くなり、観光業への転職を求めて札幌にUターンすることを決意しました。しかし現実の壁は高く、30代半ばの未経験者を雇い入れてくれる会社はほとんどありませんでした。
途方に暮れていたところ、知人に誘われて札幌のゲストハウスで働くことになり、晴れて観光業に従事します。「当時は宿という選択は考えていませんでしたが、ゲストハウスで働くことで宿泊業の楽しさを知りました」と佐々木さん。そこで得たノウハウを生かし、花屋だった店舗兼住宅をリノベーションして「登別ゲストハウス赤と青」をオープンしました。
▼世界中から宿泊客が訪れていることが一目でわかるマップ
野趣あふれる温泉や豊かな自然が残る登別は外国人に魅力的なスポットながら、宿泊料金が高いため日帰り客が多いという側面がありました。「登別市内はもちろん、白老や室蘭など近隣エリアにも素晴らしい観光資源がたくさんあります。安価な宿をオープンすることで、西胆振全体に足を延ばしてもらえると確信しました」と言います。その狙いは的中し、さまざまな国の人たちが「赤と青」を利用しています。
全室ドミトリー。1名1泊3,500円~
▼プライバシーを考慮したベッド配列
▼寝心地のいい特注羽毛布団で旅の疲れが癒される
客室は全室ドミトリーで、男女共用(最大22名)、女性専用(最大12名)、プライベートドミトリールーム(最大4名)の3つのタイプを用意。オリジナルの大きめの二段ベッドと日本製の特注羽毛布団で快適に休むことができます。フロアにはトイレや洗面所も完備。シャワールームもありますが「温泉に入ってこられる方が多くあまり利用されない」と笑います。
▼自炊の設備も充実
Café&Bar「UNMIXed」で絶品ソフトクリームを!
▼店内では不定期でワークショップなどが開かれている
1階のCafé&Bar「UNMIXed」では、登別のクラフトビール「鬼伝説」や、エスプレッソアフォガート・ドリンク各種などを販売。一般のお客さんや宿泊客の社交の場となっています。
▼のぼりべつ酪農館の協力で開発されたオリジナルソフトクリーム
イチオシは「無添加ソフトクリーム」です。登別は良質な牧草が育つことから酪農が盛んに行われています。UNMIXedは、のぼりべつ酪農館の5種類の牧草のグラスフェッドミルクを100%使用。水あめとミックスすることで濃厚な旨味を作り上げています。牧草の状態により、夏と冬では牛乳の味が微妙に変わるとのことなので、機会があれば違いを確かめてみてください。
▼一度食べたら忘れられない美味さ。「嘘でないって!」
ソフトクリーム本来の旨さを味わうならカップ(350円)、スイーツ感覚を楽しむならワッフルコーン(400円)がおすすめ。アフォガートとして牛乳はもちろん、コーヒーやココア、お酒のなどのアルコールとも相性がいいので、豊富なバリエーションが味わえます。
観光スポットへのアクセス良好
▼各エリアの外国語のパンフレットも用意
近年は外国人観光客のレンタカー利用が増えているため12台分の駐車スペースを確保しています。登別温泉やクマ牧場へはクルマで15分、伊達時代村へは8分、洞爺湖へは90分、登別マリンパーク二クスへは徒歩3分という好立地。マリンパーク二クスの割引券を用意していますので、入館前に赤と青に立ち寄ってください。
世界に向けて北海道の素晴らしさを発信
▼登別に新しい文化を根付かせたい!
スタッフは登別在住の人が多く、周辺の情報を丁寧に教えてくれます。また、市内の専門学校で観光を学んでいる中国系の留学生をアルバイトに採用するなど、ささやかながら国際貢献も行っています。宿泊客の7割を外国人が占めていますが、日本人の宿泊も大歓迎。国籍問わず、ほとんどの外国人宿泊客は英語を話せるそうなので、気軽に話しかけて国際交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。