【富良野市】 富良野といえば、北の国から、ワイン、ラベンダー、冬になればスキーといったイメージがあるが、別の一面も持つ。それは「へそのまち」。東経142度20分・北緯43度20分の富良野市には北海道中央経緯度観測標があり、北海道の地理的中心地、つまり北海道のど真ん中なのだ。
富良野とへそといえば、毎年7月に開催されている「北海へそ祭り」が有名。そのほかにも、富良野の街中を散策してみると「へそ」という名前をあちこちで見かける。へそスポットは多いし、富良野のお菓子屋に行けば「へそ珍菓」が売られている。このように「へそ」が広まりだしたきっかけは、1969年に制定された富良野市民憲章に遡るという。
そこで今回は、富良野の街中で見つけた「へそ」をコレクションしてみた。
富良野の街中にあるへそスポット
富良野でへそといえばまずはここ。まさに北海道のへそである「北海道中央経緯度観測標」。富良野小学校校庭の一角に中心標が設置された中心標公園(へそ公園)を訪れたい。1914年に京都帝国大学理学部教授・新城新蔵博士の一行が観測・測定機械を据え付けた場所で、ここには高さ4m・34tの石碑などが設置されてきた。1956年に北海タイムス社「北海道文化百選」、1971年に富良野市文化財に選ばれている。
「へそ神社」も富良野にはある。郊外の中御料にある北真神社がそれで、気軽に行ける場所としては、富良野駅前にもその看板が設置されている。
富良野中心部の中道に入れば居酒屋が集まる小路もあったりする。そのひとつが「へそ歓楽街」である(日の出町)。車一台がやっと通れるほどの狭い通りには「居酒屋へそ」を筆頭に、居酒屋が軒を連ねる。中には「へそビル」なんていう建物もあった。へそづくしの夜を楽しみたいならココもお勧めだ。
「へそ市場」なんていう場所もある(弥生町4-2)。富良野市公設地方卸売にあり、2003年にオープンした。市場開場日は土日中心に月に数日・数時間程度とわずかだが、富良野の味覚が集まる場所として地元では知られている。
富良野で製造されているへそ銘菓
富良野には美味しいお菓子もたくさんある。中でも「へそ」という名前が付いているお菓子が幾つか見られ、「富良野郷土珍菓」として紹介されている。
まずは「へそじまん」。菓子司一久庵(幸町7-24)が製造している。北海道産のフレッシュバターをたっぷり使用した香り豊かなパイ生地でカボチャ餡を包んだパイ饅頭である。楕円形の饅頭は、北海へそ踊りの図腹をイメージし、一つ一つ手作りで製造している。このお菓子は第21回全国菓子博覧会名誉金賞を受賞した。
そして富良野でへそ銘菓といえばこれが有名だろう。和菓子「へそのおまんじゅう」。1974年以来、菓子司新谷(朝日町4-7)が製造販売する。味は餡のほか、カスタード、チョコレートがあるが、形は四角く、北海道の形と富良野の位置を丸く浮き立たせた刻印する。へそ関連の和菓子としては歴史が長いほうである。
同社が作る別の「へそ銘菓」は、「へそのおごまくっきー」。薄焼のクッキーは、プレーンのほか、白ごま、黒ごま、希少な金ごま、の合計4種類。北海道産の素材にこだわり、バターや小麦粉を使って製造する。
ばすすとっぷ社(幸町13-1フラノマルシェ)が製造するのが「へそ豚まん」(150g)。へそのまちと豚をイメージし、白い豚まんのてっぺんには豚の鼻のようなイメージも持たせる。北海道産と富良野産の小麦粉100%のモチモチな生地、富良野産の豚肉・タマネギをたっぷり使用しており、食感や素材の旨みなどにこだわったジューシーな味わいが特徴だ。唯我独尊カレーまんとセットで販売されている。
ドリンクとしては、ふらのご当地ドリンクの「へそガラナ」がある。詳しくはこちらのページをご覧いただきたいが、北海へそ祭りのイメージをパッケージに描いているのがなんとも富良野らしい。
富良野を歩けば「へそ」に出会う。富良野を訪れたら「へそ」探しをしてみてはいかが。